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2021.10.13

DXに役立つ補助金9選|申請ステップから申請代行サービスまで紹介!

最終更新日:

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労働力不足が懸念される日本では、あらゆる産業分野でデジタルによる変革が重要視されています。そこで注目を集めているのが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。変化する社会での競争を生き抜くため、多くの企業がDXの推進に取り組んでいます。

しかし、DXの実現にはコストがかかるため、推進への取り組みが滞っている企業も多くあります。

今回は、DX向けの補助金9選を紹介し、申請方法について解説します。

▼DXについて詳しく知りたい方はこちら

DXを推進する企業は補助金を活用すべき

企業がDXを推進する上で、活用したいのが補助金です。DXの推進にはさまざまな課題がありますが、コストもその1つです。既存のシステムではDXに対応できず、設備やITシステムを刷新のため、多額のコストが必要となるケースも散見されます。

こうした課題を解決するために、国や地域が補助金を提供しています。補助金の特徴は「返済する必要がない」点です。「DXを推進したいが、コストをかける余裕がない」企業は積極的に活用すべきと言えるでしょう。

▶DX推進とは?|指標や課題・企業事例をガイドラインに沿って解説した記事はこちら>>

補助金と助成金の違いとは?

補助金と助成金の大きな違いは、「予算や件数に制約があるかどうか」です。

補助金は、予算が決まっており、件数に限りがあります。そのため、申請をしても審査で可決されなければ受け取れません。これに対し助成金は、一定条件を満たしていれば、ほぼ確実に受け取れます。

補助金の特徴

主な提供元 国・地方自治体・各団体
提供目的 新規事業の立ち上げ・自治体との連携
メリット
  • 種類が豊富
  • 支給金額の幅が大きい
  • 経費の適用範囲が広い
注意点
  • 予算に制約があるため、審査が厳しい
  • 募集期間が短い
  • 支払われるまで時間がかかる

助成金の特徴

主な提供元 厚生労働省(独自で実施している自治体有)
提供目的 雇用増加・人材育成
メリット
  • 条件を満たせば受け取れるため、審査がないものも多い
  • 募集期間が定まってないものが多い(通年申請可能)
注意点
  • 人気の助成金は早めに申請が必要

DX推進に役立つ補助金5選

今回紹介するDX推進に役立つ補助金は以下の5つです。

  1. IT導入補助金
  2. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
  3. 事業再構築補助金
  4. 事業再構築補助金
  5. 中小企業デジタル化応援隊事業

それぞれ解説していきます。

IT導入補助金

IT導入補助金は、ITツールの導入経費の一部を支給する補助金です。業務の効率化や売り上げ向上を目的としています。「IT導入支援事業者」が導入をサポートしてくれるため、安心してDXに取り組めます。

  • 補助対象

補助対象は、中小企業と小規模事業者(産業分野を問わない)
業種や組織形態ごとに、資本金・従業員数の条件が設けられています。

  • 補助金額と補助率

通常枠(A類型・B類型)に加え、コロナ禍で対人接触の機会を低減するような業務形態の非対面化に取り組む企業のための低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)の4つに区分されます。

A類型 B類型 C類型 D類型
補助率 1/2以内 1/2以内 2/3以内 2/3以内
 補助金額 30万〜
150万未満
150万〜
450万以下
30万〜
450万以下
30万〜
150万未満

参照:IT導入補助金2021(一般社団法人 サービスデザイン推進協議会)

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

中小企業の生産性向上を目的とし、新たなサービスの開発や生産プロセスの改善を支援します。

  • 補助対象

成長や収益の伸びが期待できる中小企業・小規模事業者
業種ごとに、資本金・従業員数の条件が設けられています。

  • 補助金額と補助率

サービスの開発や生産方法の改善に必要な設備を補助する一般型、海外事業の拡大・強化のための設備投資を補助するグローバル型、中小企業の支援を行う大企業を補助するビジネスモデル型の3つに区分されています。

一般型 グローバル型 ビジネスモデル型
補助率 中小企業:1/2
小規模事業者:2/3
中小企業:1/2
小規模事業者:2/3
補助金上限額 1000万円 3000万円 1億円
  • 審査のポイント

企業としての成長性や、従業員の賃金引き上げ幅が重視されるため、以下のポイントを抑えた企業が有利になります。

  • 企業規模が小さい
  • 企業を設立して間もない
  • 財務基盤が強い

参照:ものづくり補助金総合サイト(全国中小企業団体中央会)

事業再構築補助金

コロナウイルスの流行による社会の変化に対応するため、新規事業の展開や事業転換などを支援する制度です。

  • 補助対象

コロナ禍で厳しい状況にある中小企業・小規模事業主・企業組合など

  • 補助金額
通常枠 卒業枠 グローバル
V字回復枠
補助率 中小企業:2/3
小規模事業者:1/2
中小企業:2/3 小規模事業者:1/2
補助金額 100万〜8000万円 6000万〜1億円 8000万〜1億円

参照:事業再構築補助金とは(補助金・資金調達ガイド)

中小企業デジタル化応援隊事業

中小企業・小規模事業者へのデジタル化やIT技術活用のサポートを充実させるため、IT専門家の紹介やその費用の一部負担を行っています。

  • 補助対象

デジタル化に取り組みたい中小企業・小規模事業者

  • 補助金額

IT専門家に払う謝礼の内、最大3,500円/時間(税込)を補助

参照:第Ⅱ期 中小企業デジタル化応援隊事業(第Ⅱ期 中小企業デジタル化応援隊事業事務局)

戦略的基盤技術高度化支援事業

製造業の国際競争力の強化・新たな産業創出を図るため、ものづくり基盤技術を高度化を目的とした支援事業です。そのための研究開発や販路開拓を支援します。

  • 補助対象

企業単独では申請ができず、中小企業中心の共同体を作る必要があります。

  • 補助金額
中小企業 大学・公設試等  課税所得15億円以上
の中小企業等
補助率 2/3以内 定額 1/2以内
補助金上限額(年) 4500万円 4500万円 4500万円

参照:令和3年度予算「戦略的基盤技術高度化支援事業」の公募を開始します(中小企業省)

地域で行っている補助金4選

今回紹介地域で行っている補助金は以下の4つです。

  1. 長野県-AI・IoT等先端技術活用DX推進事業
  2. 山口県-中小企業DX推進補助金
  3. 熊本県-IoT導入計画策定補助金
  4. 岐阜県-商店街DX事業費補助金

それぞれ解説していきます。

長野県-AI・IoT等先端技術活用DX推進事業

県内の企業が抱える課題に対し、AIやIoTを活用して課題解決を図る事業を補助します。

  • 補助対象

AIやIoTを活用し、生産工程・業務管理工程など事業活動の生産性向上を図る事業

  • 補助率・補助金額
IoTの活用 補助率:1/2以内
補助上限額:100万円以内
AIの活用 補助率:1/2以内
補助上限額:200万円以内

参照:AI・IoT等先端技術活用DX推進事業(長野県)

山口県-中小企業DX推進補助金

県内中小企業の持続的発展の促進を目的とし、生産性の向上・既存ビジネスの変革を目指す情報処理システム構築を支援します。

  • 補助対象

県内に主な事業所を持つ中小企業の内、付加価値額が年率平均3%以上向上するDX推進計画を持つ企業。付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)

  • 補助率・補助金額
補助率:1/2以内
補助上限額:150万円

参照:令和3年度中小企業DX推進補助金の募集について(山口県)

熊本県-IoT導入計画策定補助金

県内企業の生産性向上や製品・サービスの高付加価値化のため、IoTを中心としたデジタル技術の導入・活用を支援します。

  • 補助対象

県内に事業所や工場を持つ企業・グループ

  • 補助率・補助金額
補助率:1/2以内
補助上限額:100万円以内

参照:令和3年度IoT導入計画策定補助金の2次公募のお知らせ(熊本県)

岐阜県-商店街DX事業費補助金

若者やインバウンドの誘客促進、消費拡大による商店街活性化を目的とし、商店街のデジタル化に伴う人や現金への接触機会の削減による新型コロナウイルス感染症の拡大防止を支援しています。

  • 補助対象

商店街振興組合及び商店街振興組合連合会・その他商店街団体など

  • 補助率・補助金額
補助率:2/3以内
補助上限額:100万〜1000万円

参照:岐阜県商店街DX事業費補助金(岐阜県)

補助金を導入する3ステップ

補助金を導入するためには、以下のような3ステップを踏む必要があります。

  1. 補助金申請の対象者/条件を調べる
  2. 申請書を提出して審査を受ける
  3. 事業を実施して報告書を提出する

それぞれ解説していきます。

①補助金申請の対象者/条件を調べる

初めに、「自社が補助金を受け取る資格があるのか」応募条件を確認しましょう。企業規模など、対象が限られているケースが多いため、応募前に調べておく必要があります。

②申請書を提出して審査を受ける

補助を受けるために必要な応募書類を入手し、必要事項を記入しましょう。多くの書類が必要とされるケースや、手続きに時間のかかる書類があるケースに備え、期日までに余裕を持って取り組みましょう。

③事業を実施して報告書を提出する

補助事業に採択されたら、計画に沿って事業進めましょう。補助金は、一般的に事業完了後に支払われます。

補助事業に採択された後も、事後調査により補助額が変動する可能性もあるため、事業計画に沿った行動が大切です。補助金の額が大きければ、複数年にわたる報告書の提出が求められるケースもあります。

補助金の利用時に気をつけたいこと

補助金の利用時には、「申請期間を確認する」「補助金の獲得を目的にしない」この2点に気を付ける必要があります。

それぞれ解説していきます。

申請期間を確認する

補助金の中には、募集期間が短いものや先着順で締め切るものもあります。「前年度はいつ募集していたのか」「採択される企業数はどの程度か」など、事前に公式ホームページで情報を得ておくと良いでしょう。

補助金の獲得を目的にしない

補助金を導入するプロセスでも記述した通り、補助金を受けて実施した業務は、完了したら報告する義務があります。

そのため、最終的に補助金を受け取ることを目的にし、想定していないシステムを導入するなど、結果として損になる選択をしてしまう企業も少なくありません。

本来の目的を意識して活用できる補助金制度を選びましょう。

補助金申請代行サービスとは?

補助金の申請には、書類の準備などの手間がかかります。そのため、規模の小さい企業では、日々の業務と並行して、申請作業を行うのは困難となります。

そこで、活用したいのが「補助金申請代行サービス」です。プロに申請をお願いすれば、日々の業務を疎かにすることなく、安心して補助金申請ができます。

費用がかかるといったデメリットもありますが、効率的に補助金を申請できるため、おすすめです。

まとめ

「DXを推進したいが、コストが課題となって取り組めていない」という」企業は、補助金を活用してみてはどうでしょうか?

今回紹介した他にも、中小規模や小規模事業者向けに提供されている補助金が多くあります。対象などの条件を調べて、自社にあった制度を見つけてみましょう。

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