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2022.04.01

【業界初】地域金融機関向け、FAQを共通化するプラットフォームを提供開始|PKSHAグループAI SaaS事業戦略説明会

最終更新日:

2020年3月16日(水)、PKSHA Technology株式会社(以下、PKSHA Technology)は、創業初となる記者発表会を行い、AI SaaS事業および事業戦略についての記者説明会を開催しました。

PKSHA Technologyはディープラーニングを用いて機能特化型のアルゴリズムやパッケージソフトウェアを企業向けに開発するAI上場企業です。

▼PKSHA Technology株式会社についてはこちら

この記事では、PKSHAグループのAI SaaS事業戦略説明会をレポートします。

AI SaaS Companyへ |PKSHAのこれまでの歩み

まずはじめに、PAKSHA代表取締役である上野山勝也氏より、PKSHAのこれまでの歩みについて紹介されました。

PKSHAが考える2つの課題

弊社は2012年にソフトウェアで音声や映像を処理する研究チームで創業し、4年前に上場をしました。

初めの5年はさまざま会社様とプロジェクトを行い、どこにAIを実装すべきか観察してきました。これ日本のAI業界における課題が大きく2つ見えてきました。

1つ目は、AIの活用方法についてです。

ソフトウェアプロジェクトの複雑化が進み、内部的な仕組みの理解が難しく、適切な活用方法を見つける事が難しく、さらに、ソフトウェアを少し改変するだけでも多くの費用が発生する為、AIの導入のハードルが高くなっています。

2つ目は、AIやDXに関する先行投資についてです。

業界をリードする会社様は多くのプロジェクトをされていますが、業界を作っている中小企業様には恩恵が届いていないという課題です。

これらの課題を解決すべく、PKSHAはAI SaaSを作成し、提供することでさまざまな業界の方に利用していただけるように努めております。

2つの事業の共進化で、AIの恩恵をより多くの人へ|PKSHAの想い

PKSHAの想いとしましては、研究開発と社会実装の2つの事業が共に進化することでAIを社会に広く浸透させたいと考えています。

今まではPhase1.0で、さまざまな会社様との共同プロジェクトをさせていただきました。その中で見えてきた共通課題を解くパッケージ化されたソフトウェアをPhase2.0のAI SaaS事業という形で展開していきたいと考えています。

2017年の上場後4年は、AI SaaS事業の比重が大きくなっています。2021年10月期では収益性が50%を超え、年率20%で伸びております。これは、日本のSaaSマーケットの中でも収益性の高いプロダクトの一つだと考えています。

本日の説明会では、株式会社PKSHA Communicationと株式会社PKSHA WorkplaceによってAI SaaSという形として、AIを広く使っていただける事業内容を説明させていただきます。

人と共進化するソフトウェアで”繋がり”を増やす|PKSHAが考えるAI SaaS

PKSHA Technology株式会社 代表取締役 上野山勝也氏

「AIは人の仕事を奪いそうで怖い」などAIは人と対抗するという認識が昔からあると思います。しかし、PKSHAが考えるAI SaaSとは「人と話し言葉で対話をし、人と共に進化するソフトウェア」です。

我々が考えている課題とは、デジタルやAIの恩恵がデジタルリテラシーの高い一部の人にしか届いていないことです。

従来、ソフトウェアを利用する時は、人がコンピュータの前でキーボードを打つように、人間がソフトウェアに合わせに行ってたと思います。しかし、我々の考えるAI SaaSとは、電話をする時、”お名前は何ですか”という質問に対して名前を解答するように、キーボードではなく、言葉でコンピュータとインタラクションを行うソフトウェアです。こうする事で、例えコンピュータを持っていない方にもデジタルの恩恵を届けられると考えています。

これは大きく2つの市場で伸びており、1つはコンタクトセンター、もう1つが社内のコミュニケーションです。

近年、遠隔での仕事が増えており、チャットツールやビデオ会議ツールなどによって日々のコミュニケーションがデジタルに変換されています。このようなところにソフトウェアが滞在することで、社内での問い合わせを我々のAI SaaSが自動で答えを返すことでコミュニケーションを効率化させる形で活躍しています。

AI SaaSの展開イメージは、企業の枠を超えて知識を共有し、社会に広がっていくことです。

多くの企業様がコンタクトセンターのオペレーターの方がさまざまな困り事を、一つひとつ解決しており、日本の中でこれを膨大な数行われており、これが非常にもったいないと考えています。そこで、これら一つひとつのおもてなしデータを集め、AI SaaSが学習することで精度を上げることで企業の方が進化していくような思想で展開を考えています。

現在は累計2億回以上の対話を我々PKSHAが捌いています。

組織統合でAI SaaS事業を加速|PKSHAのこれから

2022年2月14日、PKSHAは今後のAI SaaS事業加速の為に、子会社の株式会社PRAZNA及び株式会社BEDOREを2022年4月1日からそれぞれ、株式会社PKSHA Communication及び株式会社PKSHA Workplaceへ社名を変更し、組織の統合・再編を進めると発表しました。

今回の説明会では、2社の代表者が登壇し、今後の取り組みについて紹介されました。

PKSHA Communication

4/1より株式会社PKSHA Communication代表取締役 佐藤哲也氏

PKSHA Communicationはお客様と企業のより良い関係構築のため、お客様のつまずきや知恵を活用しながら進化していく企業を支援する会社として4月から進んで参ります。

PKSHA Communicationで取り扱う製品は主に2つあります。1つは、チャットボットを中心とした「BEDORE」という製品となります。これは、2億回以上の対話の実現、100社以上のご導入を頂いている製品です。もう1つは、企業様がホームページなどで用意されているFAQをマネジメントするソフトウェア「OKBIZ」です。こちらは、国内シェアNo.1、800社以上にご導入を頂いている製品です。

お客様と企業の接点における社会的課題は2つあると考えています。デジタル接点の複雑化への対応とデジタルに詳しくない顧客への対応です。

これらに対して我々は、デジタル接点の複雑化に対して製品の提供のみならず、最適な運用方法やコンサルティングなどの運用支援を含めたサービスを提供します。

デジタルに詳しくない顧客に対しても、「音声」を中心とした対話を可能とするサービス「Voice Conversation」を提供してまいります。

既に、金融機関ではこちらの導入が進んでおり、比較的に業務がパターン化されている生命保険会社、損保会社にも導入させて頂いております。

PKSHA Workplace

4/1より株式会社PKSHA Workplace執行役員 杉原雅人氏

PKSHA Workplaceのミッションは「The Future Work:未来の日本の働き方を提案するPKSHA AI SaaSのご提供」です。

5年後、10年後の日本の働き方を想像し、どの会社でもいち早くテクノロジーで実現できるよう挑戦して参ります。その成長戦略のために、企業の枠を超えた部門単位・業界単位のコミュニケーションプラットフォームの構築を実現したいと考えております。

PKSHA WorkplaceはAIが働く人の能力拡張・進化を実現する世界こそがあるべき姿だと考えています。ソフトウェアも進化し、人も進化する「人とソフトウェアの共進化」を実現するためには、より多くのお客様に利用していただくことが必要です。

本日はその成長戦略の1つである業界初のPKSHAの地域金融機関向けにFAQを共通化するプラットフォーム提供について説明させていただきます。

業界初、PKSHAが地域金融機関向けにFAQを共通化するプラットフォームを提供開始

京都銀行をはじめ、5行の地銀が参画意向を表明

PKSHAは、地方銀行の業務DXをサポートし、顧客と企業の関係性を向上させる取り組みとして、FAQのフレームワークやデータなど、社内外の問い合わせ業務ナレッジを地方銀行間で相互に共有する「地銀FAQプラットフォーム」を2022年5月より提供開始すると発表しました。

AI SaaSでFAQデータを汎用化

近年、テクノロジーの進化によるサービスの複雑化、コロナの影響による非対面でのお客様対応が増えるなど、顧客や社内からの問い合わせの負荷がより高まっています。

そこでPKSHAは、FAQデータをお客様・従業員のニーズやお困り事と捉え、全国の地方銀行に協力を得て収集し、独自の自然言語処理アルゴリズムによって汎用化したものをAI SaaSを通じて提供すると発表しました。

これにより、より多くの学習データが蓄積され、自動応答AIの精度は高まり、各地方銀行は、社内の問い合わせも含めた他社のナレッジを入手・比較することが可能になり、顧客の理解と豊かな対応が実現できると考えられます。

なお、顧客情報や個別の銀行に関する情報はデータベースに含まれず、安心して情報共有を行うことができます。

PKSHA Technology株式会社 自然言語処理技術・全社R&D研究開発責任者 渡邉陽太郎氏

今後は、協業の基本合意を締結した京都銀行のFAQデータを元に作成した汎用化FAQを他金融機関に試験提供し、検証を進めると発表されております。

本取り組みへのご興味をお持ちの金融機関向けの勉強会を4/20(水)にオンラインにて実施される予定です。

金融機関様向け「地銀FAQプラットフォーム」勉強会
日時:4/20(水)13:00 ~ 14:00(12:50開場)
実施場所:オンライン
ご参加登録:https://bit.ly/3sFVPwP

さいごに

AI活用やDX推進が注目されている今、事例やナレッジの可視化の重要性が高まっています。AI SaaSによるナレッジの蓄積・汎用化が進むことで、日本のAI業界が更に盛り上がり、デジタルリテラシーの低いユーザにもAIの恩恵が届く日は近くなるでしょう。

PKSHAのAI SaaS事業によって今後どのように社会がアップデートされるか注目です。

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