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株式会社シナモンは「コア業務を革新し、DXを推進する」をテーマに、「画像認識・音声認識・自然言語処理」の3つの機能別AIエンジンを日本の大手企業を中心に提供している企業です。
2016年に設立して以来、いくつもの大手企業に提供や提携をしており、社長の平野未来氏はForbes JAPAN「起業家ランキング2020」BEST 10、ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019 イノベーティブ起業家賞を受賞するなど、今注目のベンチャー企業です。
同社には高度なAI人材が約100名所属していますが、ベトナム・台湾にラボを保有し、レベルの高い人材のみを採用することで、圧倒的なAI開発技術を誇っています。
今回は株式会社シナモンの概要や事業内容を紹介しつつ、同社の強みや動向について解説していきます。
目次
株式会社シナモンとは
企業概要
社名 | 株式会社シナモン |
設立 | 2016年10月5日 |
所在地 | 東京都港区虎ノ門3-19-13 スピリットビル6階 |
代表 | 代表取締役社長CEO 平野 未来 |
社員数 | 200人 |
資本金 | 9000万円(2021年9月1日時点) |
ビジョン
”創造あふれる世界を、AIと共に”
シナモンは、人工知能を活用したソリューションを提供することで、人間が創造的な仕事に集中できる世界の実現を目指しています。
具体的には、ベトナムラボを持ち、日本の大手企業を中心にホワイトカラーの生産性向上・間接部門の業務効率化をテーマに、業務効率化に繋がるプロダクトやコンサルティング開発を提供しています。
沿革
2016年10月 | 株式会社シナモン設立 |
2018年3月 | 野村アクセラレータープログラム「VOYAGER」に採択される |
2018年7月 | 昭和電工株式会社と人工知能(AI)を用いた技術文書活用システムの共同開発を開始 |
2018年8月 | AI研究開発センターを台湾に開設すると発表 |
2019年3月 | AI-OCRを活用した「Flax Scanner受発注業務効率化サービス」を発表 |
2020年1月 | 大手菓子メーカー・ブルボンへFlax Scanner受発注業務効率化サービスの提供決定
東芝エネルギーシステムズへAI契約書要点摘出・検索システムを提供開始 |
2020年3月 | 郵船ロジスティクスと物流業務改善で協業-AIを活用したシステム開発に着手 |
2020年5月 | 国内大手企業アルプスアルパインへAI-OCR「Flax Scanner」を提供開始 |
2020年6月 | シナモンAI、PFU、富士ゼロックス、富士通、共同で
第一生命保険にAI-OCR基盤を導入 |
2020年9月 | 一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)に入会
ロゼッタと音声認識とAI-OCRの開発で業務提供へ基本合意 |
2020年12月 | ベンチャーキャピタル「D4V」、デザインファーム「IDED」と
AIモデル開発に関するワークショップを共同開発 |
2021年1月 | アニメ業界のDX推進に向けて、
「アニメーション自動着色AI」をギークピクチュアズへ提供開始 |
2021年5月 | ギークピクチュアズとの共同プロジェクト「アニメーション自動着色AI」に
東映アニメーションが参画 |
2021年6月 | トラスコ中山と流通業界を戦略的にDXする
「トラスコDX2.0」推進のための資本業務提携を発表 |
2021年8月 | エヌエヌ生命の引受査定業務におけるAIの実装準備を開始 |
2021年9月 | 第三者割当増資によりサントリーホールディングスから資金調達を実施
ふくおかフィナンシャルグループの振込業務の改善へAI-OCRの提供を開始 |
2021年11月 | イーデザイン損害保険の新自動車保険「&e(アンディー)」にAI-OCRを提供開始 |
2022年1月 | 住友生命のスミセイダイレクトサービスにAI-OCR「Flax Scanner」を提供開始 |
株式会社シナモンの事業内容
シナモンAIの主力プロダクトである3つの機能別AIの概要を紹介します。
「Flax Scanner(フラックス・スキャナー)」
シナモンのメインプロダクトともいえる「Flax Scanner」はPDF、Wordファイル、印字・手書きなどの紙文書などさまざまなファイル形式・フォーマットの文書(非定型帳票)に対応が可能なAI-OCRで、事前登録なしで自動で読み取りが可能です。さまざまな様式がある請求書業務や大量の紙文書でまとまったデータをデジタル化し重要な箇所を抽出するといった業務に適しています。
「Rossa Voice (ロッサ・ボイス)」
「Rossa Voice」は顧客専用に特化して音声認識エンジンを学習させることで、専門用語や社内用語を高精度に認識し、自然言語処理を用いて情報抽出・要約・分析まで含めて提供するなど、単なる音声認識だけでなく後続業務までカバーできます。議事録の自動作成やコールセンター情報の文字起こしと分類、要約などの業務に適しています。
「Aurora Clipper(オーロラ・クリッパー)」
「Aurora Clipper」は自然言語処理を活用し、長文文書の内容を解析して、必要な情報の抽出や分類が可能です。これにより、大量の文書のレビューにかかる時間を大幅に削減できます。契約書の要点や確認事項の抽出作業、長文書類の要約などの業務に適しています。
株式会社シナモンの特徴
幅広い技術の組み合わせにより、コア業務に導入
株式会社シナモンは自然言語処理、画像認識、音声認識、データ分析など幅広い技術を組み合わせることに強みがあり、会社ごとに多種多様な仕事に合わせた高度な対応ができるため、暗黙知が多く外注が難しいコア業務に導入することができます。
ベトナム、台湾にAI研究ラボの保有と数多くのAIリサーチャー
出典: キーワードは「共生・共創」。スタートアップ、シナモンAIが海外を舞台に活躍する理由 | Business Insider Japan
シナモンには100名以上のAIリサーチャーが在籍しており、ベトナムと台湾にAI研究ラボも保有しています。この体制によって、多様かつ細分化された領域ごとに次々と試行錯誤を行い、新たなアルゴリズムを開発していくことが可能です。
ウーマン・オブ・ザ・イヤー受賞の社長平野未来と豊富な経験と実績の取締役会長 加治慶光
連続してベンチャーを立ち上げる起業家を指す「シリアル・アントレプレナー」であり、東京大学大学院修了、St.Gallen Symposium Leaders of Tomorrow、Forbes JAPAN「起業家ランキング2020」BEST 10、ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019 イノベーティブ起業家賞、Veuve Clicquot Business Woman Award 2019 New Generation Awardなど、国内外の様々な賞を受賞しているCEOの平野未来氏が起業。
オリンピックなど官民における様々なグローバルなプロジェクトをリードした豊富な経験を持ち、前職のアクセンチュア株式会社ではチーフ・マーケティング・イノベ―ターとして、ブランディング、オープン・イノベーション、最先端のテクノロジー・マーケティング、SDGs統合プログラム、働き方改革の推進等に大きく関与していたChairmanの加治慶光氏をはじめスタートアップ企業とは思えないAIビジネスと経営経験の豊富なメンバーが揃っています。
株式会社シナモンの最新の動向
2021年1月に、株式会社ギークピクチュアズとの共同プロジェクト「アニメーション自動着色AI」を発足。
「アニメーション自動着色AI」は、同年5月に東映アニメーションによるAI開発用学習素材の提供を受け、AIによる深層学習を加速させており、アニメ業界のDXを促進している。また、今後東映アニメーション作品での試験導入も予定しています。
アニメ産業は、クールジャパン戦略の⼀⾓を担う⽇本のソフトパワーを強化する重要な産業ですが、アニメ制作現場における専⾨⼈材の不⾜と長時間労働が問題になっています。
「アニメーション⾃動着⾊AI」は、業務負荷が大きい⾊付け業務に対して AI を導⼊し、アニメ制作者の⽣産性を向上させることを⽬的としており、具体的にはセル画の前処理から着⾊までの各フローにおいて AI 技術を活⽤することで、ピクセル値単位における着⾊精度 96%という⾮常に⾼い⽔準での着⾊ができ、セル画への⾊付け業務の時間を 1/10 に短縮、コストも 50%以上の削減が可能になります。
これにより、今まで2時間かかっていた作業を10分までに短縮することに成功しました。
株式会社シナモンの将来性
株式会社シナモンは自然言語処理、画像認識、音声認識、データ分析など幅広い技術があり、それらを組み合わせることもできます。AI企業と呼ばれる会社の中でも、これだけ幅広い技術に一気通貫で対応できる企業は世界的にも少なく、既に日本生命や第一生命、TOSHIBA、TOYOTA、サントリーなど多くの大手企業への導入実績がある株式会社シナモンは、今後も多種多様な業界導入されていくことが期待できます。
また、株式会社シナモンはギークピクチュアズとの共同プロジェクト「アニメーション自動着色AI」をはじめ、数多くの企業と共同開発を行っており、自身の専門領域に囚われずに、新たなサービスや商品が生まれる可能性も大いにあります。
株式会社シナモンは、これからもCEOの平野氏が目指す「AIが単純作業をやることで働く時間を減らし人間がクリエーティブなことに集中できる世界」の実現に向け、突き進んでいくでしょう。
株式会社シナモンの採用情報
現在株式会社シナモンでは以下の業種・職種の採用を行っています。
募集職種
- AIソリューションアーキテクト(リサーチャー/研究開発)
AIソリューションアーキテクト(シニア・NLP分野)
AIソリューションアーキテクト(データサイエンス分野)
(ジュニア~シニア)
AIソリューションアーキテクト(フロンティアビジネス)
- AIソリューション・デリバリー(PM系)
AIソリューションデリバリー(プロジェクトマネージャ)※AI-OCR・自然言語処理領域
AIソリューションデリバリー(プロジェクトマネージャ)※音声認識・画像認識・データサイエンス領域
CSチームメンバー
システム運用保守エンジニア
- 事業開発(Sales)
事業開発マネージャー(新規セクター)
Business Development(大手製造業界向け)
事業開発(SCMチーム)
事業開発データ分析×業務システムチーム
事業開発マネージャー(保険セクター)
- コーポレート
人事
法務
経理マネージャー候補
- オープンポジション
応募概要
- 試用期間
入社後6ヶ月(本採用と同条件)
- 福利厚生
通勤交通費支給(月額上限 3万円まで)
各種社会保険完備
ITソフトウェア健康保険組合加入
- 休日
完全週休2日制(土・日)
国民の祝日
年次有給休暇(入社時3日、6ヶ月勤務後10日付与)
産前産後休業、育児介護休業(法定通り)
その他、慶弔休暇、年末年始休暇など
※年間休日:122日
- 採用フロー
(カジュアル面談)→書類選考→面接(2~3回)→最終面接→
内定・オファー面談
まとめ
今回は、「株式会社シナモン」について紹介しました。
株式会社シナモンは、「世の中のあらゆる面倒な仕事をなくして、ホワイトカラーの生産性を真の意味で向上させること」をミッションに掲げて、「画像認識・音声認識・自然言語処理」の3つの機能別AIエンジンをメインで提供しています。
圧倒的なAI開発技術を武器に、領域横断でDXを促進する株式会社シナモンに今後も目が離せません。
The Playersシリーズでは、AI関連の企業にフォーカスした記事を書いています。さまざまなAI企業を比較することで、成功するAI関連企業の法則が見えてくるかもしれません。
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大学では広告や広報について学んでいます。
サッカーは見るのもやるのも好きです。
AIの知識を深め、わかりやすい記事をお届けしていきたいと思います!