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2022.05.31

学べて作れて試せる、SB C&Sが目指す総合AIプラットフォーム|AIMINA

SB C&S株式会社は、誰でもAIを手軽に「学べる・作れる・試せる」クラウド型AIプラットフォーム「AIMINA(アイミナ)」の有償プランを、2022年5月から提供開始しました。今回はAIMINAの開発に至った背景やサービス概要について、AIMINAの開発に携わったSB C&S株式会社 渡邉 敬介氏、村松 貴耶氏にインタビューをしました。

学習から開発まで幅広い使い方ができる総合AIプラットフォーム「AIMINA」

AIMINAは、AIを手軽に学べる・作れる・試せる、クラウド型AIプラットフォームです。

学習機能では、AIの基礎的な知識から具体的なAI活用シーンまでAIプロジェクトを始める際に役立つ情報を学ぶことができます。

開発機能では、試したいと思っているAIの利用シーンを選択し、お持ちのデータやテストデータを使ってAIモデルを自動作成できます。

また、作成した予測モデルをAIMINA上で走らせ、シミュレーションすることもできます。

AIMINAの公式HPには、さまざまな業種の活用事例がいくつも紹介されています。

AI技術の利用ニーズが増えているのに手軽に使えるプラットフォームがない?!|AIMINA開発に至った背景とは

ーーAIMINAを開発しようと思った背景を教えてください。

渡邉さん:私たちSB C&Sは、さまざまなハードウェアやAIを含むソフトウェアなどを販売していますが、企業側が具体的に何を導入したいのかを理解していないと商売ができません。

その中で、ここ数年テストマーケティングをしていた際に増えていたのが、「AIを導入したいが、構想やPoC(Proof of Concept)の段階で困っている。」という声でした。

そこで、構想やPoCの課題を解決できるAIプラットフォームがあれば多くの企業を助けることができると思い、クラウド型AIプラットフォーム AIMINAの開発を始めました。

ーー企業側は具体的にどのようなAIプラットフォームを求めているのですか。

渡邉さん:AIプラットフォームはさまざまな企業が提供していますが、AIに関する専門知識がないと使いこなすのが難しいものが多いです。

私たちは、AIMINAの構想段階のときに50社ほどAIプラットフォームに関するヒアリングを行ったのですが、多くの企業がAI技術を自社開発で試したいと思っている反面、人材不足や技術力の障壁があり、一歩先に進めていないことがわかりました。

また、特定の分野に特化したAIプラットフォームは多く存在していますが、企業の声を聞いて感じたのは、特化型ではなく幅広いものに触れるツールが求められているというものでした。

今後は、さらに多種多様な企業がプラットフォーム事業を展開していくのかなと感じています。

ーーAIMINAのサービスの軸は何ですか。

渡邉さん:サービスの意義としては、単にプラットフォームを提供するだけではなく、ビジネスで役立ち、創造的な変革の加速をサポートする存在を目指しています。また、AIに関するニュースや知識の配信もしています。

AIMINAは、すでに実現手段がある程度明確になっている方々の後押しができるツールとして展開したいと思っています。

多種多様な企業と提携し、AIを試した後のサポートも実施|新たなAIプラットフォーム

ーーAIMINAではどのような技術が使われていますか。

渡邉さん:私たちが提供しているAIのアルゴリズムは、完全に独自開発しているわけではなく、世の中にオープンソースとして公開されているものに少し手を加え、プリセットして提供しています。

実際、AIの開発会社にヒアリングしたところ、会社に来る問い合わせの8割ほどはオープンソースのパラメータを少し変えるだけで要望に答えられる案件ということで、我々が提供している内容でも多くの領域をカバーすることができると考えています。

ーーAIMINAはどのような企業がターゲットなのでしょうか。

渡邉さん:AIMINAでは、クラウド上でAIモデル技術を実際に試すことが可能となっており、特定のAIだけでなく、時系列解析や画像処理、自然言語処理などさまざまなAIを試すことができます。

このようなサービスは、AIを試しながら導入を決めたい、という企業に対して需要があると認識しています。

ーーAIの精度をさらにあげたいときはどうすればいいですか。

渡邉さん:お客様自身でパラメータのチューニングはできないので、もっと精度をあげたいとなった場合は、AIMINAパートナーの開発会社を紹介させていただきます。やりたいことと、目指しているものがはっきりしていれば、AIの開発会社も具体的な見積もりを出せるので、お客様としてもプロジェクト化しやすいのかなと思います。

プラットフォームはあくまで入口として使っていただいて、さまざまな企業との提携を前提にサービスを展開しています。

ーー自分たちの目的に合ったAI会社を選ぶことはできますか。

渡邉さん:AIMINAパートナーという形で、AIMINAが提携している企業情報を一覧で見ることができます。各企業の、得意分野や、具体的なサービス内容、コスト感などを公式サイトに提示しています。

また、実際にAIMINAを利用すると、直接企業とコンタクトできるようになっています。

ーーAIMINAを開発するにあたって工夫したことは何ですか。

渡邉さん:AIMINAは、エンジニアではない方にも扱いやすいUIを目指して開発を行いました。AIの選択画面では、使用したいAIの種類からの選択だけでなく、業種や職種など活用シーンを選んで選択することを可能としました。

渡邉さん:たとえば、製造業の方がAI技術を試したいと考えた際に、製造業の中でも品質管理をするのか、それとも営業をするのかなど、職種によって使われるAI技術は異なります。

たとえば、品質管理をする人が使う場合、荷物分類や不良品検知など職種に応じた利用シーンを提示します。そして、利用シーンに最も適切なAI手法を表示させ、最後にデータを登録するだけで使うことができます。

さらに、エンジニアでない方の場合どのようなデータを登録するかわかりにくいと思うので、サンプルデータを常に用意していて、それを見ていただければどんなデータが必要なのか分かると思います。

テキストベースの利用ガイドとともに、今後は動画でのコンテンツ配信も拡充していく予定です。

ーーAIMINAの主要なターゲット層はどこでしょうか。

渡邉さん:コンセプトは主に企業向けに作りましたが、リリースしてから地方自治体からのニーズがあることに驚きました。

たとえば、地域創生の一環として、地元の産業を支援するために導入したいという声をいただいています。また、大学などの教育機関からもいくつかお話をいただいています。

ーーどのようなAIモデルがよく使われていますか。

村松さん:画像認識系や、チャットボット、あとは時系列解析が多く使われている印象があります。

また、リリースして時間が経過したため、今後は利用者アンケートも予定しています。

今後の展望

ーー今後の展望について教えてください。

渡邉さん:AIの開発会社が提供しているサービスや、学習済みのモデルなどをうまく連携し、AIMINAを経由して販売できるようにしたいと考えています。

また、プリセットのモデルを増やしていき、AIMINAと連携できる外部の開発会社を増やしていきたいです。

さいごに

AIMINAは、2022年9月30日までフリートライアルプランを申込できます。

AIプラットフォームは国内にいくつかありますが、AIMINAのように多くのAIモデルを試すことができ、手軽に使えるプラットフォームは多くないと思います。
また、AIMINAは画像処理と自然言語処理、音声認識処理、時系列処理の4分野で17種類のモデルを段階的に実装予定です。

AIプラットフォームの普及などにより、2021年頃からDX、AIの導入が今までにない速度で進んでいます。この記事をきっかけにAI導入について考えてみてください。

AIMINA公式サイトはこちら

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