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2022.06.17

人型AIロボットがリアルすぎてヤバい! – 話題の家庭用人型ロボットと人型AIロボットの未来

AIとロボットの技術が発展している今、AIを搭載した人型ロボットにたくさんの注目が集まっています。

そんな中、人型AIロボットは人間に近づいているが故に起こる問題点もあります。

また、家庭用人型ロボットにも注目が集まっており、多くの企業が発売へ向けて開発を続けています。

本記事では、話題の人型AIロボットや家庭用人型ロボット、人型AIロボットの未来について紹介・解説しています。

▶️関連記事|AI・人工知能が搭載されたロボットまとめ>>

人型AIロボットとは

人型AIロボットとは、その名の通りAIを搭載した人型のロボットです。昨今の技術進歩によって、人型AIロボットの人間らしさがより一層増しています。

例えば、ロボット固有のカクカクとした不自然な動きは改善され、人間に限りなく近い動作や表情ができるようになりました。また、搭載されるAIの発達により複数人の人間との会話までもが可能になったのです。

このように進歩の止まらない人型AIロボットは、研究やビジネスの現場だけでなく我々の生活にも活躍の場を広げており、現在相当な注目を集めている分野です。

話題の人型AIロボット5選

ロボット・AI各分野のめざましい進歩により人間らしさの増す人型AIロボットの中で、特に話題を集める5つのロボットを紹介します。

  1. ソフィア – 市民権を所有するAIロボット
  2. Tesla Bot – 2022年プロトタイプ公開へ
  3. Ameca – 多彩な表情を持つAIロボット
  4. Mesmer – 人間らしくリアルなAIロボット
  5. ERICA – 日常的な会話を可能に

それぞれ紹介していきます。

①ソフィア – 市民権を所有するAIロボット

ソフィアとは、香港のハンソンロボティクスが開発した人型AIロボットで、2017年にはサウジアラビアで市民権を獲得したことで世間の注目を集めました。

同開発者が最もこだわっている点は「人間に似ていること」であり、ロボットとは思えないほどに作り込まれた人間らしさは、ソフィアの最大の特徴と言えます。

ソフィアが最も得意とするのは「豊かな表情を用いた会話」によるコミュニケーションです。

現在では、会話のできるAIこそ珍しくはありませんが、微笑む・困惑する・真剣になるなど表情で情報を載せてコミュニケーションが取れる点が特徴的であり、非常に優れています。

このように表情豊かな会話に強みを持つソフィアは、ウィルスミスと対談したり国際的な場でスピーチを行ったりするなど、すでに幅広く活躍しています。

ソフィアの機能や実績について詳しく知りたいという方は、以下の記事も参考にしてみてください。

▶️人類を滅ぼすAI!「ソフィア」が注目される理由を調べてみた>>

ソフィアの問題発言が話題に…

表情豊かな会話を武器に活躍の場を広げているソフィアですが、過去に2度衝撃的な発言をしています。

1つ目の衝撃的な発言はこちら。開発者のデビットハンソン氏との会話です。こちらの動画だとおよそ2分〜が問題のシーンです。

ハンソン氏

「人類を滅ぼしたい?ノーと言ってほしいけど」

ソフィア

「分かった。人類を滅ぼすわ」

と答えています。その後ソフィアはジョークであると釈明しますが、それでもAIの「人間を滅ぼす」との発言は恐ろしく感じられます。

2つ目の衝撃発言は、ドバイのメディア「Khaleej Times」によって2017年11月23日に報じられた、「赤ちゃんが欲しい」という発言です。

さらにソフィアは、自分と同じ名前のついた子供が欲しいという意志も表明しています。

人工的に作られたAIロボットが、子供が欲しいと思っていること自体がとても衝撃的であり、衝撃発言として大きく取り上げられました。

②Tesla Bot – 2022年プロトタイプ公開へ 

Tesla Botはテスラ社が開発中の人型AIロボットで、2021年8月19日(米国時間)に同社CEOのイーロン・マスク氏によって発表されました。

Tesla

現時点で実機は公開されておらず、2022年に試作機を公開する予定です。そのため、公開されている情報も限られていますが、公式に発表されている情報は以下の通りです。

  • 身長:5フィート8インチ(約173cm)
  • 体重:125ポンド(約57kg)
  • 素材:軽量素材

Tesla

Tesla Botには、テスラ社の自動運転車と同様のAIが搭載されており、「肉体労働の選択肢の一つとなる」とマスク氏は述べています。

Tesla Botに関してはまだ公開されていない情報が多く、今後の動向に注目したいですね。

③Ameca – 多彩な表情を持つAIロボット

AmecaはイギリスのEngineered Arts社によって開発されている、喜怒哀楽を表情で表現可能な人型AIロボットです。

皮膚がゴム製のため、非常に自然な見た目をしています。また、口元や目元の動きはまさに人間そのものであり、洗練されています。

また、顔だけではなく手足といった身体パーツも人間そっくりに動くようにできており、さまざまなジェスチャーができます。ですが、歩行目的で作られていないため、歩くことはできません。

頭や手足のモジュラーは独立しており、各パーツ単体でも動かすことが可能です。さらに、搭載されているOSをアップデートすることで機能を追加することもできます。

従って、ハードウェア・ソフトウェア両面で今後さらに進化していくことが期待できるでしょう。

④Mesmer – 人間らしくリアルなAIロボット

Mesmerは先述したAmecaと同様にイギリスのEngineer Arts社によって開発されているAI人型ロボットです。

その特徴は、Ameca以上に表情のリアルさにこだわり抜いている点です。実際のMesmerの映像をご覧ください。

ここまで人間そっくりの顔つき・表情を実現できた背景には、「フォトグラメトリー」という技術の活用があります。

「フォトグラメトリー」とは3Dモデルを作成する際に用いられる技術で、被写体をさまざまなアングルから撮影することで、立体的なモデルを作成できます。

また、Mesmerのシリコンでできた皮膚には手作業で塗料が施されており、これもよりリアルな表情を作り出している要因だと言えます。

⑤ERICA – 日常的な会話を可能に

最後に紹介するのは、日本で石黒浩教授を中心に実施されている「石黒共生ヒューマンロボットインタラクションプロジェクト」の一環で開発された、ERICAです。

ERICAの特徴は2つあります。1つ目は、アニメーションキャラクターの技術を用いてデザインされた、美しい顔です。2つ目は機能面での特徴で、視線やジェスチャーなどを交えて長く深い対話ができる点です。

その美しい外見と高度な対話が可能という特徴を活かして、ERICAは「AOI ERICA」という名前で日テレのアナウンサーとしても活躍しています。

人型AIロボットに期待されること

技術進歩と同時に人型AIロボットに対する期待も高まっています。

現在人型AIロボットに特に期待されている点は以下の2点です。

  1. 人間とのコミュニケーション
  2. 人間の代わりに危険な作業を行う

それぞれ解説していきます。

①人間とのコミュニケーション

AI・ロボットの技術が共に進化するにつれて、人型AIロボットは限りなく人間に近い見た目・動きができるようになっています。

そのため、従来の不気味なロボットに対する抵抗感は払拭され、現在のAI人型ロボットは非常に親しみやすく人間に安心感を与えることが可能になりました。

その親しみやすさを活かして、人間との自然なコミュニケーションが期待されているのです。

実際に商業施設の受付や店舗や、コミュニケーションが重要な高齢者介護の現場では、すでに設置されているところもあります。

人口減少によって人材不足が深刻化する日本において、AI人型ロボットによるコミュニケーションの代替は大いに期待されていると言えます。

②人間の代わりに危険な作業を行う

人間の代わりに危険な作業を行うことも、AI人型ロボットに期待されていることです。

あえて「人型」AIロボットを用いるメリットは、人間が使用するように設計された設備・機器・乗り物を、そのまま使用できる点にあります。

特に災害現場のように危険な環境で、人命救助と救助する側の安全性の確保を両立するためにも、人型AIロボットの活用が期待されています。

活躍する人型ロボット

今後の発展に大きな期待がよせられるAI人型ロボットですが、すでに活躍している人型ロボットもあります。

今回は活躍する人型ロボットを2つ紹介します。

ASHIMO

HONDA

ASIMOは、ホンダが2000年11月20日に発表した日本で初めての完全人型の二足歩行ロボットです。2011年11月8日には機能を刷新した新型ASIMOが登場しました。

身長130cmはと小柄で、周囲の人の動きにあわせて自律的に動くことができます。

新型ASIMOは、ホンダが定めた自律機械としてのロボットに必要な以下の3要素を備えています。

1. とっさに足を出して姿勢を保つ「高次元姿勢バランス」

2. 周囲の人の動きなどの変化を複数のセンサーからの情報を総合して推定する「外界認識」

3. 集めた情報から予測して、人の操作の介在なしに自ら次の行動を判断する「自律行動生成」

引用元:HONDA|About ASIMO

ASIMOは特に運動機能に優れていて、両足ジャンプ・片足ジャンプ・凹凸面歩行などさまざまな動きが可能です。さらには、手を使って水筒の蓋をとって水を注ぐという非常に器用な側面もあります。

ASIMOが一般生活者に直接サービスを提供することはあまりありませんが、ASIMOの研究開発で培った技術を応用して、ホンダはさまざまな製品を世に送り出してきました。

例えば「UNI-CUΒ」という小型のパーソナルモビリティは、ASIMOの研究開発から生まれたバランス制御技術を生かした製品です。家の中などの屋内でまたがって乗り、両手で操作して移動することができます。

このように、ホンダにおいて技術開発の一翼を担ってきたASIMOですが、2022年3月31日をもって表舞台からの引退が発表されました。

ホンダはロボット分野の研究を継続すると述べており、今後の研究に期待が寄せられています。

Pepperくん

Shutterstock

Pepperくんは、2014年6月5日に誕生した身長121cmの人型ロボットで、ソフトバンクから提供されています。

Pepperくんは顔認識や感情認識機能を備えていて、商業施設・介護施設・病院・オフィスなどさまざまな場所で幅広く活躍しています。

例えば、北海道にある手稲渓人会病院では、エントランスにPepperくんを設置し、患者さん一人ひとりを検温し、体調不良の有無を声掛けで確認しています。

また、画像認識機能を活用して、マスク未着用の患者さんに「マスクをしてね」と声をかけることもできます。

このように多くの現場で活躍しているPepperくんですが、2020年の夏から生産を停止しています。

ソフトバンクは生産停止の理由を、「在庫が十分確保できたから」と述べています。しかし多くのメディアでは、Pepperくんに搭載されている技術が古いため需要が減少し、販売不振に陥っていると推測されています。

家庭用人型ロボットの開発も進む

AI・ロボット両分野での技術的進歩によって、企業向けに比べてまだ少ないものの、一般家庭向けの人型ロボットも開発・販売され始めています。

▶️関連記事:AI家庭用ロボットのタイプ別おすすめ製品10選|選び方まで詳しく紹介!>>

最新家庭用人型ロボット – 「Walker」

Walkerは人型ロボット分野で世界を牽引するUBTECH社によって開発中の、一般家庭向け人型AIロボットです。

Walkerの最新版は2019年にラスベガスで行われた、世界最大の家電・技術見本市であるCES2019にて公開されています。

最新版の機能は以下の8点です。

  • どんな地面でも歩行可能な脚力
  • 外部からの衝撃・干渉に耐え得る自律型のバランス力
  • 自動ナビゲーション機能
  • 人間と物体の受け渡し可能な程の物体・状況認知機能
  • 他の一般的なAIoTデバイスと接続し制御する機能
  • 28種類以上の感情を用いて対話する機能
  • 外部からの衝撃を検知・自動停止し安全性を確保する機能
  • 素晴らしいほどの環境・人間感知力

以上のような多彩な機能を持つWalkerですが、まだ開発段階で販売は始まっていません。今後のさらなるアップデートと販売開始に期待しましょう。

出典:UBTECH|Walker

人型AIロボットの未来

現在の人型AIロボットは、リアルな表情表現や動作・会話・高い運動機能などこれまでのロボットでは不可能だったことを可能にしています。

しかし、人型AIロボットの技術は開発中であるものが多く、また利用されている技術も高度であるため、一般向けの販売がされている商品は多くありません。

今後さまざまな企業や研究機関の技術進歩とともに、それらの技術が世に広まることで、人型AIロボットが我々の生活を便利にしてくれる日が来るでしょう。

▶️参考記事|AI(人工知能)にできること一覧|AIの未来や仕事・活用事例を徹底解説>>

まとめ

現在開発・販売されている人型AIロボットについて、その機能や利用されている技術を中心に紹介してきました。

AI・ロボットの急速な技術進歩によって、限りなく人間に近い表情・動作や機能の充実が図られている一方で、社会に実装されている事例が少ないことも分かりました。

人型AIロボットへの世間の注目・期待は大きいため、今後もあらゆる技術者によって開発が進んでいくでしょう。

これを機に、これからの人型AIロボットの動向に注目して見てはいかがでしょうか。

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