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DeNAは、1999年に「一人ひとりに 想像を超えるDelightを」を理念に設立された企業です。
同社は、AI事業を始めスポーツ事業やゲーム事業などさまざまな分野の事業を行っており、常に挑戦を続けて現在も新しい事業を開発しています。
今回は、DeNAのAI事業を紹介しつつ、同社の特徴に迫ります。
目次
DeNAとは
企業概要
社名 | 株式会社ディー・エヌ・エー(英文名 DeNA Co., Ltd.) |
設立 | 1999年3月4日 |
所在地 | 〒150-6140 東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア |
代表 | 代表取締役会長 南場 智子 代表取締役社長兼CEO 岡村 信吾 |
社員数 | 1251名(株式会社ディー・エヌ・エー単体、2021年3月末時点) 2100名(ディー・エヌ・エーグループ全体、2021年3月末時点) |
資本金 | 103億97百万円(2021年3月末時点) |
ビジョン(バリュー)
” 一人ひとりに 想像を超えるDelightを”
夢中になって遊ぶ愉しさ、日々実感する確かな便利さ
かけがえのない健やかさ、そして世界があっと驚く新しさ
私たちがつくるDelightは、さまざまな形で生活に寄り添い人生を彩り豊かにします
技術と情熱をもって、挑戦と変化を楽しみ 世界にひろがる、未来につながるDelightを届け続けます
DeNAは、インターネットやAIを駆使しながら、一人ひとりの人生を豊かにするエンターテインメント領域と、日々の生活を営む空間と時間をより快適にする社会課題領域の両軸で事業を展開しています。ユニークな特性を生かし、挑戦心が豊かな社員それぞれの個性を余すことなく発揮することで、世界に通用する新しいDelightを提供し続けている企業です。
沿革
1999年 3月 | 有限会社ディー・エヌ・エーを東京都世田谷区下馬4丁目20番6号に設立 |
1999年 8月 | 本社を東京都渋谷区富ヶ谷一丁目17番9号に移転 株式会社ディー・エヌ・エーに組織変更 |
1999年 11月 | オークションサイト「ビッダーズ」を開始 |
2004年 3月 | ケータイオークションサイト「モバオク」を開始 |
2005年 2月 | 東京証券取引所マザーズに上場 |
2006年 2月 | 携帯向けゲームサイト「モバゲータウン」を開始 |
2006年 7月 | 中国に現地法人を設立 |
2008年 1月 | 米国に「DeNA Global, Inc.」を設立 |
2008年 2月 | 結婚式場・結婚準備口コミサイト「みんなのウェディング」を開設 |
2010年 12月 | スマートフォン版「モバゲータウン」を開始 |
2011年 3月 | 「モバゲータウン」のサービス名称を「Mobage(モバゲー)」に変更 |
2011年 5月 | スマートフォン向けアプリ版「Mobage」を開始 |
2011年 6月 | 韓国に現地法人 DeNA Seoulを設立 |
2011年 8月 | シンガポールに現地法人 DeNA Asiaを設立 スウェーデンに現地法人 DeNA Swedenを設立 |
2013年 12月 | マンガ雑誌アプリ「マンガボックス」を開始 |
2016年 12月 | 任天堂との協業タイトル「SUPER MARIO™ RUN」配信開始 |
2017年 11月 | 任天堂との協業タイトル「どうぶつの森 ポケットキャンプ」配信開始 |
2020年 2月 | 日本交通ホールディングスとタクシー配車アプリ等に関する事業を統合 |
2020年 8月 | 経済産業省と東京証券取引所が DXを積極的に推進する企業を選ぶ「DX銘柄2020」 に選定 |
2021年 8月 | 本社を東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号(WeWork渋谷スクランブルスクエア)に移転 |
業績推移
売上収益を見ると、2018年から2022年にかけて急激な成長は見られませんが、安定した経営をしていることがわかります。2020年は、新型コロナウイルスの影響があり営業利益がマイナスになっていますが翌年2021年からは例年通りの高利益を生み出すことに成功しています。
株価
DeNAの株価は2022年7月現在、以下のようになっています。
2022年6月には、株価は1700〜1800円と急落しましたが、2022年7月には約1900円と従来の株価に戻りました。
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AI関連事業「DeNA×AI」
DeNAは多くのAI事業を展開しています。ここでは、4つ紹介します。
液化天然ガス基地の運用効率化
DeNAは、液化天然ガスの燃料運用最適化を行うAIソリューションを関西電力と共同開発しています。
効率の良い燃料運用計画を立てることは難易度が高く、計画がうまく組まれないと、品質基準を満たすことができません。その場合は追加のリソースが必要となる可能性があり、安全・安定とコスト削減の両立には長年の経験と知識が必要です。
今までは、熟練技術者2名がスケジュール設計を組んでいましたが、細部にわたる業務理解の末、安全・安定とコスト削減を両立したAIによる燃料運用計画の自動作成を実現することに成功しました。
声からロゴを生成する「fontgraphy」を作成
「fontgraphy(フォントグラフィー)」は、一人ひとりの声からパーソナライズされたロゴを生成するサービスです。誰でも主役になれるというDeNAの創業20周年のテーマを表現するために、リリースされました。
その後、大日本印刷(以下、DNP)から依頼を受け、DNP向けにカスタマイズしたものを「fontgraphy for DNP」として提供しました。
fontgraphyは、スマートフォンに話しかけるだけで、AIが声質を分析し、その分析結果によって「DNP」の文字のフォントとイメージ画像を選定します。その2つを掛け合わせることで、話者一人ひとりに合わせたオリジナルのロゴを生成します。
fontgraphyを開発するにあたって、DeNAの社員約800名から音声データを集め、「甘い、クール、生き生きした」など8つの印象タグを、それぞれ4段階のスコアに分類してモデル化しました。
バーチャル警備システムに「音声合成技術」を提供
「バーチャル警備システム」は、日本初の警備会社としてセコムがこれまで培ってきたセキュリティのノウハウに、AGC、DeNA、NTTドコモ各社の最新技術を掛け合わせて実現した、世界初となるAIを搭載したバーチャルキャラクター「バーチャル警備員」が常駐警備サービスを提供するセキュリティシステムです。
同システムは、常駐警備員がしていた業務のうち、警戒監視、受付などを担当します。有人施設における警備コストを抑え、効率的な人員配置が可能になるとともに、運用コストの削減を実現しました。
DeNAは、「バーチャル警備員」のキャラクターデザインの原案、および来訪者への返答の際の音声合成技術を提供しました。テキストから音声を合成する音声合成技術は、カーナビ、駅構内の放送などで使われています。
バーチャル警備員は、音声合成モデルに系列データを考慮した再帰型ニューラルネットワークを用いたことで、実際に人間が語りかけているような自然な音声になっています。また、任意のテキストを音声化できる、高い拡張性もあります。
「逆転オセロニア」におけるゲームプレイのサポートAIツールを開発
「逆転オセロニア」は、DeNAが提供しているオセロのルールで簡単にプレイできる対戦ゲームアプリです。
DeNAは、逆転オセロニアにてさまざまなデッキを使いこなす練習相手としての対戦AI、オススメのデッキを自動構築してくれるレコメンドAI、ゲームバランスの調整をサポートするAIを開発しました。
コンピュータと対戦できるモードでは、本物の人間のような手ごたえのある対戦AIを導入し、AIと気軽に戦いながら定石や流行の戦い方を学ぶことができます。
デッキ自動生成では、数千体のキャラクターの中からプレイヤーに合ったデッキを作り、AIサポートを通じて、「おもしろさ」や「奥深さ」に気づいてもらえることを目指しています。
戦略的なゲームでは、運用年数の経過でゲームが複雑化していきます。そのため、AIが自動的にゲームプレイを繰り返すことで、キャラクターの性能を評価し、プランナーの意思決定をサポートすることでバランス調整作業の効率化を実現しました。
常に変化し続ける企業DeNA
これまでDeNAが取り組んでいるAI事業を紹介してきました。
しかし、DeNAはAI事業以外にも多種多様な事業を展開しています。今回は5つの事業を紹介します。
ライブストリーミング事業「Pococha」
DeNAは、ライブ配信アプリ「Pococha(ポコチャ)」を運営しています。Pocochaは、さまざまな個性あふれるライバーと、視聴者であるリスナーが双方向でコミュニケーションを気軽に楽しむことができるライブ配信アプリで、2021年12月には345万ダウンロードを達成しています。
Pocochaが目指しているのは、インターネット上でも生身の人間どうしの心が通い合える場所を作ることです。「世界中の誰もが、誰かにとっての特別な存在になれる」ことを目標に、インターネット上においても、互いに名前を呼びあって話をしたり、共に応援しあったり、自分らしく過ごせる場所を提供しています。
サービス設計は、一般の人でも気軽に配信を始められるように、さまざまなハードルを下げることに力を入れました。動画編集のような手間がかかる作業をなくし、配信ボタンを押すだけで気軽に配信することができます。
また、グローバル向けライブ配信アプリもリリースしており、2022年1月には、声でつながるライブ配信アプリ「Voice Pococha」をリリースするなど、ライブストリーミング事業は、DeNAが力を入れている事業の1つです。
スポーツ事業「横浜DeNAベイスターズ」
DeNAは、野球、バスケットボール、サッカーのスポーツ事業を展開しています。近年は、スポーツ分野でテクノロジーを活用したデータ分析が大きく進展していて、野球チーム「横浜DeNAベイスターズ」でも、テクノロジーを活用した選手の強化施策を行っています。
また、NFTを活用したサービス「PLAYBACK 9(プレイバックナイン)」を2021年11月にリリースしました。PLAYBACK 9は、NFTにより保有証明がなされたデジタルアイテムを購入し、閲覧できるサービスです。試合の名シーンを球団公式のデジタルアイテムとして販売しており、従来のトレーディングカードの世界をデジタル上で体験していただくことができます。今後は手に入れたシーンをユーザー同士で売買できる、MARKET機能の追加を予定しています。
ヘルスケア事業「kencom」
「kencom(ケンコム)」は、DeNAと住友商事の合弁会社であるDeSCヘルスケアが提供しているアプリです。kencomでは、利用者の健康診断の結果を簡単に確認できたり、楽しく健康増進を促進する仕組みを取り入れており、健康保険組合や自治体で導入が進んでいます。
kencomは、検診結果などの健康データをPCやスマホで見ることができます。また、ユーザーの健康データや志向に合わせた健康情報を日々更新していて、現役のお医者さんのコラム、管理栄養士のレシピ紹介、職場で役立つちょっとした健康のヒントなど、健康に役立つ情報を手に入れることができます。
2022年2月には、合計99団体・約480万人に利用されていて、日本テクトシステムズの認知機能サービスとも連携予定です。
オートモーティブ事業「GO」
DeNAは、オートモーティブ事業にも力を入れています。
世界では、Uber(ウーバー)などの配車アプリが急成長をしていますが、日本における配車アプリを使用する割合は全体の2%ほどしか普及していませんでした。そのため、配車アプリの規模拡大を目的として、DeNAは2020年2月に配車アプリ事業「Japan Taxi(ジャパンタクシー)」とDeNAが提供をしていた「MOV(モブ)」を結合したタクシー配送アプリ「GO(ゴー)」の配信を始めました。現在は20の都道府県(※一部地域を除く)に対応しています。
また、タクシー領収書の精算の手間をカットすることができて、経費精算システムとの連携ができる「GO BUSINESS(ゴービジネス)」サービスを配信しています。2021年10月にサービスをリリースし、2022年3月には、登録企業数は2500社を超えています。
ゲーム事業「東方ダンマクカグラ」
DeNAは、さまざまなスマートフォン向けアプリをリリースしています。2021年8月にリリースした東方Project初の公認ゲーム「東方ダンマクカグラ」は、リリースから1カ月で400万DLを突破しています。
また、2021年に日本で人気を集めたGoogle Playのコンテンツを表彰するGoogle Play ベスト オブ 2021でも、キュート部門とカジュアル部門を受賞しました。
SNS上での盛り上がりや、公式生放送の視聴者数、関連動画の投稿数も好調で、東方ダンマクカグラをきっかけに東方Projectを知った人も多く、既存ファンのみならず新規ファンの開拓にもつながりました。
DeNAの採用情報
募集職種
現在DeNAでは以下の業種・職種の採用を行っています。
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応募概要
試用期間
3ヶ月 |
給与
会社規定により決定
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福利厚生
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休日
勤務時間
フレックスタイム制 土日祝日、年末年始、会社の指定した休日 |
採用フロー
Designer
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Engineer
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まとめ
今回は、「DeNA」について紹介してきました。
DeNAは、AI事業だけでなく、幅広い産業で実績を出している素晴らしい企業です。
イメージの強いエンターテイメント事業だけでなく、ヘルスケア事業やオートモーティブ事業など、社会課題解決にも取り組んで日々成長しています。
The Playersシリーズでは、AI関連の企業にフォーカスした記事を書いています。さまざまなAI企業を比較することで、成功するAI関連企業の法則が見えてくるかもしれません。
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