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2022.11.18

IBMとVodafone、量子コンピューティング技術と耐量子暗号の研究のため提携

最終更新日:

通信分野で量子技術が活用される時代に向け、VodafoneはIBMと提携

発表概要

IBMは、2022年11月9日にIBM Quantum Summit 2022で、Vodafone Group(以下、Vodafone)がIBMと耐量子サイバーセキュリティーで提携し、IBM Quantum Networkにも参加することを発表しました。これにより、VodafoneはIBMの高度な量子コンピューティング・システムにクラウド経由でアクセスできるようになり、業界最高レベルの量子専門知識も活用できるようになります。Vodafoneは、IBMとの本提携により、通信分野における潜在的な量子技術の活用方法を検証し、その進展を支援します。

今後の流れ

今回の提携の一環として、Vodafoneは通信業者のさまざまな活用事例に対応できる量子コンピューティングを研究します。また、IBMが主導する反復型プロトタイピングによって、社員の量子技術に関するスキルを向上させるとともに、量子コンピューティングの専門家を積極的に採用して、社内で持つ専門能力を構築していきます。

Vodafoneは今回の取り組みを通して、同社の多様なネットワーク・インフラストラクチャーとシステム全体に、IBM Quantum Safeの暗号化技術を適用する方法を研究します。量子コンピューターは、将来的に公開鍵暗号方式などの標準的なセキュリティーに対し脅威をもたらす恐れがあります。そこで米国国立標準技術研究所(NIST)は、2024年までに標準化するプロトコルの一部として、4つのアルゴリズム(そのうちの3つはIBMが開発に協力)を選出したことを発表しました。Vodafoneでは、これらのプロトコルの調査をすることにより、通信分野におけるリスクを把握して対策を行うとしています。

IBM、Vodafoneの責任者の発言内容

VodafoneのR&Dグループ責任者 ルーク・イベットソン(Luke Ibbetson)氏のコメント

「IBMと提携することで、卓越したネットワーク最適化を実現する可能性を秘めた量子技術を利用できるようになりました。これは既存のコンピューター単独では決して達成できないイノベーションであり、エネルギーの節約、コストの削減、より多くの場所で優れた接続をお客様に提供することを可能にします。また、耐量子暗号に投資することで、量子コンピューティングの利点を追求し、当社のインフラストラクチャーとお客様のデータは、常に保護されているという安心感も得られます」

IBM Quantum Adoption and Business Development統括責任者 スコット・クラウダ―(Scott Crowder)のコメント

「通信業界のリーディング・カンパニーであるVodafoneは、事業への量子コンピューティングの適用を模索し、長期間にわたるデータとシステムの保護のために耐量子暗号化プロトコルを適用することで、業界にとっての好例を示しています。私たちはVodafoneと協力して、同社が通信業者、ベンダー、規制当局、オープン・ソース・コミュニティーのエコシステム全体にサービスを提供する中で、量子テクノロジーの採用と耐量子テクノロジーへの移行を同時に支援できることを嬉しく思います」

IBMとVodafoneは、最近設立が発表されたGSMA Post-Quantum Telco Network Taskforceの初期メンバーでもあります。この組織の目的は、高度な量子コンピューティングの未来における通信の保護を強化するためのポリシー、規制、および事業者の業務プロセスの定義を支援することです。

またVodafoneは、200以上のメンバー(Fortune 500 の企業、スタートアップ企業、学術機関、研究所で構成)が参画し、量子コンピューティングの発展と実用化を研究しているグローバル・コミュニティー、IBM Quantum Networkに加わりました。こうした取り組みは、ビジネスや科学に関連する計算を、古典的な計算のみと比べてコスト効率高く正確に行うことができるという、将来的な量子優位性への道筋を示すために策定されています。

▼詳しくはこちら

https://www.ibm.com/quantum/quantum-safe

両会社について

IBMについて

IBMは、世界をリードするハイブリッドクラウドとAI、およびコンサルティング・サービスを提供しており、世界175カ国以上のお客様のデータから洞察の活用、ビジネス・プロセス効率化、コスト削減、そして業界における競争力向上を支援しています。

また、 金融サービス、通信、ヘルスケアなどの重要な社会インフラ領域における3,800ほどの政府機関や企業が、IBMのハイブリッドクラウド・プラットフォームとRed Hat OpenShiftによって、迅速に、効率良く、かつセキュアにデジタル変革を推進しています。 

Vodafoneについて

詳しくは、www.vodafone.com にアクセスするか、Twitter(@VodafoneGroup)をフォローするか、LinkedIn( www.linkedin.com/company/vodafone )にてお問い合わせください。

 

当ニュースリリースは、IBM公式ホームページに掲載しています。https://jp.newsroom.ibm.com/2022-11-17-IBM-and-Vodafone-Join-Forces-in-Exploration-of-Quantum-Computing-Technology-and-Quantum-Safe-Cryptography 

 

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