こんにちは、AINOWライターのゆーどーです。
最近「プログラミング不要」と謳われたさまざまなAIサービスがリリースされています。
AINOWでも、プログラミングが不要でマウス操作だけで、より簡単にAIを構築できるツールをまとめた記事を公開しています。
プログラミング不要なツールの登場は、AI活用の追い風になり、AI導入を考える企業も増えているのではないでしょうか。しかし、導入してもAIを活用しきることができるのかという不安もあるでしょう。
今回は、AIに関して素人でも簡単に活用できるAIツール「HAMPANAI AI」を紹介します。
目次
AIを活用できないと企業の成長は止まる?
総合コンサルティングファームのアクセンチュアは、「今後ビジネス全体でAIを活用しなければ、2025年までに77%の国内企業が業績低下に陥る」と発表しました。
現在の事業運営において、AIの活用を見越して、データ基盤を作っていくことなどが重要になっています。
一方で、AI(人工知能)を導入することが目的になってしまい、AIをビジネスでどのように活用するかという視点が欠けているケースが散見されます。
▼参考記事
企業でAIを構築できても、ビジネス的な結果を導くことができなければ、事業は大きく成長しないでしょう。
これからは、AI導入ではなく、AIを導入した後の結果を慎重に考え、適材適所で事業への活用を進めていくことが重要です。
適材適所でAIを活用していくには、AI開発自体はプラットフォームやツールを活用して効率化することも重要です。
AI開発を手軽にするプラットフォーム『HAMPANAI AI』を提供するソホビービーの葛氏へのインタビューしました。
簡単に構築・活用できるAIプラットフォーム『HAMPANAI AI』とは
まず、『HAMPANAI AI』の概要について葛氏にお伺いしました。
『HAMPANAI AI』とは?
ーー名前が印象的な『HAMPANAI AI』とはどのようなサービスですか?
葛氏:『HAMPANAI AI』は、現場や各部署の担当者の方向けに、どなたでも簡単にAIを活用していただくことを目的としたAIクラウドサービスです。
蓄積されたデータを活用したいが、専門家がいないのでうまく活用できないケースは世の中ではよくあります。そのような課題を解決するために、『HAMPANAI AI』が開発されました。
『HAMPANAI AI』は、専門知識が不要で、データをアップロードし、利用目的を選択するだけで、AIモデルを作成できることが特徴です。
例えば病院では、ベテラン医師がレントゲン写真と肺炎診断結果を蓄積しています。そこで『HAMPANAI AI』を活用し、ベテラン医師の判定結果をAIモデル化して、管理します。
作成したAIモデルを活用して、一般医師もベテラン医師と同等の診断が可能になります。
また金融機関の貸付業務では、『HAMPANAI AI』によって、過去の融資対象データおよび貸倒状況をAIモデル化して、管理します。
これによって、融資対象が貸倒れを起こすかどうかを事前に見極めることが可能になります。
ーー『HAMPANAI AI』の特徴を教えてください。
葛氏:『HAMPANAI AI』には次の2つの特徴があります。
1つ目は、簡単操作が可能なことです。AI関連の知識が不要で、安心してモデルを作成することができ、滞りなく運用することができます。
データアップロードと利用目的選択の最短2ステップでモデル作成を開始できます。
『HAMPANAI AI』は従来の機械学習に比べて、予測精度の限界値が高いディープラーニングを採用していることも特徴です。また、独自の最適化技術で高い効果を発揮します。
2つ目は、少量のデータで学習が可能な点です。画像データでは転移学習という技術も複合しているので、学習時間を最大90%削減できます。
AI構築を自動化し、作業時間を削減
ーー既存のプログラミング不要のツールと比べて、どのような点で優れているのですか?
葛氏:他社のツールでは、モデルの選択やパラメータ調整など、ある程度のAI関連知識が必要とされます。
しかし、『HAMPANAI AI』では全て自動化しており、AI関連知識が不要でモデル作成できます。これにより、作業負担と時間の削減が可能です。
また、利用者からアップロードされたデータは自動でチェックされ、AIモデルにする価値があるかをモデル作成前に確認することができます。
AIモデルを作成した後でも、運用の際に蓄積されたデータで既存モデルを改善することが可能です。
また、『HAMPANAI AI』はKaggleで検証した結果でも、正解率や再現率で90%を越す記録を出しています。これにより、短時間で精度が高いAIモデルを構築することが証明されました。
組織全体でAIを活用?その運用方法とは
プログラミングの知識なしで『HAMPANAI AI』を運用
ーー具体的にどのように運用するのですか?
葛氏:AIモデルの作成にあたり、まずは目的を明確化し、要件を整理します。
次は検証に入ります。元データ収集して、これにより教師データの作成を行います。相関性分析の機能を利用して、準備した教師データを判断するためにAIモデルの試作を行います。
その後、試作されたAIモデルを評価・検証します。運用可能なAIモデルと確認できたら、実装に入るというプロセスです。
ーー『HAMPANAI AI』の特徴として「地域の特性に即したAIモデルを構築できる」が挙げられていますが、どういうことですか?
葛氏:『HAMPANAI AI』は地域ごとで集められたデータを元に学習します。例えば、同じ病気でも判断基準が違うので、地域の特徴に合った最適なAIモデルが作成できるのです。
糖尿病の重症化リスクでは、自治体により判断基準が異なります。各自治体の担当者が『HAMPANAI AI』を利用することで、該当地域の糖尿病に関するデータからAIモデルを作成すれば、地域の特性に即したAIモデルとなります。
健康リスクAIでの活用事例
ーー『HAMPANAI AI』の活用事例とその効果について教えてください。
葛氏:自治体が管理する健診データを基に、健康指導支援として4段階の健康リスク判定を行っています。専門家と比べて、予測精度は90%と高い結果を残しました。
効果としては、健康リスクAIが自治体職員の業務を代替し、多くの工数を削減しました。人手不足の問題も解消できました。
担当者ごとにばらつきが生まれていた判断も、専門職に近い客観的な結果になりました。
さいごに
AIの活用法はデータ分析や自動運転に注目が集められていますが、医療などさまざまな分野でも活用が広がっています。
現在のコロナ禍でも、AIを活用することで人手不足を解消できるのではないでしょうか。
今回の『HAMPANAI AI』のようにプログラミングや数学の知識不要なツールを知っておくことで、AI(人工知能)を導入する際に幅が広がります。
AI(人工知能)を導入する際には、企業に導入することをゴールにするのではなく、ビジネス全体でどのように活用するかという視点を忘れないように注意してください。
駒澤大学仏教学部に所属。YouTubeとK-POPにハマっています。
AIがこれから宗教とどのように関わり、仏教徒の生活に影響するのかについて興味があります。