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顧客にあったマーケティングを行うために、アンケートの重要性が増しています。アンケートを通して、市場動向や顧客のニーズを掴むことで、効果の高いマーケティング施策が実施できます。
また、最近では、従来の紙のアンケートよりも効率的で、コストがかからない「Webアンケート」を利用する企業が増えています。それに伴い、Webアンケートを作成するツールが多く提供されています。
しかし、ツールによっては、質問項目数や料金、回答を閲覧できる数が異なります。そのため、目的に合わせたアンケートを行うためには、それぞれのツールを比較することが重要です。
今回は、Webアンケートツールの比較表を用いて、それぞれのサービスの特徴・料金・機能を比較していきます。
組織の目的に合ったWebアンケートツールを比較し、選定しましょう。
目次
Webアンケートツールについて
Webアンケートツールでできること
Webアンケートツールでは、
- 質問を作成
- 回答者へ配布
- アンケートの回収
- 回答の分析
ができます。
紙で行うアンケートは、質問用紙の紙代、郵送費などの費用がかかってしまいます。しかし、Web上でアンケートを質問を作成し、回答者に送ることで、コストを抑えられます。
また、紙でアンケートを行う場合、回収して集計するのに時間がかかってしまいます。
しかし、Webアンケートツールを使うことで、回答をオンラインで一括して回収でき、自動で結果を集計できます。
このように、Webアンケートツールは、Web上で質問作成から回答の分析を行えて、効率的でコストをおさえてアンケートを行えます。
デメリット
Webアンケートツールを利用する上で、2つのデメリットがあげられます。
1つ目は、アンケートを実施するシステムやWebページの準備に時間がかかる点です。Webの操作に不慣れな場合、アンケート項目の設定や配信などの機能を使いこなすために時間がかかってしまう場合があります。
2つ目は、パソコンやスマートフォンに不慣れな人の回答を収集できないことによる、調査対象者の偏りです。
調査によっては、高齢者世代まで幅広く回答を集める必要があります。しかし、パソコンやスマートフォンに不慣れな、特に高齢者世代では、回答率が低くなってしまう現状があります。
以下は総務省が2018年、2019年におこなったインターネット利用率の調査です。
(出典 総務省令和2年版情報通信白書 )
このデータから、80歳以上の方がインターネットを利用する率は2019年で57.5%となっており、他の年代と比べて低いことがわかります。
このように、お年寄りのインターネット普及率が他の年代と低いため、お年寄りに対してWeb上でアンケートを行うことは難しく、いと言えます。
また、調査対象者の年代に偏りが出てしまいます。
選定ポイント
Webアンケートツールを利用するために必要な上で、3つの選定ポイントをご紹介しますがあります。まずは何のためにアンケート調査を行うのか目的を決めましょう。そして、回答結果をどのようにいかすのかを決めましょう。
設問数
Webアンケートツールには、質問数が限られるツールがあります。まず、回答者にどのくらい質問するのかを決めましょう。
質問数が多いと、回答時間がかかってしまい、回答者の負担が増えてしまいます。調査に適切な設問数を決めましょう。
機能
調査の目的に合った機能があるかをチェックしましょう。
Webアンケートツールには、基本的な機能の他に、回答結果からのレポート作成機能や、スマートフォンやタブレット端末でも利用できる機能(マルチデバイス対応)もあります。
また、CSVダウンロードといい、アンケートの回答結果を、CSVファイルに転換できる機能もあります。
CSVファルは、Excelファイルと比べて互換性が高く、Excel、メモ帳、メールソフト、データベースソフト(データを保存するためのソフトウェア)などのソフトに取り込んで閲覧、編集することが可能なファイル形式です。
CSVファイルにダウンロードすることにより、アンケート結果をメールで配信したり、データベースソフトに取り込んで閲覧、編集ができます。
料金
組織にあった料金で利用できるツールを選びましょう。
ツールによっては料金体系が複数のものもあります。また、年間払い、月払いのものや、料金体系によって設問数や利用人数に限りがでる場合があります。
料金がかさんでしまい、結果的に、紙でアンケートを行うよりもコストがかかってしまい、Webアンケートツール利用するのが難しくなってしまったということがないように、組織の費用に適した料金プランを探しましょう。
比較表 (設問数、料金、回答数、無料トライアル、CSVダウンロード)
激選した8つのツールを設問数、料金、回答数、CSVダウンロードで比較しています。
ツール紹介
比較表で取り上げた8つのツールをさら更に詳しく紹介します。
特徴、機能、料金、からどんな組織に向いているのかを判断してあります。
Googleフォーム
特徴
- アンケート結果は、スプレッドシートに自動で入力される
- 回答形式が豊富で、選択式、プルダウン形式、評価スケールなど、さまざまな形式から選択できる
- アンケート画面に、画像や YouTube 動画を追加したり、回答に応じて質問をスキップするように設定できる
- 共同編集者を追加でき、個人で利用するだけではなく、同僚や職場のチームとアンケートを作成できる
機能
- 作成
- 共有
- 集計
料金
- Googleフォームのみであれば無料
- Googleがビジネス向けに提供しているサービスのGoogle Workspaceとあわせて使う場合は、別途料金が発生
- 有料の場合、料金プランが上がるにつれてGoogleドライブの容量が倍以上になり、さらにビジネス向けに充実した機能が使える
- ベーシックプランは600円から始められる
どんな組織に向いているか
- 個人(卒業論文のためのアンケートなど)
- 手軽にアンケートを行いたい組織(従業員満足度調査など)
- アンケートに費用をかけたくない組織
Survey Monkey
特徴
- 作成したアンケートは、メールやSNSで送信可能
- 質問形式のアドバイスも受けられるため、アンケート作成初心者でも本格的なアンケートを作成できる
- 簡単なアンケートであれば3分で完成する
- 回答者から寄せられた結果を分析して、グラフに表示する
機能
- アンケート作成
- 回答結果のグラフ化
- Survey Monkeyからのメールサポート
- アンケートの多言語化に
- ロゴやサンクスページを設置
- CSV形式ダウンロード
料金
- ベーシックプラン 無料
- 標準月間プラン 5,500 円/月
- 標準年間プラン 3,750 円/月(年1回払い)
- アドバンテージプラン 5,833 円/月(年1回払い)
- プレミアプラン 14,583 円/月(年1回払い)
- チームアドバンテージプラン ユーザー1人あたり4,600 円/月(年1回払い)
- チームプレミアプラン ユーザー1人あたり11,050 円/月(年1回払い)
- 3名以上の法人プランにご登録の場合は、割引が適用される
- チームアドバンテージとチームプレミアプランでは、個人プランより20%以上お得になる上、コラボレーション機能にもアクセスできる
どんな組織に向いているか
アンケート結果を、組織以外の人に共有したい組織(顧客満足度調査など)
Questant
特徴
- PCとタブレットやスマートフォンに対応したレスポンシブデザインが作成できる
- アンケート作成が終わったら、アンケートのURLやQRコードを自動発行でき、メールやSNSでアンケート回答の募集ができる
- 70以上のアンケートテンプレートと100以上の質問データベースが無料で使える
機能
- 作成
- レスポンシブデザイン
- メール、SNS配信
- QRコード自動発行
- メール配信( 無料プランは1日100件まで)
- 集計結果の閲覧(無料プランは1アンケートにつき100件まで)
料金
- 無料プラン 無料
- 通常プラン 50,000円/年
- ビジネス 150,000円/年
- プレミアム 300,000円/年
- プランによって、アンケートごとの回答結果閲覧数、アンケートごとの結果データダウンロード数、メール配信数などが変動します。
どんな組織に向いているか
QRコード自動発行で、素早く手軽にアンケートを発信したい企業
ミルトーク
特徴
- 消費者に直接テキストや画像でアンケートをおこなえる
- ミルトークの参加者(マクロミルモニタ)が日々の生活で感じた、商品・サービスに対する要望・意見を自由に投稿する
- 掲示板があり、商品アイディアに役立てられる
機能
- きいてミル(掲示板)
- きょうのひとこと
- トークルーム(有料版のみ)
料金
- 無料プラン 0円
- ベーシックプラン 200,000円/月
- プレミアムプラン 300,000円/月
どんな組織に向いているか
- 商品開発をおこなう組織
- BtoC企業
formrun
特徴
- 30秒でフォームが作成できる
- 70,000ユーザー突破
- スタートアップから大企業まで、幅広い企業が活用中
- テンプレートを選んで、必要な項目をクリックして追加するため、フォーム作成時間を90%削減
- 回答データをGoogleスプレッドシートやSalesforceに転換できる
機能
- フォーム作成
- バリデーション
- 通知
- 問い合わせ対応
- メール問い合わせ
- データ管理
料金
- FREE 無料(質問作成数1つ、利用人数1人)
- BEGINNER 5,980円/月
- STARTER 12,980円/月
- PROFESSIONAL(無料トライアルあり)
どんな組織に向いているか
- FREE とりあえず無料で使いたい方
- BEGINNER 個人事業主、新規事業の方
- STARTER フォームをたくさんつくりたい方
- PROFESSIONAL セキュリティ、データ出力など、本格的な業務プロセスを構築したい方
スマートアンサー
特徴
- 若年層(10代〜30代)のモニタが充実
- バリテーション機能で不正回答を防止するためのチェック機構を追加できる
機能
- 調査票作成
- 配信
- 集計
- バリデーション(不正回答防止)
料金
- セルフリサーチ型プラン 自分でアンケート画面を作成できるセルフ形式のプラン
- アンケートの内容がすでに決まっている場合、低予算でスピーディに調査を実施したい場合などにオススメ
どんな組織に向いているか
若年層に向けたアンケートがしたい組織(トレンド動向調査)
CREATIVE SURVEY
特徴
- パスワード設定、IP制限も簡単に設定できる
- 回答結果の分岐や置換、スコアリングも可能
- Webhook(イベントが実行された際、外部サービスに通知する仕組み)との連携機能がある
機能
- 作成
- デザインカスタマイズ
- 公開
- 集計
- マルチデバイス対応
- SSL対応
(有料版のみにつく機能)
- アンケーにあるCreative Survey のロゴを外す
- 選択肢によって次の質問内容を分岐
- 回答閲覧数無制限
- 回答データダウンロード
- パスワード付きアンケート
- アンケート複製
料金
- WHITE(無料プラン) 完全無料BLUE(個人向けプラン) 3,242円/月 33,408円/年
- NAVY(チーム向けプラン) 89,274円/年で利用可能カスタムキーや請求書対応などが3人まで利用できるチーム向けのプラン
- ENTERPRISE(法人向け) 不明
どんな組織に向いているか
アンケートにおけるセキュリティ性を重視したい組織(個人情報を多く必要とする調査)
Ankey
特徴
- 最短で会期後2営業日内に、アンケート情報と名刺データが紐づいたデータをダウンロードできる(※オプションの名刺データ化パックの申込みが必要)
- アンケート回答中に、動画、PDF、画像などの資料を閲覧する事ができる
- iPadの言語設定に応じて、アプリ操作画面も日本語・英語の二か国語で切替え可能
機能
- 作成
- リアルタイム集計
- データ出力
- 名刺データ化
- オフライン対応
- セキュリティ対策
料金
- 基本利用料
- 1台 端末レンタル込 32,000円 端末レンタルなし 20,000円
- 5台 端末レンタル込 160,000円 端末レンタルなし 100,000円
- お得10台プラン 端末レンタル込 250,000円 端末レンタルなし 170,000円
- お得20台プラン 端末レンタル込 445,000円 端末レンタルなし 285,000円
- メールサポート 40,000円
- メール、電話サポート 80,00円
どんな組織に向いているか
BtoB企業(営業ヒアリング)
自分に合ったWebアンケートツールを!
今回は8つのWebアンケートツールを比較しました。
Webアンケートツールを選ぶ際は、まずはアンケートの目的や内容を確認した上で、組織にあった機能、設問数、料金が揃ったツールを選びましょう。
そして、アンケートの回答結果を、マーケティング活動や日々の営業活動に生かしましょう。