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機械学習・ディープラーニングについて学んでいく中で、このような疑問や悩みを持つ方は少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、Kaggleとはどのようなサービスなのか、KaggleのメリットやKaggleの参加方法などを解説します。
ぜひ最後までお読みください。
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目次
Kaggleとは?
Kaggleとは、一言でいうと「機械学習のコンペティションサービス」です。
企業や大学が提供するお題に対して、構築するモデルの精度を競い合います。つまり、『データサイエンティストの腕試しの場』です。
Kaggleは「カグル」と読みます。また、参加しているプレーヤーは「カグラー(kaggler)」と呼ばれています。
Kaggleと検索すると検索候補に「Kaggle 意味ない」と出てきます。これから取り組もうとしている人にとっては、モチベーションが下がってしまいますよね。
参加しても意味がないと言われている理由は3つあります。
Kaggleの問題と実際の実務には異なる場合があるかもしれない
実務ではKaggleのように綺麗なデータが用意されていることはほぼない
実務ではまず、分析の目的から自分で考えないといけないことが多々ある
つまり、実務につながらないから意味がないと言っているように思えます。
確かに実務では分析以外のノウハウも必要ですが、分析能力は簡単には得られないので、Kaggleをやる価値は十分にあります。
Kaggleの仕組み
具体的にどのような仕組みなのか解説します。Kaggleは次のようなステップを踏んで行われます。
- 企業や大学が課題とデータセットを提供
- 参加者はデータ分析を行い予測結果を提出
- コンピュータが自動採点
- 参加者はコンペの期間中②と③を繰り返し、自身のモデルの精度を向上
- 期間終了時のスコアで順位付け
- 上位者はメダルと賞金を獲得
Kaggleのランク付け
Kaggleでは参加者のランク付けがあります。
各ランクやそれぞれのカテゴリ別のランクの条件について解説していきます。こちらは各ランクの種類と該当人数です。
ランクの種類 | 該当人数 |
Novice | 92,453 |
Contributor | 65,230 |
Expert | 7,236 |
Master | 1,669 |
Grandmaster | 242 |
それぞれのランクについて解説していきます。
Novice
Noviceは、コミュニティに参加した時点でもらえるランクです。
▼取得方法
- 登録
Contributor
Contributorは、プロフィールを完成させてコミュニティと関わり、Kaggleのプラットフォームに関して理解している人がもらえるランクです。
▼取得方法
- プロフィールに自己紹介、居住地、所属団体を追加
- アカウントのSMS認証
- スクリプトを1行書く
- 大会を一つ作るもしくはタスクを提出する
- 1つコメントを残す
- ディスカッションでのupvote(賛成票)を投じる
Expert
1つ以上の専門知識のカテゴリでKaggleに関する重要タスクを完了した人がもらえるランクです。エキスパート層に到達すると、そのカテゴリのサイト全体のKaggleランキングに参加できます。
▼取得方法
- Competitions
2個の銅メダル
- Datasets
3個の銅メダル
- Notebooks
5個の銅メダル
- Discussions
50個の銅メダル
Master
Kaggleに関する1つ以上の専門知識のカテゴリで卓越性を実証した人がもらえるランクです。マスター限定のコンペティションに参加できます。
▼取得方法
- Competitions
1個の金メダル
2個の銀メダル
- Datasets
1個の金メダル
4個の銀メダル
- Notebooks
10個の銀メダル
- Discussions
50個の銀メダル
全部で200個のメダル
Grandmaster
この最高の層に到達するために、Kaggleの専門知識の1つ以上のカテゴリで一貫して卓越したパフォーマンスを実証した人がもらえるランクです。
- Competitions
5個の金メダル
ソロで金メダル
- Datasets
5個の金メダル
5個の銀メダル
- Notebooks
15個の銀メダル
- Discussions
50個の金メダル
全部で500個のメダル
Kaggleの機能
Kaggleの主な機能には次の5つがあります。
それぞれ解説してきます。
Competitions
Kaggleのコンペに参加できる機能です。Kaggleの参加者たちはみな、ここで互いの腕を競い合います。
Datasets
さまざまなデータセットを見たり、使用したりできる機能です。
データセットを使いこなす能力の向上を目指せます。
Code
Kaggle Notebooksを使用して、機械学習コードを検索できる機能です。
色々な人のコードを見て、自分のコードとの違いを見比べることでより良いコーディングを学べます。
Discussions
Kaggleに参加しているデータサイエンティストや機械学習エンジニアと議論できる機能です。
わからないことを質問したり、AIについての議論に参加したい場合に活用できます。
▶データサイエンティストとは −仕事内容、スキル、勉強法、資格まで徹底解説>>
▶機械学習エンジニアとは!? 気になる年収や実情、勉強方法を解説>>
Cources
PythonをはじめとするAI開発に必要な知識が学べます。
プログラミングだけでなくSQLや自然言語処理などについても学べるので、初心者~中級者は積極的に活用しましょう。
Kaggleに参加するメリット
次に、Kaggleに参加する主なメリットを紹介します。大きく分けて、3つのメリットがあります。
①自分の学習をアウトプットできる
こちらが一番大きなメリットです。機械学習やディープラーニングを学ぶ中で、どのくらいのレベルに達したのかが分からないという悩みを抱えている人は少なくないと思います。
Kaggleに参加することで現在の自分のレベルを把握できます。その中で、ランキングやスコアなど具体的な目標を立てることで学習の質の向上も見込めます。
②他の参加者たちのコードを学べる
Kaggleには優秀な機械学習エンジニアやデータサイエンティストが参加しているため、提出されるコードのレベルは非常に高いです。
それらのコードを参照することで、自分が構築したモデルをさらにブラッシュアップしていくことができます。
まだ初心者の人でも、他の参加者のコードを見ながらコードの書き方を勉強できます。
③さまざまなデータに触れられる
Kaggleでは、生のデータに触れる機会が用意されています。これは実際の企業や大学が課題とデータセットを提供しているからです。
例えば、実際に仕事をしているわけではない学生などは、学習用の整ったデータを使用することはあるかもしれませんが、生のデータに触れる機会は少ないと思います。
Kaggleの多種多様なデータに触れることで、より実践的な力が身につきます。
④賞金を稼げる
賞金は総額10,000ドル(約130万円)も懸けられているものもあります。中には、数千万円にまでなります。とても夢がありますよね。
賞金を獲得できるのは基本的に上位3位や10位までです。良い順位に入れたら、多額の賞金を手に入れられます。
Kaggleを始めよう -Kaggleの登録方法-
Kaggleの登録方法を5ステップで解説します。
- Kaggleのサイトにアクセス
- 右上のRegisterをクリック
- Googleメールか自分のメールアドレスでアカウント作成
- 登録が完了したらユーザー名と自分のプロフィールURLを確認
- 個人情報の取り扱いに同意
それぞれ解説してきます。
①Kaggleのサイトにアクセス
まずはKaggleのサイトにアクセスしましょう。
②右上のRegisterをクリック
③Googleメールか自分のメールアドレスでアカウント作成
Googleアカウントを使うとアカウント作成がすぐに完了します。ユーザーネームやパスワードはGoogleアカウントのものになります。
メールアドレス登録で進める場合は、登録アドレス宛にメールが届きアカウント作成を進めます。ユーザー名、表示名、メールアドレス、パスワードの設定を行いましょう。
④登録が完了したらユーザー名と自分のプロフィールURLを確認
特に変更がなければNextを押します。これで登録が完了です。
Kaggleのニュースなどのお知らせメールを希望する方はチェックボックスにチェックを入れましょう。
⑤個人情報の取り扱いに同意
Kaggleでは企業や大学のデータを使うこともあるので個人情報の取り扱いの同意が必要です。
確認できたらI agreeの部分をクリックして登録完了し、マイページにアクセスできます。
Kaggleのコンペに参加しよう
次に、実際のKaggleのコンペに参加する方法を5ステップで紹介します。
まずは、入門者におすすめのタイタニックのコンペに参加してみましょう!
①Overviewを確認
まずはコンペのページにアクセスし、Overviewを確認しましょう。ここでは、データの概況、データの種類、提出方法、評価基準が記されています。
②Dataを確認
次に、分析に一番重要なデータを確認します!
より詳細なデータの説明の記載があります。ここでデータをダウンロードします。
③予測をする
①②の情報をもとに自分なりに分析を進めてみましょう。
分析の進め方が分からない場合は、「Code」で公開されている他のユーザーのコードを参考にしましょう!
④提出
Submit Predictionsをクリックします。
提出方法は2通りあります。
1つ目は、kaggleAPIを利用する方法です。
フォームから以下のコマンドを使用して提出します。“Message”の部分には提出物に関する手短な説明を記載します。
2つ目は、ファイルを直接アップロードする方法です。
Step1の部分に提出するファイルを選択します。Step2の部分に提出物に関する手短な説明を記載します。最後にMake Submissionをクリックして提出完了です。
⑤スコアの確認
提出後にスコアが送られてくるので、他の人のコードと比較したり、参考にしたりしながら、分析の質をあげ、良いスコアを目指しましょう。
Kaggleの勉強向けのおすすめ書籍5選
この章では、Kaggleに参加したい、Kaggleに向けて勉強したいという方向けにおすすめの書籍を5つ紹介します!
- Kaggleで勝つデータ分析の技術
- PythonではじめるKaggleスタートブック
- Kaggleコンペティションチャレンジブック
- Kaggleのチュートリアル
- Pythonで動かして学ぶ!Kaggleデータ分析入門
①Kaggleで勝つデータ分析の技術
現時点で最新の情報が整理してまとめてあります。
特徴量の作り方、バリデーション、パラメータチューニングなどについて、一般的な書籍ではあまり言及されないテクニックやポイントについて記述しています。
Kaggleにこれから参加してみたい初心者の方におすすめです。
初学者向けにKaggleで勝つための準備について解説している本です。 「Kaggleに何となく興味ある」状態から「実際のコンペに参加できる」状態になれるよう、Kaggleの勝ち方について詳しく解説されています。 サンプルコードの詳細な解説があるため、しっかり知識が身につきます。優勝チームと専業Kagglerのコンビによって、わかりやすいが解説されています。
「Kaggleコンペティションチャレンジブック」は、Kaggle入門者向けの本です。 表形式データを扱うコンペティションや、音声データ/イメージデータを扱うコンペティションなど、機械学習の問題について詳しく解説されています。 それぞれの章でコンペティション別に、大会の紹介、主催側の動機、評価の基準、主要なアプローチ、データを準備する方法、データ分析、勝者の智恵に至るまで具体的に検討します。 過去のコンペティションで使用されたPythonコードを実行することで、探索的データ分析を進め、機械学習モデルを学び、最終的にKaggleに結果をアップロードしてモデルの性能が向上したことを体験できます。 「Kaggleのチュートリアル」は、Kaggleで機械学習のコンペに参加する方法がわかる本です。 初学者を対象に、Kaggleのタイタニックコンペの取り組み方を丁寧に説明します。 付録では、著者の金メダル・銀メダル獲得の体験談やKaggleに2年半取り組んで得られた反省など、コンペに取り組むにあたっての実践的な内容も記されています。
これからデータ分析をはじめたいと思っている方や、Kaggleに興味のあるデータ分析の初心者に向けて、Pythonの実際のコードとともに丁寧に解説した書籍です。 データ分析や機械学習の一端に触れ、実際に課題を解決するプロセスを体感できます。 Kaggleの初心者向けチュートリアル「Titanicコンペ」「House Pricesコンペ」について、分析の準備から結果の考察、そして精度を上げるプロセスをステップバイステップでコードとともに、わかりやすく解説しています。
▼関連記事 ・ディープラーニング関連オススメ書籍TOP20&テーマ別38冊を紹介!>> 今回は、Kaggleとはどのようなサービスなのか、そしてそのメリットや参加方法などを解説していきました。 Kaggleについて少しでも理解を深めていただき、積極的にKaggleに挑戦する機会になれば幸いです。 AINOW編集部②PythonではじめるKaggleスタートブック
③Kaggleコンペティションチャレンジブック
④Kaggleのチュートリアル
⑤Pythonで動かして学ぶ!Kaggleデータ分析入門
・【2021年版】AI関連のおすすめ本15冊をランキング形式でご紹介>>まとめ
CS専攻大学2年生・42Tokyo所属
情報発信を通して自分自身の知見も深めていきたいと思います