HOME/ AINOW編集部 /機械学習エンジニアとは!? 気になる年収や実情、勉強方法を解説
2020.06.12

機械学習エンジニアとは!? 気になる年収や実情、勉強方法を解説

最終更新日:

こんにちは、AINOWライターのゆかわです。

近年のAIブームにおいて、その根幹を担っているのが機械学習技術です。機械学習への注目の高まりと同時に、機械学習を作る上で欠かせない職業「機械学習エンジニア」に注目が集まっています。

ときには機械学習エンジニアに対する高額な報酬がニュースの話題になり、その重要性が社会全体を通して認識されています。

今回の記事では、機械学習の活用を進める上で重要な役割を占める機械学習エンジニアの仕事内容や給料、勉強方法などを解説します。

機械学習エンジニアとは

機械学習エンジニアとは、簡単に言うと機械学習モデルを構築するエンジニアです。ときには「AIエンジニア」や「MLエンジニア」とも呼称されます。

AIに関連する職業の中でも特に近年注目されている職業で、多くのデータを学習させて作る「機械学習モデル」の開発や、現場環境への実装を手がける職業です。

機械学習では、従来のエキスパートシステムなどのように、全てのコードを「if文」のようにルールベースで定義することはせず、比較的少ないコードで済む場合が多いことが特徴です。そのため、機械学習エンジニアは、多くのデータを学習させ、精度を向上させるために、アルゴリズムやデータの形式を工夫する力が必要です。

機械学習エンジニアの仕事内容

機械学習エンジニアの実際の業務内容はどうなっているのでしょうか。

これは企業によって変わります。。音声認識エンジンの開発を行う企業もあれば、ヘルスケア関連の解析を行う企業もあったり、中にはチャットロボットの開発を行う企業などもあります。

また、業務のレベルについても、モデルを動かす部分のみを担当するエンジニアや、設計段階から関わるエンジニア、モデルそのものを作る研究を行うエンジニアなど、さまざまなタイプのエンジニアがいます。

一般的には、以下のような業務内容があります。

  • 機械学習モデルの構築と検証
  • 機械学習の基盤整備や運用・保守
  • 論文などを通して最新技術の調査

機械学習モデルの構築と検証

機械学習エンジニアの業務の根幹を成すのが機械学習モデルの構築と検証です。機械学習の中でも、現在活用が進む多くのモデルでは、多くの教師データを学習させることが必要です。

機械学習エンジニアは、データを学習するアルゴリズムを作るすることで、機械学習モデルを構築します。また、高い精度が出るかの検証も行うことで、データの形式や変数、アルゴリズムの選択に間違えが無いかを検証し、現場で活用できるモデルが作れているかを確認することも重要な職務です。

機械学習の基盤整備や運用・保守

画像認識だけでなく、テキスト分析や音声認識、ユーザのログなど、機械学習で取り扱うデータの形式は幅広いことが特徴です。そこで、社内でデータ基盤を整備し、社内で迅速なデータ活用を推進する企業もあります。

また、機械学習では、学習環境の再現性や、フレームワークの激しいバージョンアップへの対応、使用するライブラリの素早い切り替えなどが求められます。これらをサポートするツールとして、近年はDockerなどのコンテナ型仮想化が注目されており、このような技術を用いた機械学習基盤の整備も、業務の一つです。

論文などを通した最新技術の調査

機械学習領域では日々、急速に技術革新が起きています。世界的な学会では、斬新なモデルが発表され、話題になることもあります。機械学習エンジニアにとって、最新の技術情報を把握し、時にはそれを自社のシステムに取り入れることも重要な役割です。

論文は英語ベースのものも多く、英語の文章に慣れておくと、Web上に公開される最新の論文をいち早くチェックすることができます。

また国内では、AIに関する論文をまとめたメディアも生まれており、さまざまな情報源を駆使することで、AI関連の最新情報に触れることも必要でしょう。

機械学習エンジニアとデータサイエンティストの違い

機械学習エンジニアと似た職業として、データサイエンティストがあります。企業の求人でも、機械学習エンジニアと同列に募集がかけられることもあります。

両者を分ける明確な定義は決められていませんが、データサイエンティストはその名の通りデータを扱うことに重点をおいた職業です。

例えば、械学習の手法を用いたアプリケーションの開発をデータサイエンティストが行うことなどはあまりありません。その代わり、企業(自社の場合もあれば他社の場合もあります)の保持するデータを解析して、ビジネス戦略を立てるといった仕事をすることになります。

これはあくまで一般的な話で、企業によってはほとんど機械学習エンジニアと同じような業務をすることもあり得るので、求人ごとに仕事内容を確認してみるのが一番でしょう。

▶初心者でもわかる!データサイエンティストとは −仕事内容、スキル、勉強法、資格まで徹底解説>>

機械学習エンジニアの年収

日本国内ではまだ機械学習エンジニアは比較的新しい職業であるため、データは少なく、企業によって給料にもばらつきが生じます。

求人情報に特化した検索エンジンを手がけるIndeedによると、平均約639万円だそうです。
※2020/05/26時点で過去12ヶ月間のデータに基づいて算出された値

これは他のソフトウェアエンジニアなどと比べても高い金額となっています。
参照:機械学習エンジニアの日本での給与(Indeed)

また、米国の求人情報サイトGlassdoorによると、アメリカ国内での機械学習エンジニアの平均年収は$114,121(1ドル107円換算約1221万円)と見積もられています。(2020/05/26時点)

参照:Machine Learning Engineer Salaries(glassdoor)

ちなみに2019年11月にIndeedが公表した調査結果では、2019年シリコンバレーで最も平均年収の高かった職業は機械学習エンジニアであり、シリコンバレー内でのその平均年収はなんと$172,792(約1848万円)だったそうです。

▼参考記事

▶機械学習エンジニアの年収はいくら?年代別の年収や海外との違いを解説>>

機械学習エンジニアの将来性、キャリアパス

機械学習エンジニアは、将来性がある仕事です。

将来性がある理由を説明するために、機械学習エンジニアのキャリアパスについて紹介します。   

そもそも、AIを導入する過程の順序として、大まかに分けて、AI開発とデータ分析(開発されたAIにデータを入れて、どのような結果が得られるかを分析すること)です。  

機械学習エンジニアの主な仕事はAIを開発することです。しかし、会社によっては、機械学習エンジニアがデータ分析までやることがあります。また、データサイエンティストなども含め、定義があいまいになっています。  

とは言っても、AI開発はAIを導入する際に必ず行います。そのため、機械学習エンジニアは、かなりの需要があります。   

結論として、将来性があるというわけです。     

機械学習エンジニアになる方法

機械学習エンジニアというのは、主にAI開発の仕事をしている人たちのことを言います。そのため、機械学習エンジニアになるには、AI開発を主な仕事にする必要があります。  

そこで、ここではAI開発を仕事にするための方法を「大学に通って就職する」と「勉強して転職する」の二つの方法を紹介します。

大学に通って就職する

大学に通って就職するというのは、新卒で機械学習エンジニアを取っている企業への就職を意味します。   

新卒での入社は、スキルが高いレベルでなくても大きな企業に入ることが可能です。

現在、大学在学中、もしくは、高校生の皆さんで、機械学習エンジニアになりたいと考えている人は、新卒で採用してもらえるようにしっかりと勉強するのもおすすめです。

AIエンジニアになるには大学に進学するべきか?>>  

勉強して転職する

勉強して転職するというのは、既に機械学習エンジニアではない職についている人が何らかの方法でスキルを身に着けて、転職することです。

現在は、スクールや、サイト、本などもかなり充実しているので、現在の仕事をしながら機械学習エンジニアに必要なスキルを身に着けることは、可能です。

転職して、機械学習エンジニアになりたいという方は、挑戦してみることをおすすめします。

▼関連記事はこちら
・AIを学べるスクールおすすめ5選|メリット・デメリット、選び方まで紹介>>
・DXのおすすめ本15選 – 入門向けから実践向け、最新版まで紹介>>
・<レベル別>Pythonと機械学習が学べる書籍15選>>
・【2021年版】AI関連のおすすめ本15冊をランキング形式でご紹介>>

実体験から学んだ機械学習エンジニアに必要なスキル

機械学習エンジニアの仕事内容や年収について説明してきましたが、実際に働く際に重要なこととはなんでしょうか。

筆者もAlgoAgeという、機械学習を用いたビジネスを行なっている会社で、エンジニアとして現在インターンをさせて頂いています。

今回は先輩エンジニアの方に聞いた、実際の業務の上で大切なことをご紹介したいと思います。(ちなみに自分がインターンで機械学習を学ばせて頂いたときに感じたことも、次の章で軽く説明させて頂いています。)

また、以前AINOWで紹介した、機械学習エンジニアの実体験に関する記事も、あわせてご覧ください。

▶わたしの機械学習エンジニアキャリア1年目で学んだ12のこと【前編】>>

最新の知見のアップデート

機械学習という分野は近年注目を集めていることもあり、その成長スピードがとても速いです。

例えばSOTA(State of the Art:最高水準)を更新するあるモデルが発表されたとして、その数ヶ月後にSOTAを塗り替える別のモデルが発表されることは珍しくありません。

そうした中で常に最新の情報にあたり、今解決したい問題に対して最適な手法を見つけるということが、機械学習エンジニアにとって必要不可欠です。

定性的→定量的

これはどのレベルの業務まで担当するかにもよりますが、設計段階から関わるようなエンジニアにとっては、定性的な問題を、どのように定量的な問題として定義するかがとても重要です。

解決したい問題があったときに、どの誤差を小さくすれば良いのかといった事がわかっていなければ、いくら良いモデルを使っても問題の解決には繋がらなくなってしまうからです。

試行錯誤

機械学習エンジニアをする上で、避けては通れないのがこの試行錯誤です。

泥臭い作業ではありますが、データに対してモデルを実行し、その結果を見てモデルに修正を加えていく、という作業を繰り返すことで、より良い結果を得られます。

もしそこで思うような結果が得られなければ、モデルそのものを変えてみる必要もあるかもしれません。そうしたときに、常日頃から上で述べたような最新の知見のアップデートをしておくことが、大事です。

機械学習エンジニアを目指すなら

機械学習エンジニアを目指すには、身に着けなくては、ならないことが沢山あります。

そのため、多くのことを勉強する必要があります。

ここでは、特に大事な「機械学習における考え方」と「エンジニアの必須スキル」を紹介します。

機械学習における考え方

機械学習ではさまざまなモデルを使いますが、それぞれのモデルは何かしらの数式に基づいて考えられています。これらの数式に対する理解を深めると、魔法のように思える機械学習も、実際は何をやっているのかがわかります。

研修では各フェーズ毎に理解度を確かめるテストがあったので、本を読んで理解できなかったところはネットなどで調べるようにしていました。もちろん時間はかかりますが、こうして数式レベルで理解することは、実際にモデルの実装をしてみた際にも役に立ったと思っています。

エンジニアの必須スキル

自分はPythonに関しては、文法が少し分かるくらいで、開発経験は全くなく、他のIT技術に関しても平均すら下回る知識量だったと思います。そのため、エンジニアなら機械学習エンジニアに限らず誰でも知っているような技術に関して、ほとんど知らないことだらけでした。

幸い、AlgoAgeではそういった基礎の部分から研修内容に入れてくださっていましたが、全ての会社がそうとは限りません。

なので、機械学習エンジニアを目指してみたいけれど、エンジニアとしての経験が全くないという方は、機械学習以外のICT技術に関する勉強もしておくと良いかもしれません。

(ちなみに筆者が勉強しておけば良かったと思ったのは、LinuxコマンドやGitの使い方などです。また、自分はショートカットキーやEmacsキーバインドというものをほとんど使ってこなかったのですが、作業効率アップのためにはこれらをある程度使えるようにした方が良いということも教えてもらいました。)

機械学習エンジニアで役立つ資格

前述で、機械学習エンジニアになるためには、機械学習や、ディープラーニングなど様々な知識が必要であると述べました。他にも、プログラマーとしての、ITスキルも必須です。

現在は、データサイエンティストの仕事も兼任することがあります。

データサイエンティストに必要なスキルも身に着けておけば、さらに仕事に就くうえで有利です。

そこで、ここでは、機械学習ディープラーニング、ITスキル、データ分析の能力を証明する資格を紹介します。

  • 機械学習、ディープラーニング

G検定
E検定
AI実装検定

  • ITスキル

ITパスポート
基本情報技術者試験

  • データ分析

データサイエンティスト検定
データベーススペシャリスト試験
統計検定

上記のように、様々な資格があります。どれも、しっかり勉強しなければ受からないようになっているので、十分に取る価値のあるものです。勉強して、受験することをおすすめします。

▶【2022年版】AI関連資格をまとめて解説!最新スケジュールと取得メリットも紹介>>

フリーランスで働く方法

フリーランスで働く方法は、会社に勤めずに機械学習エンジニアの仕事をすることです。

仕事をする際には、契約を行います。契約方法は、時給制のものや、完成品を納品した後に支払いを受けるなどのパターンがあります。

どちらにせよ、フリーランスで働くには、高度なスキルを身に着けていることや、十分な実務経験が必要です。

そのため、フリーランスで働く人は、IT企業に就職してからフリーランスに転身するというパターンが多いです。

いきなりフリーランスとして働きたい人は、仕事を掛け持ちできるので、様々な実務経験を速く詰めるという利点もありますが、あまりおすすめはしません。

フリーランスに転身したいという人は、実際にフリーランスで働いている人に話を聞くなどして、転身するタイミングを慎重に決断するようにしましょう。

おすすめ勉強方法

前述で、機械学習エンジニアを目指す方法や必要なスキルなどを述べてきました。

ここでは、実際に機械学習エンジニアになるための勉強方法を紹介します。

今回は、「プログラミングスクールで学ぶ」と「インターンで経験を積む」の二つを紹介します。

プログラミングスクールで学ぶ

プログラミングスクールで学ぶとは、機械学習エンジニア経験がある講師や機械学習に詳しい講師に短期的に集中して、教えてもらうことです。

機械学習を一から、本などで、独学で学ぶのは、ハードルが高いので値段が高いというのは、少しネックかもしれませんが、おすすめです。

特に、プログラミング未経験のようなひとには、強くお勧めします。

インターンで経験を積む

機械学習エンジニアとしての就職を考えている方や、一度機械学習エンジニアの業務を実際に体験してみたい学生の方などは、一度機械学習エンジニアとしてインターンをしてみるのもおすすめです。

Wantedlyでは、さまざまな企業がインターンの募集を出していて、実際に自分が現在のインターンに応募したのもWantedly経由でした。未経験からの採用も多数あるはずなので、ぜひ見てみてください。

▼関連記事はこちら
機械学習インターンとは?業務内容や受かるためのスキルなど徹底解説>>
機械学習関連インターンまとめ32選>>

まとめ

企業からのニーズがますます高まる機械学習エンジニアですが、その人数はまだまだ不足しています。機械学習エンジニアになるには、今がチャンスかもしれません。

無料メールマガジン登録

週1回、注目のAIニュースやイベント情報を
編集部がピックアップしてお届けしています。

こちらの規約にご同意のうえチェックしてください。

規約に同意する

あなたにおすすめの記事

“現実と仮想の境界線を越えたエンターテイメントとは?” |川田のロンドン体験レポート

低コストで高性能なAIモデル・MoEモデル開発の舞台裏|カラクリCPO中山氏へインタビュー

生成AIの未来を切り拓く起業家の軌跡と展望|usutaku氏インタビュー

「第8回 AI・人工知能EXPO【春】」ブース&「ChatGPT-4o」セッションレポート

あなたにおすすめの記事

“現実と仮想の境界線を越えたエンターテイメントとは?” |川田のロンドン体験レポート

低コストで高性能なAIモデル・MoEモデル開発の舞台裏|カラクリCPO中山氏へインタビュー

生成AIの未来を切り拓く起業家の軌跡と展望|usutaku氏インタビュー

「第8回 AI・人工知能EXPO【春】」ブース&「ChatGPT-4o」セッションレポート