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みなさんはデータサイエンティストという職業をご存じですか?
インターネットやスマートフォンの普及により、Web上にある膨大なデータがマーケティングに活用され、ビジネスにおいて価値を持つようになりました。
よりよい選択や判断をスピーディーに行うために、データ分析は欠かせない要素なのです。
今回はこのようなビッグデータを扱う専門家であるデータサイエンティストについて詳しく紹介します。
【この記事でわかること】 ※クリックすると見出しにジャンプします |
目次
データサイエンティストとは
データサイエンティストとは、データを収集し分析する専門家です。
顧客や売上などの膨大なデータを分析し、課題発見や課題解決を導き出すという重要な役割を担います。データ分析をすれば、さまざまなデータの関係性を分析し、より精度の高い未来予測が可能となります。
事業戦略やマーケティングに関わる仕事内容のため企業の研究開発部やコンサルティング部に所属するケースが多いです。
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストは一般的に以下のような順番・内容の仕事をしています。
1.現状の把握・分析
社内のデータや顧客のデータをもとに企業の抱えている課題を洗い出します。この時に使用する、顧客に関するあらゆるデータを「顧客データ」と呼びます。
2.データ収集
ヒアリングした情報をもとに導きだした課題に対して、課題解決に必要なデータをWebに限定せず、業務システムやメディアなど、さまざまな媒体を駆使して収集します。
収集したデータはデータベース化し、管理します。
3.データ集計・分析
収集・保存したデータをビジネスで活用できるように、多角的に分析し、課題の解決策を見つけ出します。
4.データの整理・レポート作成
分析したデータから課題解決に必要な戦略やマーケティングをの提案するためのレポートを作成します。
このほか、データの変換やデータベースの用意、収集したデータを効率良く取り出すためのプログラムを組むといった作業もやらなければなりません。
データサイエンティストの年収
求人ボックス給料ナビによると、データサイエンティストの仕事の平均年収は約695万円です。この値は日本の平均年収と比較すると高い傾向にあります。
月給で換算すると約58万円、初任給は25万円程度が相場のようで、派遣社員では平均時給が2,606円となっています。
しかし、全体の給与に幅があるため、勤務地やスキルによって年収に大きな差が生まれると見受けられます。逆に言えば、経験やスキルを積めば積むほど年収は上げられるのです。
データサイエンティストに必要なスキル
データサイエンティストに求められるスキルは大まかに以下の3つです。
ビジネススキル
データサイエンティストに限った話では無いですが、仕事をする上で、効率的にビジネスをデザインする必要があります。
特に、データサイエンティストは顧客と直接話す機会があり、論理的なプレゼンテーションスキルや課題発見力も必要になるので、知識だけでなく経験を積むことでよりビジネス力を磨けるでしょう。
データエンジニアリングスキル
データエンジニアリングスキルとは、データ分析のためのデータ収集・解釈、さらに検証をするスキルです。
膨大な量のデータを扱う職業であるデータサイエンティストは、データ収集におけるシステムの設計や、分析におけるデータの変換や演算処理などで専門的な知識やスキルが必要です。
データサイエンススキル
データサイエンススキルとは統計学や重回帰分析などのスキルや、専門的な知識を活用するスキルのことです。
データ分析において、統計学やアルゴリズムを用いて新たに有益な知見を引き出すことが求められます。
現在のデータサイエンティストの需要
ビッグデータの活用がビジネスで重要視されるようになったことで、データサイエンティストの求人は年々増加しています。
日経クロストレンドが発表したデータによると、2017年の求人数が2019年には約7.5倍に増加しています。
国も先端IT技術の重要性に着目しており、市場の拡大を予想して人材育成に力を入れています。
データサイエンティストに役立つ資格を取るメリット
データサイエンティストは、前述したように経験や技術・スキルが給与に直接関わる職業です。
したがって、資格を取りスキルアップすることで受けられるメリットが多いと言えるでしょう。ここではメリットを3つ紹介します。
それぞれ解説します。
応用力を身につけられる
資格を取ることで応用力を身につけられます。会社でデータサイエンティストとして働き、知識を身につけた場合はその会社の業務としてのデータサイエンスしか教わることはありません。
しかし、資格の勉強をしているとデータサイエンスの基礎から学べ、理屈を理解できるのでその場限りの知識ではなく幅広く活かせる知識を身につけられます。
知識・スキルを持っている証明になる
資格を持っていると、共通の指標としてどの程度のスキルを有しているのか示せます。
必ずしも資格がないと企業が雇ってくれないわけではないのですが、特定の専門領域を取り扱う業務となると資格が必須になっている場合もあるので資格をとっておいて損することはありません。
履歴書に記載できる
データサイエンティストを雇う多くの企業で資格取得を勧めているように、データサイエンティストの資格は価値のあるものだと認められています。
多くの資格は履歴書に記載できるので転職の際にも自身の持っている知識がどの程度か簡単にアピールできます。
以下の記事で資格について詳しく紹介しています。
▶︎ディープラーニングの資格を紹介!メリットやスケジュールも解説 >>
【比較表】データサイエンティストに役立つ資格8選
開催頻度 | 受験料 | 概要 | |
G検定 | 年3回 | ・一般:12,000円(税込)
・学生:5,000円(税込) |
・220問程度
・合格率60%〜70% |
E検定 | 年2回 | ・一般:33,000円(税抜)
・学生:22,000円(税抜) ・会員:27,500円(税抜) |
・100問程度
・合格率60%〜70% |
Pythonエンジニア認定データ分析試験 | 通年 | ・一般:10,000円(税抜)
・学生:5,000円(税抜) |
・選択問題40問
・正答率70%で合格 |
画像処理エンジニア検定 | 年2回 | ・ベーシック:5,600円(税込)
・エキスパート:6,700円(税込) |
合格率はベーシックが約60%、エキスパートが約30% |
AI実装検定 | 随時 | ・B級:2,200円(税込)
・A級:3,500円(税込) ・S級:5,000円(税込) |
試験範囲が被っているのでJDLAの試験対策にもおすすめ |
データベーススペシャリスト試験 | 年1回 | 5,700円(税込) | 合格率は10%〜15% |
AWS専門知識認定資格 | 常時開催 | 30,000円 | 自宅での受験が可能 |
GCP Professional Data Engineer | 随時 | 200ドル | GCPサービスを熟知している必要がある |
G検定
ディープラーニングを活用できる人材を育成することを目的に、機械学習やディープラーニングなどの幅広い知識を問う検定です。
エンジニアとして働いている人から、学生まで幅広い人が受験しています。
E資格
G検定より難易度が上がり、ディープラーニングの実践的な知識を有している人を対象に行う検定です。
受験条件として、協会が認定しているプログラムを試験日の過去2年以内に終了している必要があります。
Pythonエンジニア認定データ分析資格
Pythonがの運営する「Python3エンジニア認定基礎検定」に加え、「データ分析試験」が設けられました。
AI分野の成長に従い、Pyhonのエンジニアリングスキルが求められるようになっているのでビジネスで活用できる資格です。
画像処理エンジニア検定
画像処理に特化した検定で、ベーシックとエキスパートの2つのレベルを設けています。
画像処理を主に学びたい人におすすめの資格です。エキスパートでは特に専門的な知識を求められるので難易度が高いです。
AI実装検定
AIの実装ができるプログラミングスキルを認定する検定です。難易度はG検定やE検定と同程度かそれ以下で試験範囲も被っているのでこれらの試験対策に取得するのもおすすめです。難易度別にB級〜S級まで設定してあるので自分にあったレベルの検定が比較的低価格で受験できます。
データスペシャリスト試験
情報処理推進機構が運営する高度情報技術者の試験の1つです。
これは経済産業省が認定する国家資格で、経済産業省が設定するITスキル標準の最高難易度に該当します。
非常に高度な技術が求められるため、試験の難易度はとても高いです。
AWS専門知識認定資格
AWS認定試験はAmazon社が提供しているAWSというサービスを通じてスキルを測る試験です。機械学習やビッグデータなどの専門知識認定資格があります。
試験を受けるにあたって、AWSサービスを熟知していないと合格は難しいでしょう。
GCP Orofessional Data Engineer
Googleの提供する、データ処理システムや機械学習のスキルを測る試験です。受検するにあたり、業界経験が3年以上あることが推奨されています。
また、GCPサービスについて熟知していないと合格は難しいです。
▶【2022年版】AI関連資格をまとめて解説!最新スケジュールと取得メリットも紹介>>
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はデータサイエンティストについて詳しく紹介しました。
多くの企業が、ビジネスにおけるデータの重要さを再認識している中で、データサイエンティストという職業に興味を持った方はぜひ資格などを調べてみてください!