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2022.03.18

【2022年版】AI関連資格をまとめて解説!最新スケジュールと取得メリットも紹介

最終更新日:

AIの活用が注目される中、テレビなどでAIの話題を目にする機会も増えてきました。それを見てAIのスキルを身につけたいと思うようになった人も多いのではないでしょうか。

そんな方におすすめなのが「AI関連資格の取得」です。

AIに関する資格を取れば、AIの知識を身につけられるうえ、市場価値も上がるため将来の選択肢を広げられます。しかしAIに関する資格には多くの種類があり、どの資格を取ればいいのかわからないという人も多いでしょう。

そこで、この記事では「AI関連の資格」について、おすすめの資格や資格を取得するメリットなど詳しく紹介します。

AI関連の資格を取得するメリット

具体的なAI資格の説明に入る前に、まずAI資格を取得するメリットを紹介します。明確な目標を持ってAI資格の勉強に臨むためにも、そのメリットを把握することは大切です。

網羅的な知識が身につく

AIについて勉強しようと思っても、どのように勉強を進めればいいのか分からないという人も多いと思います。そんな時に役立つのが「資格の勉強」です。

例えば、あなたがAIエンジニアになりたい場合、日本ディープラーニング協会(JDLA)が運営している「E資格」に注目すると勉強の道筋が分かります。

E資格とは「ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力を持つ人材」に与えられる資格です。E資格がAIエンジニアに必要なスキルを学ぶのに役立つことがわかります。

では、このスキルを身に着けるためにはどうすればいいのでしょうか。そこで重要なものがシラバスです。

資格試験のシラバスや出題範囲の書籍の内容を勉強することは、資格を授与するに相応しい人材へと成長する最短のルートです。このような計画的な勉強は、行き当たりばったりで勉強をするよりもはるかに効率的であり、網羅的な知識を獲得できます。

他のAI業界の職業に興味がある場合もAIエンジニア同様にぴったりの資格があり、その資格の勉強をすることで効率的に勉強し、網羅的な知識を身に着けられます。

自分の能力の証明になる

資格は就職や転職の際、能力の証明になります。例えば、E資格に合格した場合、JDLAから「合格認証ロゴ」がメールで配布され、それを名刺に印刷できます。

それ以外の場合でも資格を持っていれば、転職や就職を有利に進められるでしょう。

また、国家資格は職場内での昇給・昇進の基準として扱われることがあるように、資格が職場内でのキャリアを支えることもあるでしょう。

AIに関わるコミュニティに参加できる

AIをテーマにしたコミュニティに入って、最新の情報をキャッチアップし続けるのも大切です。例えば、日本ディープラーニング協会は、資格の合格者によるコミュニティの「CDLE(Community of Deep Learning Evangelists)」を運営しています。

これは合格者同士の交流・情報交換の場を創出し、ディープラーニングを実際のビジネスシーンで活用するための互助コミュニティとされており、合格後も知識を深めることができます。

 一般的な出題範囲

次に、一般的なAI関連の試験で扱われる問題について紹介していきます。もちろん、すべての資格がこの出題範囲に収まるわけではありません。

幅広く膨大な知識量を求めてくる資格もあれば、狭い出題範囲でかなり専門的な知識を求めてくる資格もあります。主に出題されているのは次の5つです。

資格によってどこまで難しい内容が問われるのかは異なりますが、AI資格を取得するうえでAIの技術や手法に対する理解は必須です。

機械学習やディープラーニングは代表的な手法だけでもかなりの数があるため、網羅的に学習することになります。

▶学習とは?定義から学習手法・5つのアルゴリズム・活用事例までわかりやすく解説>>
▶ディープラーニングとは【初心者必読】-基礎知識からAIとの違い、導入プロセスまで細かく解説>>

  • データベース

AIは巨大なデータ群(ビッグデータ)を扱うものなので、AIを勉強するうえではデータベース自体の勉強も避けては通れません。

AIの手法だけではなく、データの扱い方やAIを用いたデータサイエンスの分野の勉強もする必要があります。

▶初心者でもわかる!データサイエンティストとは −仕事内容、スキル、勉強法、資格まで徹底解説>>

  • 数学

高校数学以上の数学知識がメインとなってしまいますが、数学の観点からAIを理解することは、AIの応用的な分野を理解するために必須です。試験では、理論的な範囲の理解や計算問題が問われます。

▶機械学習もいいけど、数学的アプローチも必要だ | CCSE2019 イベントレポート>>

  • 歴史

現在は、AIの歴史上第3次AIブームだと言われています。昔のAIの仕組みや、歴史上重要なAI、なぜ昔のAIブームは終焉を迎えたのかなど、AIの歴史についての理解が問われることもあります。

▶【7分でわかる】AI研究、60年の歴史を完全解説!>>

  • 法律や倫理

AIに関係する知識として、AIに関係する法律や倫理が問われるような資格があります。直近の話題が問われることもあるので、時事ネタや論争に常に関心を向けることが重要です。

▶AIと倫理 – いまAI倫理が議論されている3つの理由を踏まえて、倫理を考える>>

JDLAが運営するAI資格

JDLA(日本ディープラーニング協会)が運営している資格は「G検定」「E資格」の2つです。これらの資格は、近年受験者数が急激に増加しており、社会的にもメジャーなIT資格の1つになっています。

G検定

G検定は、ディープラーニングを活用できる人材育成を目的に設けられている検定で、機械学習やディープラーニングに関係する知識だけではなく、歴史や法律・倫理など幅広い知識が問われます。

エンジニアからAIをビジネスに活用する人、最近AIに興味を持った人まで受験しています。

開催頻度 年3回
受験料
  • 一般:12,000円(税抜)
  • 学生:5,000円(税抜)
概要 問題は220問程度、合格率は約6割~7割

E資格

E資格は、ディープラーニングの理論を理解したうえで、実装する能力を持つ人材に与えられます。

協会が認定したプログラムを試験日の過去2年以内に修了していることが受験条件とされているので注意が必要です。

開催頻度 年2回
受験料
  • 一般:33,000円(税抜)
  • 学生:22,000円(税抜)
  • 会員:27,500円(税抜)
概要 問題は100問程度、合格率は約6割~7割

その他のAI資格

JDLAが運営する資格以外にも多くのAIに関する資格があります。ここでは、

  1. Pythonエンジニア認定データ分析試験
  2. 画像処理エンジニア検定
  3. AI実装検定
  4. データベーススペシャリスト試験(高度情報技術者試験)
  5. AWS 専門知識認定資格 
  6. GCP Professional Data Engineer

の6つの資格を紹介します。

Pythonエンジニア認定データ分析試験

Pythonエンジニア育成推進協会は、これまで「Python3 エンジニア認定基礎試験」を運営してきました。そこに加えてPythonエンジニア「データ分析試験」が設けられています。

PythonはAI開発のための必須言語と言っても過言ではありません。AI・機械学習分野の成長に従って、Pythonのエンジニアリングスキルもますます求められています。

開催頻度 通年
受験料
  • 一般:10,000円(税抜)
  • 学生:5,000円(税抜)
概要 選択問題40問、正答率70%で合格

画像処理エンジニア検定

画像処理エンジニア検定は、その名の通り画像処理に特化した検定です。試験にはベーシックとエキスパートの2種類があります。

画像処理のエンジニアや研究者におすすめです。特にエキスパートはより専門的な知識が求められるため、かなり難易度が高いと言えます。

開催頻度 年2回
受験料
  • ベーシック:5,600円(税込)
  • エキスパート:6,700円(税込)
概要 合格率はベーシックが約6割、エキスパートが約3割

AI実装検定

AIを表現できる数学や、実装できるプログラミングスキルを認定します。難易度としては、JDLAの試験(G検定・E資格)と同程度かそれ以下であり、AIに関係するプログラミングや数学の知識問題に特化しています。

AIを用いて企画する人向けのB級と、B級よりやや難易度が高く実装向けのA級、自然言語処理やモデルの実装など応用的なS級の3種類があります。

開催頻度 随時
受験料
  • A級:3,500円(税込)
  • B級:2,000円(税抜)
  • S級:5,000円(税込)
概要 A級の合格率は約75%、試験範囲が被っているのでJDLAの試験対策にもおすすめ

データベーススペシャリスト試験(高度情報技術者試験)

データベーススペシャリスト試験とは、情報処理推進機構(IPA)が運営する高度情報技術者試験の一区分です。経済産業省が認定する国家資格で、ITスキル標準(ITSS)という経済産業省の指標のスキルレベル4(最高難易度)に該当します。

データベーススペシャリスト試験は、膨大なデータ群を管理・運用し、分析やビジネスに提供できるような高度な技能を求められるため、試験の難易度は非常に高いでしょう。

開催頻度 年1回
受験料 5,700円(税込)
概要 合格率は10~15%

AWS 専門知識認定資格 

AWS 認定試験は、Amazon社が提供するクラウドコンピューティングサービスである「AWS」を通して、技術力を測定する試験です。その中には、機械学習やビッグデータ、データアナリティクス等の専門知識認定資格があります。

受験料 30,000円(税別)
概要 AWSサービスを熟知している必要がある

GCP Professional Data Engineer

GCP Professional Data Engineerは、データ処理システムや機械学習の能力を評価するGoogle Cloud Platformの試験です。受験にあたっては業界経験が3年以上あることが推奨されています。

受験料 200ドル
概要 GCPサービスを熟知している必要がある

AIの基礎に関わる資格

以上で紹介してきた資格の中には非常に高度な知識が必要とされるものなど、難易度の高いものも多かったと思います。そこで、次は比較的易しく基礎的な知識を扱う資格を紹介します。

今回紹介するAIの基礎に関わる資格は以下の4つです。

  1. ITパスポート
  2. 基本情報技術者試験
  3. 応用情報技術者試験
  4. 統計検定

それぞれ解説していきます。

ITパスポート

ITパスポートは、情報技術に関する能力を測る国家試験です。経済産業省の管轄の法人が運営しています。ITスキル標準でスキルレベル1に相当します。

開催頻度 随時
受験料 5,700円(税込)
概要 問題数は100問弱、合格率は約50%

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、情報技術に関する能力を測る国家試験です。ITスキル標準でスキルレベル2に相当します。

昭和44年から実施されている歴史ある試験で、毎回7万人前後が受験します。

開催頻度 年2回
受験料 5,700円(税込)
概要 合格率は30%弱

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験よりも出題範囲が広く、難易度も高いといえます。ITスキル標準でスキルレベル3に相当します。

応用情報技術者試験の上位の試験が、先述の高度情報技術者試験です。

開催頻度 年2回
受験料 5,700円(税込)
概要 合格率は約20%、午後問題でプログラミングが課せられる(必須ではない)

統計検定

統計検定は4級から1級まで階級が設定されており、段階に応じて自分の統計のスキルを試すことができます。

特に統計学の目線でAIを考えたいという人は、挑戦してみるといいでしょう。

開催頻度 年1~2回
受験料 3,000円~6,000円(税込)
概要 AIを数学の視点から理解する力が身につく

それぞれの職種に特におすすめの資格

これまで見てきたように、AIに関する資格にもさまざまな内容や難易度のものがあることがわかりました。

そのため、職種ごとに向いている資格も異なってきます。そこで今回は、AIエンジニア、データサイエンティストやその職種を目指している人におすすめの資格を紹介します。

AIエンジニア

AIエンジニアにおすすめの資格として、主に以下の6つが挙げられます。

  • G検定
  • E資格
  • 画像処理エンジニア検定
  • Pythonエンジニア認定データ分析試験
  • 基本情報技術者試験
  • 統計検定

AIエンジニアは企画からシステムの開発、学習データの処理まで幅広い知識が必要とされます。そのため、幅広く資格を取得しているといいでしょう。

データサイエンティスト

次に、データサイエンティストにおすすめの資格です。以下の5つが挙げられます。

  • G検定
  • E資格
  • AI実装検定
  • Pythonエンジニア認定データ分析試験
  • 統計検定

データサイエンティストの主な仕事はデータの収集や分析など、データに関わることが多いと思います。そのため、資格もデータ関連のものを取得しておくと良いでしょう。

2022年の資格試験スケジュール

基本情報技術者試験下期の試験日程はまだ発表されていません。

まとめ

この記事ではAIに関する資格について紹介してきました。

AI業界の需要が高まっている今、AI関連の資格に挑戦してみるのもいいでしょう。どの資格を受けるか決めるときは、本記事を参考にしてみてください。

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