HOME/ コラム /「第8回 AI・人工知能EXPO【春】」ブース&「ChatGPT-4o」セッションレポート
2024.06.05

「第8回 AI・人工知能EXPO【春】」ブース&「ChatGPT-4o」セッションレポート

最終更新日:

今回は、5月22日(水)から24日(金)にかけて東京ビッグサイトで開催された「第8回AI・人工知能 EXPO【春】」に行ってきました。

この記事ではそんな第8回AI・人工知能EXPO【春】の様子を紹介していきます。

AI・人工知能EXPOとは

AI・人工知能EXPOはAI・人工知能に関する専門展として2017年より毎年春に開催されており、2020年からは春・秋と年2回の開催となっています。日本最大のAI技術の専門展示会で、製造、物流、金融、流通など、さまざまな業種に向けた最新のAI技術が集結するため、ここに来れば課題にマッチしたAIサービスを見つけることができるでしょう。

また、同イベントではAI業界の第一人者による貴重なカンファレンスも開催され、日々変わりゆくAIの最新情報をキャッチアップすることもできます。

注目のブースレポート

ログミーツ/株式会社時空テクノロジーズ

「ログミーツ」はAI文字起こしツールであり、 ChatGPTを活用した生成AI機能が実装され、文字起こしした内容の要約や翻訳も行えるツールです。

ブースが入口付近だったこともあり、多くの人でにぎわっていましたが、ログミーツはブース内で実際にリアルタイムでの文字起こしを体験できました。他のサービスでは自身のスマートフォンで録音し、そのデータを読み込んで文字起こしすることが多いですが、ログミーツは専用のモバイルレコーダーがある点も特徴です。

また、情報セキュリティも万全で顧客情報をAI学習に使われる心配はなく、約500もの自治体で導入されているなど安心して利用することができます。

リコーのRAG/リコージャパン株式会社

RAGとは簡単に言うと「LLM(大規模言語モデル)による結果を最適化し高精度化するプロセスのこと」です。LLMの膨大な事前学習データだけでなく、企業固有のデータ等も参考にすることで、入力(クエリ)のベクトルと照合してより正確な結果を導き出します。例えば、以前は担当者に聞かなければわからなかった社内制度の確認や資料作りの際に欲しい有用な過去事例をリコーのRAGがあれば即座に回答してくれます。さらにソースとなったドキュメントのリンクを同時に示してくれるので、正しい結果であるかどうかを検証することも容易です。

また、リコーのRAGの特徴として、導入と活用がカンタンな点が挙げられます。データの更新を行いたい場合はPDFなどのデータをアップロードするだけで自社データのRAGが作成でき、部門・業務ごとに分けて作成することもデータソースごとにアクセス管理することも可能です。

左側のタブからテーマごとにチャット欄が分かれているのもリコーのRAGならでは、とても分かりやすいUIとなるよう工夫されています。

注)画面は開発中のものであり製品とは異なる可能性があります

SHIFT AI

AIソリューションが所狭しと並んでいた本展において、「AI人材研修」の文字が目立っていたのがSHIFT AIです。

担当者は「AIソリューションを導入する企業さんも多くなっていますが、導入したものの上手く活用できない企業さんが増えています。そのため、導入の前にAIの知識や理解、リテラシーをつけることが重要といえます」と話します。

eラーニングを中心にワークショップでも研修を行っている同社ですが、他のeラーニングサービスと比べてAIに特化している点が特徴です。国内のAIトップランナーによる国内外の業種、テーマ別のAI活用事例、実践ノウハウの講義を視聴できるほか、2000名ものコミュニティを持っており、コミュニティ内での密な交流ができるのも魅力となっています。

ChatGPT-4oとは?-トークセッションの内容を紹介

イベントではブースの他にもトークセッションが行われました。その中でも、AI専門メディア「AINOW」編集長であり(株)Cinematorico Founder COOを務める小澤氏と、ChatGPT研究所の代表を務める石川氏の対談を紹介します。

「Chat GPTが大幅アップデート!GPT-4oの最新情報を徹底解説」と題した対談ではChatGPT-4oに関する詳細な解説が行われ、参加者たちはその先進的な技術について深く知ることができました。イベントで語られた内容をもとに、ChatGPT-4oについて詳しく紹介します。

ChatGPT-4oの概要

ChatGPT-4oは2024年5月14日にopenAIから発表された最新のAIモデルであり、これまでのモデルとは一線を画す特徴があります。従来はテキスト、音声、画像など個別のデータで学習していたのに対し、ChatGPT-4oではこれらすべてを統合して学習することができるようになりました。これにより、処理速度が飛躍的に向上し、応答の精度も高まっています。

技術的な特徴

対談ではChatGPT-4oの3つの特徴が紹介されました。

①統合学習モデル

ChatGPT-4oは、テキスト、音声、画像を一括で学習するモデルを採用しています。これによって、AIがより自然な形で情報を理解し、応答できるようになりました。これまでのモデルはテキスト入力からスタートし、次に画像や音声を別々に処理するという流れでした。一方、ChatGPT-4oではこれらを統合して処理することで、効率性が格段に向上しました。

②感情と口調の理解

新しいモデルは入力されたテキストや音声から感情や口調を読み取り、それに応じた応答を生成します。これにより、より人間らしいコミュニケーションができるようになっています。例えば、ユーザーが入力した文章や音声からその時の感情や話し方のニュアンスを理解し、適切な返答を返すことができます。

③速度と精度の向上

応答速度が従来モデルの約2倍になり、精度も大幅に向上しています。また、コスト面でも従来モデルの半額で運用できるようになりました。これにより、より多くの企業や個人がこの技術を利用しやすくなっています。

実際の応用例

対談ではChatGPT-4oの実際の応用例も紹介されました。

動画生成

テキストや音声から自動的に動画を生成する機能が紹介されました。この機能により、ユーザーは簡単にプロモーション動画や教育コンテンツを作成できます。例えば、入力されたテキストに基づいてシナリオを作成し、そのシナリオに合わせて自動的にビジュアルと音声を生成することができます 。

画像解析

送られてきた画像を解析し、詳細なレポートを自動生成する機能もデモンストレーションされました。この技術を用いることで、例えば医療分野では、患者の画像データを分析し、診断レポートを迅速に作成することが可能になります 。

データ分析

複雑なデータセットを迅速に分析し、視覚的なレポートを作成する能力が示されました。例えば、マーケティングデータや営業データを分析し、その結果をグラフやチャートにまとめて視覚的にわかりやすく報告することができます。

今後の展望

ChatGPT-4oは高度な技術により、様々な分野での活用が期待されています。特に、翻訳やマーケティング、データ分析などの分野で大きな革新をもたらすと考えられています 。日本語の対応も進んでおり、今後さらに多くのユーザーがその恩恵を受けられるでしょう。

多言語翻訳機能

多言語翻訳機能において、ChatGPT-4oは非常に優れた性能を発揮します。異なる言語間の翻訳をリアルタイムで行い、ビジネスや教育の現場でのコミュニケーションを円滑にすることが期待されています。例えば、国際会議や多国籍企業でのコミュニケーションにおいて、即座に正確な翻訳を提供することができます。

コンテンツ作成

マーケティング分野でのコンテンツ作成においても、ChatGPT-4oは威力を発揮します。プロモーション動画や広告文章を自動的に生成し、ターゲットオーディエンスに最適化されたコンテンツを迅速に提供することができます。これにより、マーケティングキャンペーンの効率化と効果的な顧客アプローチができます 。

複雑なデータ分析とレポート作成

ビジネス分野では、ChatGPT-4oを活用した複雑なデータ分析とレポート作成が期待されています。大量のデータを迅速かつ正確に分析し、視覚的にわかりやすいレポートを作成することで、経営判断を支援します。例えば、マーケティングデータや営業データを分析し、その結果をグラフやチャートにまとめて経営陣に報告することができます。

まとめ

30分ほどのセッションを通して参加者たちは新しい技術の可能性に感銘を受け、今後の展開に期待を寄せていました。

ChatGPT-4oはAIの新たな可能性を切り開く画期的なツールです。これからもその進化を見つつ、日常生活やビジネスにどのように活用できるかを探っていくことが重要です。

 

無料メールマガジン登録

週1回、注目のAIニュースやイベント情報を
編集部がピックアップしてお届けしています。

こちらの規約にご同意のうえチェックしてください。

規約に同意する

あなたにおすすめの記事

生成AIで“ウラから”イノベーションを|学生起業家が描く、AIを活用した未来

特許技術×AIでFAQを次のステージへ|Helpfeel

GPUの革新からAI時代の主役へ|NVIDIA

あなたにおすすめの記事

生成AIで“ウラから”イノベーションを|学生起業家が描く、AIを活用した未来

特許技術×AIでFAQを次のステージへ|Helpfeel

GPUの革新からAI時代の主役へ|NVIDIA