
AIエージェントは、サイトマップの設計から原稿・デザイン・コードの実装、公開までを対話で進められる段階に入っています。
ただし、AIでサイトを作る手段をホームページ作成ツールだけだと考えていると、テンプレートに寄せた妥協案しか選べません。3つのタイプを押さえておけば、自社の要件に合うサイトを内製する道が開けます。
本記事では、AIエージェントでサイトを制作する7ステップと、タイプ別に選べるおすすめツール10選を中心に解説します。
読み終える頃には、どこまでAIに任せてどこから人が引き取るかの線引きが決まり、内製と外注を比べた見積もりを自分で組み立てられます。
目次
AIエージェントによるサイト制作は3タイプに分かれる
AIエージェントでサイトを作る手段は、以下の3タイプに分かれます。
- 対話型サイトビルダー
- コーディングエージェント
- 汎用エージェント
タイプを取り違えると、要件に合わないツールで作り込んだあとに一から作り直すことになります。
対話型サイトビルダーは公開までを1つの画面で完結できる
対話型サイトビルダーは、サーバー契約もコード編集もせずにサイトを公開できるタイプです。
ブラウザ上でAIと会話し、事業内容や強みを伝えると、ページ構成・デザイン・原稿がまとめて生成されます。ドメイン設定とホスティングもサービス側に含まれるため、公開までの作業が1つの画面で終わります。
ロリポップ!AIホームページ、Wix AIサイトビルダー、STUDIO、10Webがこのタイプに当たります。デザインの自由度はサービスの枠内に収まりますが、10ページ前後の会社紹介サイトであれば十分な水準です。
Web制作の担当者がいない組織でも着手できるため、外注の見積もりを待つ前に自社で試作を出せます。
コーディングエージェントは要件どおりのコードを書ける
コーディングエージェントは、HTMLやCSSのファイルそのものを生成・修正するタイプです。
指示を受けたAIが自律的にファイルを作り、エラーを読み取って自分で直しながら実装を進めます。出力されるのは通常のソースコードのため、サービスの機能制限に縛られません。
Claude Code、Cursor、Lovable、v0、Bolt.newがこのタイプです。既存サイトのリニューアルや、独自の計算フォーム・社内システム連携を含むサイトに向いています。
ただし、生成されたコードを置くサーバーとデプロイの手配は自社で行います。社内にコードを読める人が1人いることが実質的な前提になります。
汎用エージェントは調査と原稿づくりまで担える
汎用エージェントは、サイト制作の前工程にあたる調査と原稿づくりを引き受けるタイプです。
Web検索やファイル作成を組み合わせて長い作業を自走するため、競合サイトの調査、掲載項目の洗い出し、各ページの原稿づくりまでを一続きで任せられます。Manusが代表例です。
簡易なサイトであれば生成と公開まで対応しますが、細かなデザイン調整には向きません。実務では、汎用エージェントで素材を揃えてから、ビルダーやコーディングエージェントに渡す使い方が現実的です。
原稿づくりで止まりがちなサイト制作を前に進められるため、公開が延びる最大の原因を先に潰せます。
AIエージェントでサイトを制作する7ステップ
AIエージェントによるサイト制作は、以下の7ステップで進めます。
- サイトの目的と成果指標を決める
- サイトマップとページ構成を設計する
- 掲載する情報と原稿の素材を集める
- デザインとコードを生成させる
- CMSと問い合わせ導線を組み込む
- 表示速度とSEO設定を整える
- ドメインを設定して公開する
ステップ1から3を飛ばして生成に入ると、出力を直す作業だけで工数が膨らみます。
【ステップ1】サイトの目的と成果指標を決める
最初に決めるのは、そのサイトで何が起きたら成功と言えるかです。
AIエージェントは指示された範囲を高速に形にしますが、目的の設定までは代われません。目的が曖昧なまま生成させると、見た目は整っているのに問い合わせも採用応募も増えないサイトができあがります。
「月10件の問い合わせを獲得する」「中途採用のエントリー数を月5件にする」のように、数で確認できる指標に落とし込んでください。あわせて、誰に読ませるサイトかを1行で書き出します。
目的が1行で言えると、以降のステップでAIの出力を採用するか差し戻すかを迷わず判断できます。
【ステップ2】サイトマップとページ構成を設計する
次に、必要なページを一覧にして階層を決めます。
LPと違い、サイトは複数ページの関係で成果が決まります。ページの抜け漏れや階層の誤りは、生成後に直そうとすると全ページのリンク修正に波及するため、先に固めておく必要があります。
この工程はAIエージェントに素案を出させると速く進みます。事業内容と目的を渡し、必要なページの一覧と各ページの役割を表で出させたうえで、自社で過不足を判断してください。
階層が決まっていれば、あとから採用情報やお知らせを足すときも既存ページに触れずに済みます。
【ステップ3】掲載する情報と原稿の素材を集める
生成に入る前に、会社にしかない情報を手元に揃えます。
AIエージェントが書けるのは、渡した情報の言い換えと一般論までです。素材がないまま原稿を書かせると、どの会社にも当てはまる文章が並び、競合と区別がつかないサイトになります。
会社概要、沿革、取引実績、サービスの料金と納期、担当者の経歴、既存顧客の声を1つのフォルダにまとめてください。既存サイトがあるなら、その文章もそのまま素材として渡します。
素材が揃っているほど生成の初稿が使える水準に近づき、修正の往復が減ります。
【ステップ4】デザインとコードを生成させる
ここで初めてAIエージェントに実装を指示します。ポイントは、全ページを一度に作らせず1ページずつ確定させることです。
複数ページをまとめて生成させると、フォントサイズや余白がページごとにずれ、サイト全体で見たときにちぐはぐな仕上がりになります。実際にClaude Codeでコーポレートサイトをリニューアルしたタレンタルも、ページ単体では問題ないのに全体のトンマナがずれた点をつまずきとして挙げています。
まずトップページを完成させ、確定したデザインを基準として指定しながら下層ページを作らせてください。参考サイトのURLを渡すだけでは意図が伝わらないため、色・フォント・余白を文章で指定します。
基準となる1ページがあると、ページ数が増えてもデザインの統一を保てます。
【ステップ5】CMSと問い合わせ導線を組み込む
見た目が固まったら、公開後に自社で更新する部分と成果につながる導線を組み込みます。
更新の仕組みがないサイトは、お知らせ1本の追加でもAIエージェントを開く必要が出てきます。担当者が代わった瞬間に更新が止まるため、管理画面から触れる範囲を先に決めておきます。
対話型サイトビルダーであればCMS機能が標準で備わっています。コーディングエージェントで作る場合は、お知らせや実績の管理先を外部サービスに置く構成が扱いやすく、タレンタルはNotionのデータベースと連携させています。
問い合わせフォームは送信テストまで行い、迷惑メール判定で届かない事態を防いでください。
【ステップ6】表示速度とSEO設定を整える
公開前に、検索経由の流入を取るための最低限の設定を入れます。
AIエージェントは指示しない限りタイトルタグや説明文を機械的な内容のまま残します。設定が抜けたまま公開すると、検索結果に表示されても内容が伝わらず、クリックされません。
各ページのタイトルタグ、メタディスクリプション、見出し構造、画像の代替テキスト、サイトマップの送信を1ページずつ確認します。生成された画像は容量が大きいことが多いため、圧縮も指示してください。
この工程を通すかどうかで、公開後に検索流入が積み上がるかが分かれます。
【ステップ7】ドメインを設定して公開する
最後にドメインを向け替えて公開します。このステップは人が手を動かす前提で進めてください。
DNSの設定変更は、間違えると既存サイトやメールまで止まります。タレンタルはリニューアル時にDNSの設定を誤り、既存サイトを一時的に表示できない状態にしています。
既存サイトからの切り替えでは、旧URLから新URLへのリダイレクト設計もあわせて必要です。ページ構成を変えた場合は、旧ページごとに転送先を決めた一覧を作ってから作業します。
切り替え作業を人が握っておけば、公開当日に事業側へ影響を出さずに済みます。
サイト制作に使えるAIエージェントのおすすめ10選
サイト制作に使えるAIエージェントを、タイプ別に10個紹介します。
| ツール | タイプ | 料金 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| ロリポップ!AIホームページ | 対話型サイトビルダー | 月額660円〜(税込・12か月契約) | 対話だけで公開と更新まで完結させたい |
| Wix AIサイトビルダー | 対話型サイトビルダー | 無料プランあり | 予約や決済などの機能を後から足したい |
| STUDIO | 対話型サイトビルダー | 月額590円〜 | 日本語のデザインを細かく詰めたい |
| 10Web | 対話型サイトビルダー | 月10ドル〜 | 既存のWordPressサイトを引き継ぎたい |
| Lovable | コーディングエージェント | 無料プランあり | フォームやデータベースまで必要 |
| v0 | コーディングエージェント | 無料プランあり、Plusは月30ドル | Vercelでそのまま運用したい |
| Bolt.new | コーディングエージェント | 無料プランあり、Proは月25ドル | ブラウザだけで複数ページを組みたい |
| Claude Code | コーディングエージェント | Claude Proは月20ドル〜 | 既存サイトのコードを直接直したい |
| Cursor | コーディングエージェント | 無料プランあり、Individualは月20ドル | 差分を確認しながら実装したい |
| Manus | 汎用エージェント | 無料プランあり、Basicは月19ドル | 調査と原稿づくりも任せたい |
料金は2026年9月時点の各社公式サイトの表記に基づきます。ドル建ての料金は現地通貨表記のままです。
タイプの違いを踏まえずに知名度だけで選ぶと、必要な機能が作れないまま契約だけが残ります。
ロリポップ!AIホームページは対話だけで公開まで完結できる
ロリポップ!AIホームページ byGMOペパボは、サーバー契約なしでサイトの生成から公開までを行えるサービスです。
2026年4月に「ロリポップ!AIサイトエージェント」として提供が始まり、同年7月30日に現在の名称へ変更されました。サイトの目的や強みを伝えると、構成・デザイン・コンテンツが生成され、そのまま公開できます。
料金は契約期間が長いほど下がり、12か月契約で月額660円(税込)、36か月契約で月額550円(税込)です。長期プランにはムームードメインの独自ドメインが1年間無料になるクーポンが付きます。
>料金プランの詳細はこちらから
公開後もAIとの対話で更新できるため、更新のたびに外注する運用から抜け出せます。
Wix AIサイトビルダーは多機能なテンプレートを流用できる
Wix AIサイトビルダーは、予約・決済・会員管理といった機能を後から追加できる点が強みです。
質問に答えるとAIがデザインと文章を生成し、モバイル表示まで自動で調整します。生成後は、Wixが用意する多数のアプリから必要な機能を選んで組み込めます。
無料プランでもAIによる生成を試せるため、独自ドメインで公開する前に仕上がりを確認できます。日本語のUIに対応しており、社内で操作を引き継ぐ際の説明も短く済みます。
サイト公開のあとに予約受付や物販を始める予定があるなら、作り直さずに機能を足していけます。
STUDIOは日本語のデザイン調整を細かく詰められる
STUDIOは日本発のWebデザインツールで、日本語フォントと余白の調整をノーコードで詰められる点が特徴です。
AIによる生成に加えて、生成後の要素を1つずつ動かせる編集画面を備えています。海外製ツールで起こりがちな和文の詰まりや改行位置の不自然さを、公開前に手で直せます。
独自ドメインで公開できるプランは月額590円から用意されており、CMS機能を含むプランへ後から切り替えられます。
>料金プランの詳細はこちらから
ブランドの見え方に責任を持つ立場であれば、生成物をそのまま出さずに調整できる余地が効いてきます。
10Webは既存のWordPressサイトを引き継げる
10Webは、生成物がWordPressサイトとして出力されるAIビルダーです。
既存サイトのURLを渡して作り直させる機能があり、WordPressで運用してきた会社が構成を引き継ぎながら刷新できます。出力先が標準のWordPressのため、既存のプラグインや社内の運用ルールも流用できます。
料金はAI Starterが月10ドル、AI Premiumが月15ドル、AI Ultimateが月22.50ドルで、いずれも年払いで割引が適用されます。ホスティングが含まれるため、サーバーを別に契約する必要はありません。
WordPressの資産を捨てずに刷新できるため、社内の反対が出にくい選択肢です。
Lovableは問い合わせフォームやデータベースまで生成できる
Lovableは、画面だけでなく裏側のデータ処理まで作れるコーディングエージェントです。
自然言語の指示から、フロントエンドに加えてデータベース・認証・決済を含む構成を生成します。資料請求フォームの内容を蓄積したい場合や、会員向けページを設けたい場合に向いています。
無料で利用を始められ、1日5回・月30回までのビルドクレジットが付与されます。生成したコードはGitHubへ書き出せるため、あとから制作会社に引き継ぐ選択肢も残せます。
問い合わせを受けるだけで終わらないサイトを作れると、営業側で使える情報が自動でたまります。
v0はVercelへそのままデプロイできる
v0はVercelが提供するツールで、生成から公開までを同じ事業者のサービス内で完結できます。
指示に対して複数のデザイン案を出し、選んだ案をコンポーネント単位で調整できます。表示速度に強いホスティングと組み合わせられるため、公開後の表示性能を確保しやすい構成です。
無料プランでも月5ドル相当のクレジットで試せます。有料プランはPlusが1ユーザーあたり月30ドル、Businessが月100ドルです。
>料金プランの詳細はこちらから
デプロイ先の選定で止まらずに済むため、公開までの意思決定が1つ減ります。
Bolt.newはブラウザだけで複数ページを組める
Bolt.newは、環境構築なしでブラウザ上だけで開発から公開まで進められるツールです。
ソフトのインストールが不要なため、社内のPCに開発環境を入れられない環境でも試せます。複数ページを持つサイトの構成にも対応し、生成結果をその場でプレビューしながら直せます。
無料プランは1日30万トークン・月100万トークンまで利用でき、Proは月25ドル、Teamsは1人あたり月30ドルです。トークンを使い切ると生成が止まるため、試作の段階で消費量を把握しておいてください。
情シスの申請を通さずに検証を始められると、社内提案までの時間を短くできます。
Claude Codeは既存サイトのコードを直接改修できる
Claude CodeはAnthropicが提供するコーディングエージェントで、手元にあるサイトのファイル群をそのまま読んで直せます。
新規作成だけでなく、既存サイトの改修に強い点が特徴です。複数ファイルにまたがる修正や、旧環境から新環境への移行作業を、指示を出しながら進められます。
個人向けではClaude ProとClaude Maxで利用でき、Proは月20ドル、年払いでは月17ドル相当です。無料プランには含まれません。
>料金プランの詳細はこちらから
既存サイトを作り直さずに手を入れられるため、これまで積み上げた検索評価を保てます。
Cursorは差分を確認しながら実装できる
Cursorは、AIが変更した箇所を1行ずつ確認して採否を決められるエディタです。
変更前と変更後を並べて表示するため、意図しない書き換えをその場で止められます。コードを完全には読めない担当者でも、変更範囲の大きさから危うい修正に気づけます。
Hobbyプランは無料で、Individualが月20ドル、Teamsが1ユーザーあたり月40ドルです。デザインカンプがある場合は、Figmaと連携させて意図を正確に伝えられます。
>料金プランの詳細はこちらから
変更の中身を確認しながら進められると、公開後に原因不明の不具合を抱え込まずに済みます。
Manusは調査から原稿づくりまでまとめて任せられる
Manusは、指示を渡すと調査から成果物の作成までを自走する汎用エージェントです。
競合サイトの掲載項目の洗い出し、自社の強みの整理、各ページの原稿づくりを一続きで任せられます。サイト制作で滞りやすい前工程を短縮できる点が実務上の価値です。
無料プランでは毎日300クレジットが付与され、有料プランはBasicが月19ドル、Plusが月39ドル、Proが月199ドルです。
>料金プランの詳細はこちらから
原稿が揃っていれば、ビルダーやコーディングエージェントに渡したあとの修正が大幅に減ります。
AIエージェントにサイト制作を指示するプロンプトの型
サイト制作の指示は、以下の4つの型に分けると精度が上がります。
- ページ構成を決めさせる指示
- トンマナを固定する指示
- 各ページのコピーを出させる指示
- 既存ページを壊さず直させる指示
「かっこいいサイトを作って」と伝えるだけでは、どのツールでも似た仕上がりに収束します。
【サイト設計】ページ構成を決めさせる指示
設計の指示では、読者と目的を先に渡してからページ一覧を出させます。
目的を伝えずにページ一覧を求めると、業種のテンプレートどおりの構成が返ってきます。誰に何をしてほしいかを添えると、優先すべきページと不要なページの判断が入ります。
あなたはBtoB企業のWebディレクターです。 以下の条件でコーポレートサイトのページ構成案を作ってください。 【事業内容】(自社の事業を3行で記載) 【想定読者】(例:製造業の生産管理部門の課長) 【サイトの目的】(例:月10件の問い合わせ獲得) 出力形式: ・第1階層と第2階層のページ一覧を表で出す ・各ページに「役割」「想定読者の状態」「置くべき情報」を書く ・優先度を高・中・低で付け、低のページは理由も書く
優先度まで出させると、初回公開に含めるページを社内で決めやすくなります。
【デザイン】トンマナを固定する指示
デザインの指示では、参考URLを渡すのではなく数値と単語で条件を書きます。
参考URLだけを渡しても、何をどう参考にすべきかまでは伝わりません。タレンタルもリニューアルの振り返りでこの点を課題に挙げています。色コードや余白の値を明示すれば、ページ間のばらつきを抑えられます。
以下のデザイン条件を全ページ共通のルールとして守ってください。 【カラー】メイン #1A3A6B / アクセント #E8721C / 背景 #FFFFFF 【フォント】和文はNoto Sans JP、英数字はInter 【文字サイズ】本文16px、H2は28px、H3は20px 【余白】セクション間は80px、要素間は24px 【印象】誠実・堅実。装飾は最小限にする このルールから外れる提案をする場合は、実装前に理由を提示してください。
ルールを文章で残しておくと、担当者が代わっても同じ基準で追加ページを作れます。
【原稿】各ページのコピーを出させる指示
原稿の指示では、手元の素材を渡したうえで書ける範囲を限定します。
素材を渡さずに書かせると、実績や数値を推測で埋めた文章が出てきます。公開後に事実と違う記載が見つかると、信頼を落とすうえに修正の手間もかかります。
添付した会社資料の範囲だけを使って、サービス紹介ページの原稿を書いてください。 【制約】 ・資料にない実績、数値、社名は書かない ・情報が足りない箇所は「要確認」と明記して空欄にする ・1文は60文字以内、専門用語には短い説明を付ける 【構成】 見出しごとに「見出し案」「本文」「この見出しで読者に伝えたいこと」を出す
不足箇所を明示させると、社内で確認すべき項目がそのまま一覧になります。
【改修】既存ページを壊さず直させる指示
改修の指示では、触ってよい範囲を明示してから作業させます。
公開中のサイトに手を入れるとき、範囲を限定しないとAIエージェントが関係のないファイルまで書き換えます。1か所の修正のつもりが全ページの表示崩れにつながる事故は、指示の書き方で防げます。
サービス紹介ページの料金表だけを修正してください。 【変更内容】(新しい料金と適用開始日を記載) 【制約】 ・指定したページ以外のファイルは変更しない ・共通のCSSとレイアウトファイルには触らない ・変更するファイル名と変更箇所を先に提示し、承認を得てから実行する ・作業後、変更したファイルの一覧を出す
事前に変更範囲を提示させる運用にすれば、公開中のサイトでも安心して修正を任せられます。
AIエージェントのサイト制作費用と外注との違い
費用の比較は、以下の3点で整理します。
- ツール利用料の相場
- 制作会社に外注した場合の相場
- 内製と外注を使い分ける判断基準
金額だけを比べると、社内の工数を計算に入れ忘れて判断を誤ります。
ツール利用料の相場
AIエージェントでサイトを作る場合、ツール利用料は月額1,000円台から3,000円台に収まります。
対話型サイトビルダーは月額550円から2,000円程度、コーディングエージェントは月20ドルから30ドルが中心です。ホスティング費用はビルダー型なら料金に含まれ、コーディングエージェント型では無料枠のある事業者を選べます。
ただし、実際にかかるのは利用料だけではありません。要件を整理し、生成物を確認し、公開作業を行う社内の時間が加わります。担当者の稼働を1日あたりで換算して、合計額で見てください。
金額と工数を分けて出しておくと、稟議で「安いが誰がやるのか」と問われたときに答えられます。
制作会社に外注した場合の相場
制作会社に依頼した場合、費用はページ数と機能でおおむね決まります。
| 規模 | ページ数 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 小規模 | 5〜15ページ | 30万〜100万円 |
| 中規模 | 15〜50ページ | 80万〜300万円 |
| 大規模 | 50ページ以上 | 200万〜1,000万円以上 |
参考:コーポレートサイト制作の費用相場と依頼先の選び方(シカリ)
金額の大半は人件費のため、同じ成果物でも依頼先の規模によって数倍の差が出ます。予約システムや会員管理を含める場合は、システム構築費が別途加わります。
この相場を把握しておけば、届いた見積もりが妥当かを自分で判断できます。
内製と外注を使い分ける判断基準
判断の基準は、そのサイトが売上に直結するかどうかです。
会社概要や採用情報のように、情報が正確に載っていれば役割を果たすサイトは内製に向きます。生成の速さがそのまま公開の速さになり、更新も自社で回せます。
一方、ブランドの世界観そのものが競争力になるサイトや、基幹システムと連携するサイトは外注が向きます。要件定義と設計の難度が高く、AIエージェントの得意な範囲から外れるためです。
両者を分けて考えると、限られた制作予算を成果に直結するサイトへ集中させられます。
AIエージェントで作ったサイトの公開前チェック項目
公開前に確認すべき項目は、以下の4点です。
- 表示速度とモバイル対応
- SEOの基本設定
- フォームとセキュリティ
- 生成物の権利と表記
いずれもAIエージェントが指示なしでは埋めない箇所で、公開後に気づくと修正コストが跳ね上がります。
表示速度とモバイル対応
最初に確認するのは、スマートフォンでの表示速度と崩れの有無です。
AIが生成した画像は容量が大きくなりがちで、そのまま載せると読み込みに時間がかかります。表示に待たされたユーザーは内容を見る前に離脱します。
PageSpeed Insightsで各ページを計測し、指摘された画像を圧縮してください。あわせて実機のスマートフォンで全ページを開き、文字の重なりや横スクロールの発生を目で確認します。
公開前に潰しておけば、広告や名刺でURLを配ったあとに慌てずに済みます。
SEOの基本設定
検索から流入を得るには、ページごとに固有のタイトルタグと説明文が入っている状態が必要です。
生成直後は、全ページのタイトルが会社名だけになっていることが珍しくありません。この状態では検索結果でページの違いが伝わらず、クリックされません。
各ページのタイトルタグ、メタディスクリプション、見出しの階層、画像の代替テキストを1ページずつ埋めます。公開後はSearch Consoleにサイトマップを送信し、登録状況を確認してください。
設定を通しておくと、公開直後から検索経由の流入が積み上がり始めます。
フォームとセキュリティ
問い合わせフォームは、実際に送信して受信までを確認します。
フォームが動いているように見えても、送信メールが迷惑メールに振り分けられて届かない事例が起こります。届かないまま数週間が過ぎると、その間の商談機会を失います。
自社宛てとフリーメール宛ての両方でテスト送信を行い、受信を確認してください。あわせて、スパム送信対策とSSLの有効化、個人情報の取り扱いに関する記載も済ませます。
受信まで確認しておけば、サイト経由の反応がゼロでも原因を切り分けられます。
生成物の権利と表記
公開前に、掲載する画像とフォントの利用条件を確認します。
AIが生成した画像やツールに含まれる素材は、商用利用の条件がサービスごとに異なります。条件を確認しないまま公開すると、あとから差し替えを求められる場合があります。
各ツールの利用規約で商用利用の可否を確認し、既存の著作物に似た生成物は使用を避けてください。文化庁はAIと著作権の考え方を公開しており、判断の出発点として参照できます。
>AIと著作権についてはこちらから
権利の確認を済ませておけば、公開後に法務から差し戻される事態を防げます。
AIエージェントでサイトを更新・運用する仕組み
公開後の運用は、以下の4つに分けて仕組み化します。
- ページ追加とお知らせ更新の自動化
- 既存ページの改修
- アクセス解析にもとづく改善
- バックアップと定期メンテナンス
公開して終わりにすると、半年後には情報が古いまま放置されたサイトが残ります。
ページ追加とお知らせ更新の自動化
更新の運用は、AIエージェントを開かずに済む導線を作るところから始めます。
お知らせ1本の追加にツールの操作が必要だと、扱える人が限られて更新が止まります。頻繁に変わる情報は、管理画面や外部サービスから編集できる形にしておきます。
対話型サイトビルダーはCMS機能を備えています。コーディングエージェントで作った場合は、お知らせや実績の管理をNotionなどのデータベースに置き、サイト側で読み込む構成が扱いやすい方法です。
広報や営業が自分で更新できる状態にすると、情報の鮮度を保つ負担が1人に集中しません。
既存ページの改修
デザインや構成に関わる改修は、変更前の状態を戻せるようにしてから着手します。
公開中のサイトに手を入れる作業は、失敗すると事業に影響します。戻せる状態を用意していないと、修正のたびに実行をためらうことになります。
コーディングエージェントを使う場合は、GitHubなどでバージョンを管理し、変更を分けて記録してください。ビルダー型では、サービスが備える履歴機能から復元できる範囲を先に確認しておきます。
いつでも戻せる状態であれば、改善案を試す回数そのものを増やせます。
アクセス解析にもとづく改善
改善の判断は、公開後に取得した自社の数値で行います。
AIエージェントは改善案をいくらでも出しますが、どの案が自社に効くかは判断できません。数値の裏付けがないまま修正を重ねると、変更した理由を説明できなくなります。
Google AnalyticsとSearch Consoleを設置し、ページごとの閲覧数、離脱、検索クエリを月次で確認してください。数値をエージェントに渡せば、どのページから直すかの優先順位を整理させられます。
数値をもとに直す運用に切り替えると、改修の効果を社内に報告できます。
バックアップと定期メンテナンス
運用の土台として、バックアップの取得先と頻度を先に決めます。
AIエージェントで作ったサイトも、更新を重ねるほど不具合の混入リスクが上がります。バックアップがないと、原因の特定に時間を取られている間もサイトが不完全なまま公開され続けます。
WordPressを使う構成ではプラグインやサーバー機能で自動取得を設定します。あわせて、ドメインとSSLの更新期限、リンク切れの確認を年間の予定表に入れてください。
維持の作業を予定に組み込んでおけば、担当者が代わってもサイトが止まりません。
AIエージェントのサイト制作で起こりやすい失敗
実際の制作でよく起こる失敗は、以下の4つです。
- 生成されたまま公開して情報が薄くなる
- ページが増えるほどデザインが崩れる
- 生成コードを社内の誰も保守できなくなる
- 公開後の更新が止まる
いずれも着手前に手を打てるもので、知らずに進めると公開後に作り直しが必要になります。
生成されたまま公開して情報が薄くなる
もっとも多い失敗は、生成された文章に自社の情報を足さずに公開することです。
AIエージェントは、渡された情報が少ないほど一般論で穴を埋めます。その結果、業種は合っているのに他社と入れ替えても成立する文章が並びます。
対策は、ステップ3で素材を揃えてから生成に入ることです。原稿を出させるときに「資料にない実績や数値は書かない」と制約を付け、不足箇所を明示させてから社内で埋めてください。
自社にしか書けない情報が載っていれば、検索でも比較検討でも選ばれる理由が生まれます。
ページが増えるほどデザインが崩れる
2つ目は、ページごとにフォントサイズや余白がずれていく失敗です。
1ページずつ生成を重ねると、AIは前のページの設定を厳密には引き継ぎません。単体では整って見えても、サイト全体を通して見たときに統一感を失います。
タレンタルもこの点をリニューアルの反省として挙げています。防ぐには、色・フォント・余白の値を文章のルールとして固定し、ページを作るたびに同じルールを渡してください。
ルールが残っていれば、あとから追加するページも同じ品質で揃えられます。
生成コードを社内の誰も保守できなくなる
3つ目は、作った本人以外に構成を説明できる人がいなくなる失敗です。
コーディングエージェントは短時間で大量のファイルを生成します。担当者が異動すると、どこに何が書かれているかがわからず、小さな修正のために作り直す判断になりがちです。
対策は、使った技術構成・デプロイ手順・更新方法を1枚のドキュメントに残すことです。この文書自体もAIエージェントに書かせられます。社内にコードを扱える人がいない場合は、ビルダー型を選ぶ判断も有効です。
引き継ぎ資料があれば、外部に依頼する場合でも見積もりが安く済みます。
公開後の更新が止まる
4つ目は、公開を目的にしてしまい運用の担当を決めていない失敗です。
制作が速く終わるほど、公開した時点で達成感が生まれます。運用の担当と頻度を決めないまま解散すると、数か月で情報が古いサイトになります。
公開前に、お知らせの更新頻度、実績の追加ルール、月次で数値を見る担当を決めてください。更新作業を管理画面から行える形にしておけば、担当を広報や営業へ渡せます。
運用が続く前提で作れば、制作にかけた工数がそのまま資産として残ります。
AIエージェントをサイト制作に活用した企業事例
自社サイトをAIエージェントで作った企業の事例を3つ紹介します。
- タレンタルがコーポレートサイトを2日で刷新した事例
- ShareWisがWordPressから静的サイトへ移行した事例
- LIGがデザインカンプから実装を内製した事例
いずれも自社で公開している記録のため、うまくいった点と失敗した点の両方を確認できます。
タレンタルがコーポレートサイトを2日で刷新した事例
タレンタルは、やると決めてから公開まで2日でコーポレートサイトをリニューアルしています。
実装にClaude Codeを使い、Astroで構築してVercel CLIでデプロイする構成です。タレントデータベースの集計をNotionと連携させ、サイト上に表示する動的な機能まで実装しています。
一方で、ページ全体のトンマナのずれ、DNS設定の誤りによる既存サイトの一時的な表示不能、旧ブログ画像のパスエラーが起きています。DNS設定、SEOとアクセシビリティの確認、リダイレクト設計は人が担当しました。
>リニューアルの振り返りはこちらから
短期間での刷新が可能な一方、公開作業を人が握る必要があることがわかる事例です。
ShareWisは、AIで管理しやすい構成へ移行することを前提にサイトを作り直しています。
2026年4月22日のリニューアルで、WordPressとAWS Lightsailの構成を見直しました。移行先はAstroとCloudflare Pagesの構成です。更新頻度が高いのはお知らせだけという実態に対してWordPressが過剰だと判断した結果です。
制作ではClaude Designで方向性を固め、Claude Codeで仕上げる分担を取っています。日本語フォントの扱い、白背景に白文字が出る問題、改行位置、和文と英文のバランスは調整に手間がかかったと記録されています。
>リニューアルの記録はこちらから
更新の実態に合わせて構成を選び直せば、サーバー費用と運用負担の両方を下げられます。
LIGがデザインカンプから実装を内製した事例
Web制作会社のLIGは、実装経験のないメンバーがClaude Codeだけで公開まで到達しています。
デザイナーが作成したデザインカンプをもとに、デザイン修正とアニメーション調整を含めて約2週間で公開しました。実装前に方針をすり合わせるモードを使い、指示をファイルに分けて段階的に渡す進め方を取っています。
Figmaと連携させ、選択した部分を指定して修正を依頼する運用も採用しました。アニメーションの質感や余白の細部は人が繰り返し調整しています。
>実装の記録はこちらから
デザインが先に固まっていれば、実装の担い手を社内で広げられることを示す事例です。
AIエージェントのサイト制作に関するよくある質問
AIエージェントのサイト制作に関する質問は以下の5つです。
- 無料でどこまでサイトを作れるか
- AIで作ったサイトはSEOで評価されるか
- ECサイトもAIエージェントで作れるか
- 制作会社に頼む必要はなくなるか
- 社内の非公開情報を入力してよいか
質問に対する回答を確認して、着手前の判断材料にしてみてください。
無料でどこまでサイトを作れるか
生成と試作までは無料でも進められます。独自ドメインでの公開から有料になるのが一般的です。
Wix、Lovable、Bolt.new、Cursor、Manusには無料プランがあり、仕上がりの確認までは費用をかけずに行えます。ただし無料プランには生成回数やトークンの上限があり、サービス提供元の広告やサブドメインが表示される場合もあります。
まず無料枠で1ページ作り、社内で見せてから有料プランを検討する進め方が現実的です。
AIで作ったサイトはSEOで評価されるか
AIで作ったこと自体が理由で評価が下がることはありません。判断されるのは内容の質です。
Googleは、検索順位の操作を目的とした量産コンテンツを問題にしています。制作手段ではなく、独自性があり読者の役に立つ内容かどうかが評価の対象です。
自社の実績や料金など固有の情報を載せ、タイトルタグと見出し構造を整えれば、AIで作ったサイトでも検索流入は積み上がります。
ECサイトもAIエージェントで作れるか
作れますが、決済と在庫管理は既存のサービスに任せる構成が安全です。
決済まわりは、実装を誤ると金銭や個人情報に直接影響します。生成したコードで独自に組むより、実績のある決済サービスやECプラットフォームを組み込む方が確実です。
Wixのように決済機能を標準で備えるビルダーを使うか、商品紹介ページをAIエージェントで作り、購入導線を既存のECサイトへつなぐ形が扱いやすい方法です。
制作会社に頼む必要はなくなるか
なくなりません。依頼する範囲が実装から設計と品質管理へ移ります。
紹介した3社の事例でも、要件定義、デザインの方向性、公開作業、アクセシビリティの確認は人が担っています。AIエージェントが速いのは実装であり、判断そのものは代われません。
設計とレビューだけを制作会社に依頼し、実装を内製する分担にすれば、費用を抑えながら品質を保てます。
社内の非公開情報を入力してよいか
入力の可否は、使うツールの契約形態と社内規程で判断します。
入力データを学習に使うかどうかの扱いはサービスごとに異なります。法人向けプランでは学習に使わない設定を選べる場合があるため、利用規約とプランの条件を確認してください。
サイト制作で渡す情報は、公開予定の内容がほとんどです。未公表の商品情報や顧客の個人情報は渡さない運用にすれば、確認の負担も軽くなります。
出典・参考リンク
- AIとの対話でWebサイトを自動生成できる『ロリポップ!AIサイトエージェント』提供開始(GMOペパボ)
- 『ロリポップ!AIホームページ byGMOペパボ』長期利用プラン提供開始(GMOペパボ)
- 月額590円の個人向けプラン新設など、料金プラン改定のお知らせ(Studio)
- Pricing(10Web)
- Pricing(Lovable)
- Pricing(v0)
- Pricing(Bolt.new)
- Pricing(Claude)
- Pricing(Cursor)
- プランと料金(Manus)
- Claude Codeでコーポレートサイトをリニューアルしてみた振り返り(タレンタル)
- Claude Designでコーポレートサイトのリニューアルを行って気づいたこと(ShareWis)
- デザインカンプからClaude CodeだけでLPを実装してみた(LIG)
- コーポレートサイト制作の費用相場と依頼先の選び方(シカリ)
- AIと著作権について(文化庁)
AIエージェントはサイト制作の内製と更新速度を変える
AIエージェントを使えば、サイトマップの設計から原稿・実装・公開までを数日で進められます。対話型サイトビルダー、コーディングエージェント、汎用エージェントの3タイプから自社の要件に合うものを選び、要件定義と公開作業を人が担う分担が前提です。
まずはサイトの目的を1行で書き出し、無料枠のあるツールでトップページを1枚だけ作ってみてください。生成にかかった時間と修正にかかった時間を記録すれば、そのまま内製と外注を比べる社内提案の材料になります。
1枚目が形になると、次に出てくる課題は公開後に誰が更新を続けるかです。制作が速くなるほど、更新のルールと担当を決めていない組織ほど情報が古いまま放置されます。
AIエージェントを一度きりの制作で終わらせず、更新を回す体制まで設計することが、サイトを資産として育てる条件になります。



















