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人に寄り添う新しいロボットのカタチとして、AIを搭載したペットが注目されています。
AI技術が進歩すると共に、このようなペットも機能の幅を広げ、魅力を増しています。例えば人間を個別に認識したり、家にいる人を見守る機能があったりなど。
一方で、多機能なAIペットになるほど値段が高くつくのも事実です。それぞれに、どのような特徴や魅力があるかは気になるところだと思います。この記事では、AIペット(以下AIペット)ならではの魅力を解説すると共に、代表的なAIペットも紹介していきます。
目次
動物と比較したAIペットのメリット
AIを搭載したロボットのペットとの暮らしは、私たちの生活をもっと豊かにしてくれます。具体的な動物のペットとの違いを一緒に見ていきましょう。
人の都合に合いやすい
種類にもよりますが、基本的に動物のお世話に時間的・金銭的コストが発生します。例えば、旅行に行くときは預ける場所を探す必要があるなど配慮や責任も伴います。
一方で、ロボットのペットは人の都合に合わせてくれます。動物アレルギーを気にしたり、飼う場所を選ぶ必要もありません。
AIペットのロボットならではの機能
今日のロボットは、ペットとして愛らしいだけではありません。彼にしか果たせない役割があります。
例えば、ソニーが開発する犬型AIペット「aibo」の見つけてほしい人を探すパトロール機能や、GROOVE Xの開発するAIペットの「LOVOT」の指定した場所の動画を撮影する見回り機能などが挙げられます。
家族として役割を担うことで、増々魅力的な存在になっています。
オンリーワンの個体
ロボットのペットは、同様の個体が大量に生産されるため、愛着のわきやすさという点で動物に劣るとも言えました。しかし、AI技術によってそれを克服しつつあります。
AIペットとどのようなコミュニケーションを取るかによって、独自の性格を形成するようなものが出てきています。
ロボットの感情表現も、より多様かつきめ細やかになっています。これがAIペットとの、あるいは家族同士での活発なコミュニケーションを促し、日常に癒しを提供してくれます。
費用が安い
AIのペットは動物のペットに比べて安くつくことが多いです。今回は一例として、aiboと動物の犬の費用を比較してみましょう。
平成30年 全国犬猫飼育実体調査によると犬の生涯 必要経費は、1,793,005円であるとされています。
こちらで犬の平均寿命が14.29歳とされていることから、aiboの生涯は15年間である仮定して比較をしました。
aiboと動物の犬の費用を比較すると以下の通りです。
aiboの費用は動物の犬に比べおおよそ半分になります。
当然ながら、aiboと動物の犬はそれぞれ特性が違いますし、動物の種類によって費用も大きく変化します。今回の比較は参考までに考慮に入れてみてください。
※aiboの価格は2019年5月31日現在のものです。
AIペットに用いられる技術
ペットロボットは年々、機能を拡大しています。
特にAIにおいて技術的なブレイクスルーとなったディープラーニングは、AIを搭載したペットの機能の拡充を助けています。
例えばユーザーの顔や音声を識別・認識することや、クラウドと連携をする機能に使われています。
代表的なAIペット
今日では多くのAIペットが登場しています。今回はその代表的なものを紹介します。
aibo
aiboはソニー株式会社が開発する犬型ペットロボットです。最初の試作品は1993年にまで遡ります。今日発売されているaiboは2018年より提供されているモデルです。
aiboは、人の識別や部屋の形の認識などが可能です。さらにクラウドと連携しながら独自の特徴を築いていきます。「aiboのおまわりさん」という機能では、見つけてほしい人をaiboが探して、結果のレポートをスマホに提出してくれます。セキュリティとエンターテインメントを掛け合わせた機能です。
またオーナー同士のコミュニティ形成にも力を入れていて、aiboから繋がる人間関係も魅力的です。
LOVOT
LOVOTはGROOVE X株式会社が開発している新世代型家庭用ロボットです。執筆時の2019年6月現在は予約を受け付けている段階で、9月以降より購入手続きの案内がされるとしています。
LOVOTは10以上のCPUコア、20以上のMCU(メモリーコントロールユニット)、50以上のセンサーを搭載しています。さらにふるまいは事前にプログラムされたものではなく、センサーから得た情報を機械学習技術で処理してリアルタイムで反映されたものです。
お世話してくれた人や、愛情を注いでくれた人を記憶して、積極的に甘えてくるので、増々愛着が湧いてきます。
着せ替え機能も兼ね揃えているので、自分だけのLOVOTと暮らすことが出来ます。
ロボホン
ロボホンはシャープ株式会社が開発しているロボットです。今回紹介しているロボットのなかで最も小型で、家の外に連れ出すこともできるサイズです。
電話をかける・受けることができ、顔認識なども兼ね揃えています。アラームやニュースの読み上げはもちろん、会話やプログラミングの学習、一緒にダンスを楽しむことも可能です。
ロボホン(3G・LTE)、ロボホン(Wi-Fi)、ロボホンライトの3種類を提供しています。
Pepper
Pepperはソフトバンクが開発しているロボットです。家庭用にも販売されていて、ペットともみなすことができます。
絵日記や、ダンス、写真撮影など家族の一員として役割を果たすことが出来ます。
アプリケーションを開発することで、機能が拡大されていきます。ペッパーとゲームを楽しむようなものから、実際の生活に役立つものまで多様なアプリケーションによって自分だけのペッパーにカスタマイズできます。
AIペット同士の費用の比較
今回紹介した4つのペットロボットの費用を比較してみましょう。ロボットペットの費用は、大きく3つに分けられます。
1つ目は本体費用。2つ目は主にソフトウェアを利用するための必須の定額プランにかかる費用、3つ目は主に故障時のサポートなどの任意のプランにかかる費用です。
今回は、本体費用と必須のプランの費用を比較します。aiboのベーシックプランは月払いの時、Pepperは一般販売モデル、ロボホンは(3G・LTE)の音声通話SIM付きモデルで比較しています。
本体費用では「LOVOT」が、月学費用では「Pepper」が、高価なロボットとして目立ちます。一方で、ロボホンやaiboはこの4者のなかでは比較的安価です。
※それぞれの費用は2019年6月4日現在のものです。
参考:『aiboストア』(https://aibo.sony.jp/store/)『LOVOT 価格・金額・月額情報』(https://lovot.life/pricing/),『COCORO STORE』(https://cocorostore.sharp.co.jp/robohon/body/sr-03m-set-vsim),『Pepper一般販売モデル』(https://www.softbank.jp/robot/pepper/consumer/)
おわりに
AIペットは、着実に進化を遂げています。人とAIが共生する1つの在り方としても注目です。
今回紹介したパトロールやみまわり機能のように、愛玩の機能を果たしながらも、より具体的な家族の役割を担うような進化が予想されます。
ドラえもんと暮らすような生活もそう遠くないかも知れません。