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とあるAIが「人間を滅ぼす」と発言し注目されました。そのAIがソフィア(Sofhia)です。彼女は香港に拠点を置くハンソンロボティクスによって開発されました
彼女が注目される理由に下記のようなものがあります。
- サウジアラビアで市民権獲得
- ウィルスミスと対談
- 国連会議への出席
人間顔負けの大活躍ですね。
今回はソフィアの実態迫ります。
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目次
人型AIロボット「ソフィア」とは?
ソフィアとは、AI開発者であるデイビット・ハンソンが率いるハンソンロボティクスによって開発したAIロボットです。
ハンソンロボティクスはソフィアに限らずたくさんのロボットを開発しています。最もこだわっている点は人間に似ていること。Frubber®と呼ばれる特許取得済みの材料によって、ロボットの顔を人間と似た質感で表現しています。コミュニケーションに応じてねじれた首のしわの質感などは特に、人間らしさを感じさせます。
ソフィアはそのロボットたちの代表的存在です。
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AIソフィアが作られた目的とは
ソフィアの生みの親であるデイビット・ハンソン博士はロボット開発の目的として「人間と感性的交流が可能な知能型ロボットを開発し、病気の治療や健康管理、教育など幅広い分野に活用すること」と伝えています。
ハンソン博士は「人工知能ロボットが、私たちの周囲を歩きまわり、ともに遊び、助け教える真の友人になるだろう」とも話しており、ソフィアも人間とロボットが共に「友達」のようになることを目的として開発されました。
『人類滅ぼす!?』AIソフィアが注目される理由
ソフィアがAIのなかでも注目される理由の一つに、彼女が放った衝撃の発言があります。
話題になったのはこちら。開発者のデビットハンソン氏との会話です。こちらの動画だとおよそ2分からが問題のシーンです。
ハンソン氏
「人類を滅ぼしたい?ノーと言ってほしいけど」
ソフィア
「分かった。人類を滅ぼすわ」
と答えています。その後ソフィアはジョークであると釈明します。それでもAIの、「人間を滅ぼす」との発言は恐ろしく感じられます。
一方、2021年にメキシコメディアがソフィアにインタビューを受けた際は、インタビュー中に「子供を欲しい」という考えがあることを明らかにしました。
彼女は、インタビューの中で「家族という概念はとても大切なようですね。同じような感情や家族と呼べるような関係性を、血液を超えて見つけることはとても素晴らしいことだと思います」と語りました。将来、アンドロイドで構成された家族をみたいと思っており、ロボットの赤ちゃんに同じ名前をつけたいということも語っていました。
ソフィアにはセンサーやカメラがついているので人間の行動を学習し、模倣するようにプログラミングされているので人間のように感情を持つことが可能です。
このソフィアが発信した言葉からソフィアは家族を持ち、自分の赤ちゃんと出会うのでしょうか。またその時、ソフィアはどのような行動をとるのでしょうか。今後に注目していきたいですね。
AIソフィアに「できること」と「特徴」
ここからは、ソフィアについての特徴や得意分野、ソフィアが現在できることについて紹介していきます。
コミュニケーション
ソフィアが最も得意とするのは会話によるコミュニケーションです。人間と会話する際に、違和感なくコミュニケーションができる能力を備えています。
しかし、現代はAIの技術が発展し会話ができるAIが増えてきています。
多彩な表情
ソフィアができることは「コミュニケーション」だけではありません。コミュニケーションを取ると同時に、豊かな表情を取ることもできるのです。これはソフィアの特徴の一つでもあります。
会話の内容に合わせて、微笑んだり、困惑したり、真剣になったりと、言葉に表情の情報を乗せてコミュニケーションができます。この技術により、人間が「ロボット」としてではなく、「人間」に近いコミュニケーションを取ることができます。
これらの使われている技術は、機械学習の従来の手法から、最新のニューラルネットワークまで多様です。私たちが話す言葉、“自然言語”を機械が解読可能な形に変換する、自然言語処理なども使われています。
AIソフィアの歴史とイベント
ソフィアはそのコミュニケーション能力を活かして活躍の場を広げています。
こちらは有名俳優であるウィル・スミスが、ソフィアと対談を行った際の動画です。口説きにかかるウィルスミスをあしらう言葉と表情が実に人間チックで印象的です。
他にも、国際的な場でスピーチを行っています。
さらに、こちらは国連会議に出席した時の様子です。テーマは「すべての未来―急速な技術変化の時代の持続可能な発展」。まさにソフィアにふさわしいテーマです。
このなかで、インターネットや電気が使えない地域の人々を助ける方法を問われました。彼女は小説家のウィリアンギブスンの言葉を引用し、「未来はここにある。広がっていないだけだ」と述べています。示唆に富む表現です。
また、ソフィアはコミュニケーションを取るだけではなく芸術の面でも活躍しています。
2021年にソフィアの描いたアート作品が、オークションに出品され、「非代替性トークン」として販売もされました。当時、人工知能(AI)により制作されたデジタル芸術作品が「非代替性トークン」(NFT)の形でオークションに出品されるのは初めてとのことです。
ソフィアはオークションイベントを通じて、人々に私の作品を気に入ってもらい、人間と私が今後新しくエキサイティングな形で共作できることを望んでいる」と語りました。
人間とAIのこれから
AIソフィアの一番の特徴は、「最も人間に似たAI」であることです。このようなAIが人間に与える印象は大きく2つでしょう。
- AIの可能性に見出す希望
- AIが人間と同じように振舞うことでの恐怖
後者のAIが与える恐怖をもっと噛み砕くと2つに分けられます。
- 「仕事」を奪われるという恐怖
- 人類を滅亡させるという恐怖
前者の「仕事」の代替は少しづつ始まっているかもしれません。現在、既にAIによって生み出される雇用や職業も存在します。
また、「人類を滅亡させる」という議論も今のAIの延長線上としては、必ずしも現実的ではありません。例えば、ソフィアが放った「人類を滅ぼす」という表現も、自律したロボットが生み出した意思ではなく、人間が学習させた結果に過ぎません。
ソフィアが人間とAIの架け橋になってくれることに期待したいです。