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「DXって今までのIT化とどこが違うの?」 「DXをどう進めていけばいいか分からない。」 「DX推進の失敗パターン・成功のポイントは?」 |
このように、DXの本質・具体的にどう進めていけば良いのかについて詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
しかし、経済産業省が発表した『DXレポート』では、
「レガシーシステム(多額のランニングコストが必要な古いシステム)の刷新・DX化が2025年までに進まなければ日本は多額の技術的負債を抱え、グローバル競争に乗り遅れてしまう」
と懸念されています。
以上の理由から、企業としてもDXの目的を正しく把握し、「攻めのシステム刷新・IT投資」に方向転換する必要性が高まっています。
この記事では、今までのIT化とは違うDXの目的から今後参考にすべきDX成功・失敗例まで分かりやすく解説します!
【本記事はこんな人におすすめ】
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目次
今までのIT化とは違うDXの目的
DX(Digital Transformation)は、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念を指します。
これに対しIT化の目的は、「確立された産業のデジタル代替による作業の効率化・価値向上の実現」です。
従来のIT化に対しDX化では、社会や暮らし全体を便利にしていくため、今までの方針にとらわれないビジネスモデル変革・デジタル技術活用が求められます。上の図は従来の情報かとDX化の違いについて示したイメージ図です。
▼DXについて詳しく知りたい人はこちら
DXの重要性が高まっている理由
近年デジタル化が急速に進行し、普段生活している中でDXという言葉を耳にする機会も多いのではないでしょうか。以下はDXと検索された件数の推移を示した図です。
また、DXの重要性は経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」の中で言及されています。
レポートの概要は以下の通りです。
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今後DXに関する諸問題の顕在化を防ぐためには、既存のレガシーシステムの抜本的変革・業務自体の見直し・DX実現による新たなビジネスモデル創出が必要不可欠です。
DXが失敗する割合
DXはどれくらいの割合で失敗しているのでしょうか。コロナによりリモートワークが増えたことで、DXも増えたと考えている人も多いでしょう。しかし、実際はそうではありません。
DXの成功率は、2020年12月28日に発表された経済産業省の「DXレポート2(中間取りまとめ)」では3.1%、2020年12月14日に発表されたアビームコンサルティングの「日本企業のDX取り組み実態調査」では6.7%と、いずれの調査でも1桁台にすぎないことが報告されました。
このことから、日本の企業でDXに成功しているところは少なく、ほとんどの場合失敗していることがわかります。
DXを進めるうえでありがちな失敗パターン5選
ここからは、DXを進めるときによくある失敗パターンを3つ紹介します。
それぞれ解説していきます。
① 間違った組織変革
DX推進は情報技術に詳しい人々を集めるだけでは上手くいきません。ビジネスモデル・経営戦略を全社的な目線で考えプロジェクトを進める・外部委託の際の目利きが効くなどの力を持った人材の活用が重要です。
▶【DX人材】 6つの業種、4つのスキル、3つのマインドセットについてはこちらの記事で詳しく解説しています>>
② 持続的な取り組みでない
デジタル社会は流動性が高く、求められる取り組みは常に変化します。人々の生活の質を向上させ便利にしていくためには、価値を与え続けられる組織・技術を創造し続けなければいけません。
③ 効率性重視のプロジェクト
DX推進では社会や暮らし全体を便利にしていくため、今までの方針にとらわれないビジネスモデル変革・デジタル技術活用が求められます。
そのため一過性の効果・効率性を求めるのではなく、現状を大きく変化させる顧客満足度・ロイヤリティ向上のための戦略を考案→実現のためにDXを用いる思考への転換が重要です。
▶日本におけるDXの課題とその解決策についてはこちらで詳しく解説しています>>
④経営者層の理解
DX化をすることで、経営システムやビジネスモデルも変わっていきます。そのため、経営者層がDXを理解していることが非常に重要です。
経営者層の理解がなければ、DX化で必要とされる予算の分配をはじめ、人材確保や体制づくり、さらに各部署間の連携なども滞ってしまう可能性があります。
⑤業務の理解
また、経営者層がDXへの理解を深めるだけではDX本来の目的は達成できません。そのプロジェクトの具体的な目標や実施内容への理解を深め、全社的にDXに取り組むことが重要です。
DXの失敗事例
DXの失敗事例を4つ紹介します。
- 三越伊勢丹:米国発のソーシャルコマースサービス「FANCY(ファンシー)」への出店で失敗
- Ford 社:大規模な事業変革計画をリードする子会社のシリコンバレー設立に失敗
- P&G社:曖昧な目標設定で失敗
- セブン&アイ – セキュリティの甘さと戦略不足により失敗
それぞれ解説します。
①三越伊勢丹:米国発のソーシャルコマースサービス「FANCY(ファンシー)」への出店で失敗
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引用︰日経XTREND公式ホームページ「三越伊勢丹マーケDX失敗の教訓 課題解決型に“2つの落とし穴”」
②Ford 社:大規模な事業変革計画をリードする子会社のシリコンバレー設立に失敗
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引用︰DropBox公式ホームページ「DX推進をわかりやすく解説!成功事例・失敗事例・進め方までわかる」
③P&G社:曖昧な目標設定で失敗
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引用:【国内・海外】DX(デジタルトランスフォーメーション)事例集成功事例と失敗事例も掲載
④セブン&アイ – セキュリティの甘さと戦略不足により失敗
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引用:セブン&アイのDXはなぜ失敗したのか?3つのデジタル敗戦と学ぶべき教訓
DXを実現するための進め方
まず、IT利用による業務プロセスの変化が必要とされます。それまで紙で行っていた業務をITを活用してデジタル化することで、業務効率や品質の向上を測るものです。
そして、これまで紙の伝票や書類などで管理していたデータを各種業務システムによって管理しデジタル化することで、紙の保管場所の確保など管理コストの低減や社員の業務効率化を進めることが可能になります。
また、オンライン会議ツールなどコミュニケーションツールをデジタル化することで、遠隔地とのビデオ会議が可能になるなど、会議のために出社する必要がなくなるため、働き方の多様化を実現できます。
このように、目標をたて、それに向けてさまざまな業務をデジタル化することで働き方をよりよくしていくことがDXでは重要です。
▶《完全版》DXの進め方|参考にしたい3つの成功事例や推進のポイントも合わせて紹介>>
DXを進めるうえで重要なポイント3選
DXを進めるうえで重要なポイントは以下の3つです。
それぞれ解説していきます。
① 戦略的な目的策定
DX推進には戦略的な目的策定が必要不可欠です。「どういった不便さがあり、どのように改善・効果が見込めるか」というように、現状の問題をどうデジタル技術によって解決・人々のニーズを満たしていくかを逆算的に考えなければいけません。
▶DX推進時のロードマップ作成法|実用的なフレームワークも紹介>>
② 現状のレガシーシステムを分析・評価し全体像を把握
システム刷新を含めた環境整備には、情報資産の「見える化」・評価指標の明確化が大切です。既存システムの把握・経営者が経営課題として問題を認識できれば現状改革の重要性に気付けると同時に、次のアクションを起こすきっかけになります。
③ コストやリスクを抑制しつつ、システムの刷新を実現
DX推進には、中長期的な期間・システムによっては数百億円単位の莫大なコストがかかります。このため、あらかじめ不要な機能を切り捨て、規模・複雑度の軽減を図る必要があります。
▶DX推進をするには?指標や課題・4つの企業事例をガイドラインに沿って解説>>
DXの成功事例
DXの成功事例を3つ紹介します。
それぞれ解説します。
①ゼブラ:3Dプリンタ導入で文具のサンプル制作時間短縮
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②日本郵便:ドローンを用いた荷物の配送
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引用︰キャッシュレス×DXマガジン公式ホームページ「デジタルトランスフォーメーション(DX)の成功事例15選と成功のポイント」
③大丸株式会社:データ分析基盤を構築
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まとめ
今回はDXの目的~ポイントから今後参考にすべきDX成功・失敗例まで解説しました!
DX推進を成功させるためには、効率性だけを優先させるのではなく目的策定を綿密にし、既存のビジネスモデルを根本から変化させる必要があります。
自社のシステム・ビジネスモデルの問題を把握し、戦略的にDXを進めましょう!
▶DXの進め方|参考にしたい3つの成功事例や推進のポイントも合わせて紹介>>
◇AINOWインターン生
◇Twitterでも発信しています。
◇AINOWでインターンをしながら、自分のブログも書いてライティングの勉強をしています。