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読者の中には、「DXとIoTの違いを知りたい…」と思っている方も多いのではないでしょうか?
DXとIoTの違いを理解できれば、
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といったメリットがあります。
そこで今回は、DXとIoTの違いを初心者の方でもわかりやすいように説明しつつ、IoTの機能やIoTを活用したDXの事例なども解説していきます。
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目次
DXとIoTの違い
まずは「DXとIoTの違いが分からない」という方に向けて、分かりやすいよう「DX」と「IoT」それぞれの意味を簡単に紹介します。
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このように両者の意味を比べると、DXとIoTの違いが理解できるはずです。
とはいえ、IoTとDXは全く無関係というわけではありません。IoTの導入は、新たなサービスや既存のサービス向上に繋がるからです。
つまり、IoTは「DXを実現する一つの手段」だと言えるでしょう。
▼DXについて詳しく知りたい方はこちら
DXとICTの違い
IoTに似た言葉として「ICT」があります。今回は、補足としてDXとICTの違いについても簡単に紹介します。
DXとICTの違いは、デジタル技術の「利用目的」がポイントです。
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ICTの活用場面は、パソコン・タブレットを使った学習システム(教育現場)や、独り暮らしの高齢者の状況を遠隔で把握できる高齢者見守りシステムなどが挙げられます。
このように、DXとICTはデジタル技術を活用する点は同じですが、その利用場面が異なるといえます。
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IoTの4つの機能と導入メリット
ここからは、IoTの機能について紹介していきます。IoTの主な機能は以下の4つです。
それぞれ導入メリットを踏まえながら解説していきます。
1.モノを操作する
IoTの代表的な機能が、離れた場所にあるモノを遠隔操作する機能です。
例えば、外出先からスマートフォンなどを通じて自宅のエアコンや照明などの家電を操作したり、ドアやシャッターを開閉したりできます。
そしてこの機能のポイントは、電源のオン・オフのような単純な動作だけでなく、エアコンの温度・風量の強弱など細かい設定まで調整できることです。
例にも挙げたように、「モノを操作する」機能は生活を便利にする目的で活用されるケースが多くあります。
2.モノや人の状態を知る
離れた場所にあるモノや人の状態を知る機能も、IoTを語るうえで不可欠な要素の1つです。
例えば、ウェアラブルのIoTデバイスを装着することで、人の健康状態(心拍数や呼吸・血圧・睡眠時間・姿勢など)をデータに残し、観察できます。
この機能により、体調の異変にすばやく気付き、医者への迅速な相談が可能なため、大きな病の防止につながる画期的な機能です。
そしてこの機能のポイントは、モノや人の状態を把握して“気付きを得られる”ことです。
また、利用頻度や利用時間などユーザーの情報を手に入れられるため、商品の改善や開発にもつながります。
3.モノの動きを検知する
IoTには、モノや人の動きから現在の状況を把握できる機能もあります。
例えば、電車やバスの運行状況や混雑状況を乗客がリアルタイムで把握できたり、建設現場で重機や建機が人を検知し、自動停止したりできます。
つまり、この機能により、モノや人の動きの重要な変化を見逃さず、現在の状況を推測して素早くアクションできるのです。
4.モノ同士で通信する
ネットワークを経由して、離れたモノ同士でデータを送受信できる機能です。
例えば、AIスピーカーとの連携により口頭の指示でお風呂にお湯を入れたり、エアコンや照明を点けたりできます。(スマートホーム)
また、信号機からのデータを自動車が受信することで自動的に速度を落とすといった取り組みも進められています。
IoTを活用したDXの事例3選
ここからは、IoTを活用した業界のDX事例を3つ紹介します。今回紹介するのは以下の3つです。
それぞれ具体的な活用事例も踏まえながら解説していきます。
物流業界の事例
物流業界でのIoT活用例は、入荷から出荷までの倉庫作業のプロセスと配送作業のプロセスの2つに分類できます。
まず倉庫作業の代表的なIoT活用例は、仕分け、棚入れ・棚卸し、ピッキング作業にロボティクスを応用したシステムの導入です。
例えば、Amazonの倉庫はインターネットからの注文に応じて、担当作業員の位置まで棚が自動で移動するシステムが導入されているため、人間が広い倉庫内を歩き回る必要がありません。(1.モノを操作するIoTの機能を活用)
このシステムにより、大量の注文を効率よくさばけるため、顧客の手元に素早く商品を届けるAmazonの強みを支えています。
次に、配送作業ではTMS(輸配送管理システム)にIoTを活用することで、最適な人材の配置や配車ルートの効率化といった配送現場の見える化に役立っています。(2.モノや人の状態を知るIoTの機能を活用)
具体的な活用事例|株式会社オプティマインド
PCやスマートフォンを通じて、配達開始・終了時刻や⾞両の積載量、荷物の容量などの情報を考慮した最適なルートが⾃動で提案されます。
そのため、配送ルート作成時間だけでなく、配送時間の短縮も期待できます。
交通業界の事例
近年は交通業界にもIoTが積極的に活用されています。
例えば、バス停にあるQRコードを読み込むとバスの運行状況をリアルタイムで把握できたり(3.モノの動きを検知する機能を活用)、タクシー配車アプリを使って自分の居場所まで簡単にタクシーを呼べたりします(2.モノや人の状態を知る機能を活用)。
具体的な活用事例|Uber
Uberは、スマートフォンで今いる場所にタクシーを呼べるサービスを提供する会社で、現在全世界80ヶ国以上200都市でサービスを展開しています。
このサービスは、
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などさまざまなメリットがあります。
農業の事例
近年、IoTを活用して農作業を効率化する「スマート農業」が注目されています。
特に2018年から政府も予算を設けてスマート農業の推進に本向けて本格的に動きだし、官民連携や産学連携によるサービスの開発なども進展しています。
例えば、ドローンによる土壌・生育状況・害虫などの情報収集、自動運転トラクター、センサー管理されたビニールハウスの導入などがあります。
3つ目のセンサー管理されたビニールハウスですが、この導入によりセンサーが感知した日射量や土壌の状態をもとに、水やり・肥料散布の最適なタイミングや量を算出し、自動化できます。
しかし、「スマート農業」は単なる農作業の効率化だけでなく後継者不足の解消にもつながるため、この分野でのIoT活用は非常に期待されています。
具体的な活用事例|株式会社クボタ
株式会社クボタは日本有数の農機メーカーとして有名ですが、スマート農業の推進にも力を入れています。
具体的には、2018年にトラクタ・田植機・コンバインの3機種でGPSを搭載した農機の製品化を実現し、自動運転・無人化農機の開発に取り組んでいます。
▶DXの成功事例はこちらの記事で30個まとめて詳しく解説しています>>
まとめ
今回は、DXとIoTの違いや事例などを初心者の方にもわかりやすく解説しました。
本記事でDXの基礎知識が理解できたら、DXの推進に向けてまずは自社のどんな課題をDXで解決したいのかを明確にしていきましょう。
▶DX推進とは?|指標や課題・企業事例をガイドラインに沿って解説した記事はこちら>>
◇AINOWインターン生
◇Twitterでも発信しています。
◇AINOWでインターンをしながら、自分のブログも書いてライティングの勉強をしています。