今回の記事では、マーケティングオートメーションツール、通称MAについて紹介します。マーケティングに関する業務を自動化したい、マーケティング施策を強化して売上を向上したいという方に、マーケティングオートメーションツールは最適なツールです。
マーケティングを自動化するツールについて知りたい方や、自社にあったマーケティングオートメーションツールを選定したい方に、機能や実際のツールを紹介します。
目次
マーケティングオートメーションツールとは
マーケティングオートメーションツールとは、マーケティングを自動で行う機械を指します。例えば、メルマガやECサイトで獲得した顧客情報を一つにまとめて管理したり、顧客一人ひとりの購買情報や個人情報に合ったアプローチをします。
従来であれば、顧客情報の管理やダイレクトメッセージなどによるアプローチは人の手で行われてきました。しかし、マーケティングオートメーションツールを導入すれば、それらの作業を自動で行ってくれるため、大幅にマーケティングにおける作業工数が減るのです。
マーケティングオートメーションツールの主な7つの機能
では、マーケティングオートメーションツールにはどのような機能があるのでしょうか。ここでは7つの機能を紹介します。
それぞれの機能について解説します。
①コンテンツ作成
1つ目の機能は、コンテンツ作成です。マーケティングにおけるコンテンツを自動で作成します。ここでは、マーケティングオートメーションツールで作成できるコンテンツの一例を紹介します。
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このように、自動でコンテンツを制作します。※制作できるコンテンツはツールによって異なります。
②シナリオ作成
2つ目の機能は、シナリオ作成です。マーケティングオートメーションツールにおけるシナリオとは、顧客がコンテンツに触れて購買に至るまでの購買行動を推定し、実現するための計画を指します。
ここでは、マーケティングオートメーションツールにおけるシナリオの例を紹介します。
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③コンテンツ配信
作成したコンテンツを自動配信する機能です。SNSやWebサイトなどのコンテンツで情報を発信します。
④リードスコアリング
顧客の購買状況や興味・関心度をサイトの閲覧時間や購入履歴によって、顧客をスコアリングする機能です。この機能により、顧客一人ひとりにあった情報提供が可能となります。
スコアリングで採点される基準は以下のようなものがあります。
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⑤リード管理
顧客の個人情報や、購買行動を管理します。見込み顧客の属性や情報は、社内の営業部門と共有して、新規リスト作成に役立てることも可能です。
⑥レポート作成
マーケティングオートメーションによる効果やサイト訪問者数、購買履歴などをレポートする機能です。これにより、マーケティングによる売上効果がわかります。レポートを社内間で共有すれば、企業全体でマーケティング施策に基づいた戦略が考案できます。
⑦他ツール連携
他のツールと連携すれば、従来使っていたツールのマーケティングを更に高められます。ツールによっては、他のツールと連携できるものもあります。
以下は、マーケティングオートメーションツールで連携できるツールの一例です。
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他のマーケティングツール
マーケティングオートメーションツールの他に、マーケティングに関係するツールを紹介します。
CRM
CRMは、顧客管理システムです。顧客情報を一元管理します。また、顧客をグループ分けしたり、分析したりします。
▶︎CRMの導入メリット・選定ポイントはこちらの記事で解説しています>>
SFA
SFAは、営業支援システムです。営業活動に関する情報を管理したり、売上予測・予実管理したりします。さらに、営業パーソンに関する予定を作成・管理したり、営業に関する見積書やレポートを作成できます。
▶︎SFAの導入目的についてこちらの記事で解説しています>>
▶︎SFAでできる7つの営業分析についてこちらの記事で解説しています>>
ABM
ABMはAccount Based Marketing(アカウントベースドマーケティング)の略で、マーケティングした企業に対して売上を狙うツールです。主に自社にとって価値の高い企業をターゲットとします。ABMは、主にBtoB企業(一般消費者ではなく、企業に対してサービスを提供する企業)が利用するマーケティングツールであり、特定の企業に対してアプローチするのが特徴です。
他のマーケティングツールと異なる機能
では、マーケティングオートメーションツールは他の企業となにが異なるのでしょうか。マーケティングオートメーションツール特有の機能を紹介します。
スコアリング機能
リード情報を採点するスコアリング機能は、マーケティングオートメーションツール特有の機能と言えます。この機能をもとに、後に説明する機能が成り立ちます。
メール文の作成・配信
メールマガジン作成などのメールマーケティングをしている企業が利用するマーケティングオートメーションツールの機能です。顧客情報に基づいたメールを自動送信することで、業務を効率化できます。
LPやフォームの作成機能
LPとは、ランディングページ(Landing Page)で、検索や広告のクリックなどを通して、コンテンツを訪れた人が最初に接触するページを指します。フォームは、顧客が情報を入力するページを指します。
マーケティングオートメーションツールでは、これらの作成が可能です。
マーケティングオートメーションの手法・3つのできること
マーケティングオートメーションツールを導入すればどのようなメリットがあるのでしょうか?マーケティングオートメーションツールを導入して得られる効果を3つ紹介します。
①顧客関係強化
1つ目は、顧客と企業の関係性を強化できることです。従来の手法であれば、顧客一人ひとりに最適なタイミングで最適なアプローチをするには手間がかかるものでした。しかし、マーケティングオートメーションツールを導入すれば、それらが自動で行われるため、必然的に顧客個人にあったアプローチができるのです。
それにより、顧客を取りこぼしたり、アプローチせずに終わったりすることがなくなり、顧客との関係が強化されます。
②眠っていた顧客を発掘
2つ目は、眠っていた顧客を発掘できることです。従来の手法であれば、顧客情報全てにアプローチすることは困難でした。それにより、随分前に入手した顧客にはアプローチできないという課題がありました。
しかし、マーケティングオートメーションツールによる顧客管理で、眠っていた顧客情報から再び顧客にアプローチできるようになりました。これによって、より多くの顧客にアプローチできます。
③営業コスト削減
3つ目は、営業コストの削減です。マーケティングオートメーションツールでの営業リスト作成により、質の高い営業リストが完成し、顧客に営業しやすくなります。
これにより、営業コストが削減できるのです。
▶︎営業DX成功のポイントや事例についてこちらの記事で解説しています>>
マーケティング施策で重視したい数値
マーケティングオートメーションツールを導入するだけでは、売上向上は見込めません。数値が向上しているかどうか計測して、マーケティングオートメーションによる効果を図りましょう。
ここでは、マーケティング施策で重視したいKPIとNPSについて紹介します。
主なKPI
KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、「重要業績評価指標」という意味です。事業目標を達成するに当たり必要となる数値です。KPIに設定すべき数値を5つ紹介します。
【1】CV(コンバージョン)数
CV(コンバージョン)とは、転換や成果を意味します。マーケティングでいうコンバージョンは、企業側が望む顧客の購買行動のことで、例えば、Webサイトに訪問したユーザーが会員登録したとか、広告を見たユーザーが商品をクリックしたなどを指します。
コンバージョン数とは、このように、会員登録数やクリック数などを指します。
【2】クリック数
CV数でも説明したとおり、クリック数はKPIの1つに設定されます。広告やバナー・ボタンのクリックは、Webやアプリ内で顧客が取る行動の中で、必須と言えます。
【3】開封数
メールの開封数も重要です。メールを送っても開封してもらわなければ、次の購買行動には繋がりません。
Constant Contact Incの調査によると、メルマガ開封率の平均は2020年9月時点で17.16%だそうです。
参考:Average Industry Rates for Email as of November 2020|Constant Contact Inc
【4】到達数
Webサイトや購入ページなどへの到達数です。企業からのDMやメルマガは、開封されるだけでなく、クリックされてサイトに到達されることが重要です。
【5】配信数
メールマガジンやDMなどの配信数です。これをベースとし、開封数やクリック数、到達数から割り出して数値を算出しましょう。
NPS(顧客における企業への信頼度)
NPSは、Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)の略で、顧客ロイヤルティ(顧客における企業への信頼度)を表します。
まず「この商品やサービスを知人や同僚にどれぐらい勧めたいですか?」という質問に対して0〜10で回答してもらい、以下のように分類します。
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「推奨者の割合(%)」から「批判者の割合(%)」を引いて、NPSを算出します。
マーケティングオートメーションツール導入が向いている組織
マーケティングオートメーションツールの導入が向いている企業と向いていない企業があります。
向いている企業の特徴は以下のような企業です。
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多くの顧客にアプローチできたり、コンテンツを制作できたりする点から以上のような企業にマーケティングオートメーションツールが推奨できます。
マーケティングオートメーションツール導入が向いていない組織
導入が向いていない企業は以下のような企業です。
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マーケティングオートメーションの失敗しない選び方
マーケティングオートメーションツールの需要が高まる中、ツールも多く出現しています。そのため、自社にあったツールを導入する失敗しない選び方を4つ紹介します。
①マーケティングの目標を定める
まずは、マーケティングオートメーションツールを通して改善したい数値を決めましょう。そのために現状で獲得できている数値や、獲得できていない数値を洗い出しましょう。
売上をどれくらい向上させ、そのためにはどのような施策や数値が必要なのか決まらないまま導入しては、充分な効果は得られません。
②リードを可視化できるか
獲得したリードをすぐに数値化できるツールであれば、目標到達度がすぐに計算できます。獲得したリードの見やすいツールを選定しましょう。
③営業との連携
営業部門やSFAツールと連携できれば、営業リストを作成できたり、営業も強化できます。情報が共有できたり、営業ツールと連携できるツールがおすすめです。
④費用・サポート体制
費用はあらかじめきめておき、見合ったプランを選定しましょう。
おすすめのマーケティングオートメーションツール10選
今回紹介するおすすめのマーケティングオートメーションツールは以下の10個です。
- Marketo Engage|5,000以上の導入実績
- SHANON MARKETING PLATFORM|顧客体験づくりをサポート
- SATORI|見込み顧客の獲得に繋がる
- b→dash|初心者でも操作しやすい
- Probance|顧客のニーズに応える
- Salesforce Pardot|リードの育成を支援
- Hubspot Marketing hub|マーケティングのツール・データを1つに集約
- Kairos3|営業活動を支援
- List Finder|上場企業でシェアNo.1
- Oracle Marketing Cloud|包括的な統合マーケティング・ソリューション
①Marketo Engage|5,000以上の導入実績
顧客の購買行動のデータを蓄積し、充実した標準機能や高度なアクションフローを組み合わせ、顧客体験を設計し、良好な関係の構築を推進します。全世界で5,000以上導入。BtoB BtoCや企業規模を問わず、あらゆる規模・業種の企業で幅広く採用されています。
こんな企業におすすめ
BtoB企業
世界で使われているツールを使いたい企業
②SHANON MARKETING PLATFORM|顧客体験づくりをサポート
リードの管理や施策の実施だけではなく、データにもとづいた最適な顧客体験づくりをサポートします。さらに、マーケティング目標も管理できるため、チームでマーケティングに取り組む軸となるシステムとして利用できます。
こんな企業におすすめ
チームでマーケティング施策に取り組みたい企業
参考:SHANON MARKETING PLATFORM公式ページ
③SATORI|見込み顧客の獲得に繋がる
特定の条件に該当したターゲットリードに直接アプローチして資料ダウンロードページへの誘導やフォームへの登録を促進でき、各種サイト誘導施策に加え、一般的な固定ページ上にフォームを置くことやページ内にバナー等のCTAエリアを設けられます。ポップアップを利用したフォームやバナーを設置することで、月間1,000件以上の実名リードを獲得しているという事例もあります。
こんな企業におすすめ
Webサイト施策を強化したい企業
参考:SATORI公式ページ
④b→dash|初心者でも操作しやすい
b→dashは、SQLを使わずにノーコードで、そしてAll in Oneで「データの取込・加工・統合・抽出・活用」を実現できるデータマーケティングクラウドシステムです。誰でも操作しやすいように画面が設計されています。
こんな企業におすすめ
導入初心者
参考:b→dash公式ページ
⑤Probance|顧客のニーズに応える
プロバンスは最適なタイミングでお客様にメッセージを届けるMAツールです。 プロバンスは、エンドユーザーのストレスを解消し、企業価値の向上と購入率アップ、休眠顧客の発掘などの成果向上をサポートします。
こんな企業におすすめ
BtoC企業
⑥Salesforce Pardot|リードの育成を支援
Pardotは、リードの生成・リードの育成・マーケティングROIの測定を支援します。Salesforceが提供する関連ツールとシームレスに連携してユーザーデータを活用できる点に強みがあります。
こんな企業におすすめ
BtoB企業
⑦Hubspot Marketing hub|マーケティングのツール・データを1つに集約
Marketing Hubなら、マーケティング関連のすべてのツールとデータを優れた1つのプラットフォームに集約できるため、自社の商品やサービスを必要としているオーディエンスを惹きつけて顧客を獲得できます。
こんな企業におすすめ
費用がかけられない企業(無料プランあり)
⑧Kairos3|営業活動を支援
商談につながりやすい顧客を抽出し、営業活動を支援するマーケティングオートメーション(MA)/SFAツールです。
こんな企業におすすめ
営業も強化したい企業
参考:Kairos3公式ページ
⑨List Finder|上場企業でシェアNo.1
国内で1,600アカウント以上の導入実績があり、上場企業で導入されている国産ツールではシェアNo.1を誇る、BtoB向けのマーケティングオートメーションです。
こんな企業におすすめ
BtoB企業
⑩Oracle Marketing Cloud|包括的な統合マーケティング・ソリューション
クロスチャネル・マーケティング・プログラムを立ち上げ、見込み客と顧客の全マーケティング・シグナルを1つのビューに統合する、最も包括的な統合マーケティング・ソリューションです。
デジタル・マーケティングに対する投資の効果を高め、優れたキャンペーンのパフォーマンスを通じてカスタマー・ロイヤルティを生み出し、重要なキャンペーンサイクル中にパフォーマンスに関するリアルタイムの意思決定を引き出すために役立ちます。
こんな企業におすすめ
大企業
参考:Oracle Marketing Cloud公式ページ
この記事で紹介したマーケティングオートメーションツールの比較
マーケティングオートメーションツールを活用して売上向上を狙いましょう
今回はマーケティングオートメーションツールを紹介しました。比較表を参考に、自社にあったマーケティングオートメーションツールを導入してみましょう。