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2022.06.20

ディープラーニング系将棋ソフトの基礎知識-従来の将棋ソフトとの違いを徹底解説

最終更新日:

将棋,ソフト

ディープラーニングを活用して将棋のソフトが開発されており、気になっている人も多いのではないでしょうか?AIが対戦でプロ棋士に勝ったこともあるので、将棋のソフトにはとても興味がありますよね。

従来のソフトとは何が違うのか?無料でも使えるソフトはあるのか?本記事を通して、知ってもらえたらと思います。

ディープラーニングを使った将棋ソフトとは?

種類としては、主に2つあります。

  • 対局するためのソフト
  • 記録をするソフト

対局するソフトでは、レベルを設定して対戦が可能になっていたり、分析機能が備わっているため、アドバイスを貰えます。

記録をするソフトは、年間で3,000局以上の対局を記録するために用いられています。記録係を担う人材を補う形で導入されました。天井にカメラを設置し、ディープラーニングを活用した画像認識の技術により、全ての駒を認識して記録しています。

以下の記事では、将棋で使われているAIについて解説しています。気になる方は、参考にしてください。

▶AIが棋力向上をサポート?将棋の世界で活躍するAIとは>>

▼ディープラーニングについて詳しくはこちら

ディープラーニング系将棋ソフトと従来の将棋ソフトとの違いは?

将棋ソフトは今までにも多く存在していました。が、従来の将棋ソフトとディープラーニング系将棋ソフトはどこが違うのでしょうか。

  1. 従来の将棋ソフトの特徴
  2. ディープラーニング系将棋ソフトの特徴

それぞれの特徴に注目して、解説していきます。

従来の将棋ソフトの特徴

AIの特徴として、人間の感情に左右されることはありません。人間は先行きが予想できなかったり、リスクが大きい手の場合は心理状態に大きく左右されます。

AIであれば、心理状態に左右されることなくデータに基づいた統計的な一手で、戦況が有利に展開されるように指すことができるのが特徴です。

従来の将棋ソフトは、できるだけ多くの局面を先読みして探索します。人間が理解できる特徴量を使用し、機械学習で点数をつける仕組みになっています。

ディープラーニング系将棋ソフトの特徴

これまでの将棋ソフトとは違い、あまり局面を調べることができません。1秒間で読める対局面の数が少ないのです。

しかし、ディープラーニング系将棋ソフトは、局面の評価の精度が非常に高いので、あまり局面数を読まなくても強いという特徴があります。

▶ディープラーニングができること・できないことを紹介!苦手分野は例外処理!>>

プロの棋士がディープラーニング系将棋ソフトで研究

渡辺明名人、ディープラーニング系将棋ソフトを導入

将棋の渡辺明名人は、一秒間に8000万手読むコンピュータを購入し、ディープラーニング系のソフトを導入し、研究を重ねています。

2007年にはコンピュータ将棋Bonanzaと戦った渡辺明名人は、より強い将棋AIを作る最善の研究手法を見つけるため、ディープラーニングを用いたソフトの購入を決意しました。

藤井聡太四冠、dlshogiと水匠を活用

藤井聡太四冠は、将棋の練習の際に水匠を使っていることを公言しました。

ただ、電竜戦(コンピュータ将棋の大会)でdishogiが優勝した後すぐに藤井聡太四冠がdlshogiも使い始めたようです。

どちらのアプリもかなり強いソフトになっているため、両方を使う選択は正しい考えだと言えます。

無料版はある?現在利用できる主なディープラーニング系将棋ソフト2つ

パソコン用の将棋用ソフトは多く存在しています。

  1. dlshogi
  2. 水匠

その中でも一般的に「水匠」と「dlshogi」の二つがトップ2と言えるでしょう。以下でそれぞれ解説していきます。

dlshogi-ディープラーニング系ソフト

dlshogiは、山岡忠夫さんが開発したディープラーニングベースの将棋AIです。ファイルの設定が多いため、導入の難易度は高いとされています。パソコンに慣れていない人には難しいかもしれません。

dlshogi(第2回世界将棋AI電竜戦エキシビジョンバージョン)のWindows版のファイルは公開されており、以下のリンクからダウンロード可能になります。

▶dlshogi(第2回世界将棋AI電竜戦エキシビジョンバージョン)のWindows版>>

モデルファイルのライセンスはしっかりと確認した上で、ダウンロードするようにしましょう。

水匠-2021年最強将棋ソフト

水匠は、やねうら王が元になっているソフトです。

これはいわゆる『NNUE系』と呼ばれる、CPUで動く従来型のソフトであり、一般のパソコンでも高いパフォーマンスを発揮できます。水匠も同様に無料でダウンロードが可能ですが、将棋所と言うGUIツールの利用が必須になります。

水匠のファイルはやねうら王のファイルに同梱されていますので、下記リンクからダウンロードしてください。

やねうら王実行ファイル>>

pythonで将棋ソフトを自作するために必要なもの

開発するにあたって主に2つ紹介します。

  1. 将スタ -将棋ソフトスタジオ
  2. 書籍『強い将棋ソフトの創り方』

それぞれついて、解説していきます。

「将スタ -将棋ソフトスタジオ-」

「将スタ-将棋ソフトスタジオ」は将棋AI用の学習データや将棋ソフトを作成できるツールです。すえよし。氏が公開したもので、無償でダウンロードできます。

学習データは、将棋プログラム同士が連続対局を行う「floodgate」の将譜やレーティングをベースに生成が可能です。また、ソフト名や作者名、学習モデルの指定などを行うだけで将棋ソフトの作成もできます。

どちらもプログラミングの知識がなくても、簡単な操作で行えるのが特徴です。下のリンクからダウンロードが可能です。使い方の動画も載っているので参考にしてください。

▶「将スタ -将棋ソフトスタジオ-」の公開>>

書籍『強い将棋ソフトの創り方』がおすすめ

強い将棋の作り方

引用:https://www.amazon.co.jp/dp/4839977348/

「強い将棋ソフトの創り方」ではディープラーニングを実装した将棋アプリを作成することに長けており、網羅的に解説されています。

4つのパートで構成されており、わかりやすく解説されています。

1章、2章では、コンピューター将棋で使われいているアルゴリズムについて解説されています。ディープラーニングを使用することによって、従来のソフトよりも優れているところについて解説しています。

3章、4章では、Pythonを使って実装していきます。開発環境では、無料で使えるGoogle Colabノートブックを利用しており、スムーズに作れるようになっています。また、より強いソフトを作るための方法も解説されています。

おわりに

ディープラーニングを実装している将棋ソフトについて解説してきました。プロの棋士でも、こうしたソフトを使って将棋を研究していることは、とても驚きですよね。

今後もディープラーニングが活用されていく中で、すごいソフトが開発されていくかも知れません。自分で将棋ソフトを作りたいと思った人は、実際にソフトを作っていく書籍が販売されているので、参考にしてはどうでしょうか?

ディープラーニングについて詳しく知りたいという人は下のリンクから、図解を使ってわかりやすく解説してあります。

▶【図解】ディープラーニングの仕組みを徹底解説 ー機械学習との違いや学習方法も>>

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