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2020.03.19

【図解】ディープラーニングの仕組みを徹底解説 ー機械学習との違いや学習方法も

最終更新日:

 

みなさんこんにちは、AINOWライターのゆーどーです。

AIについて勉強をしていると、よく「機械学習」や「ディープラーニング」という言葉に出会います。

「ディープラーニングって聞いたことはあるけど、その仕組みまでは分からない…」
「知識を身に付けても、キャリアでどう活かせばいいのだろう…」

と気になる方も多くいるのではないでしょうか?

そこで今回は、データの高速処理が可能な「ディープラーニングの仕組み」キャリアで活かすための資格試験について解説していきます。

高い処理能力で注目されるディープラーニングとは?

ディープラーニングとは、大量のデータを学習することで、そのデータの中から特徴を自動的に発見し、画像認識音声認識などを可能する技術です。

例えば、今までの機械で画像認識を行う場合、その画像の中でどの点に注目すればいいのかなどを、人間が指定しなくてはいけませんでした。猫であれば、ひげの数や耳の形などを明確に定義しなくては機械が猫を猫と判別することはできません。

しかし、ディープラーニングの登場によって大量のデータさえ用意できれば、そのデータの特徴を自動的に取り出し、新しいデータが入力されたときに、そのデータが何なのかを判定することができます。

ディープラーニングに関する詳しい記事はこちら↓

次の項目では、このように高い処理能力で注目されるディープラーニングの仕組みについて説明します。

ディープラーニングの仕組みを解説

ここでは、ディープラーニングの仕組みを学習ベースとなるニューラルネットワークを中心に解説します。またディープラーニングと機械学習の違いや、ディープラーニングを取り入れる流れについても紹介します。

ディープラーニングの学習ベースは「ニューラルネットワーク」

副タイトルでもあるようにディープラーニングは、ニューラルネットワークという人間の神経回路を数式的なモデルで再現したネットワークをベースに学習をしています。

ニューラルネットワークは、「形式ニューロン」という複数の数値から1つの数値を出力する関数がいくつも集まり構成されています。

そのような構造のニューラルネットワークは、大きく分けて以下の3つの層から成り立っています。

  • 入力層
  • 隠れ層
  • 出力層

ディープラーニングより前に開発された「パーセプトロン」という学習方法では、隠れ層が数層しかなかったため、単純なデータ処理しかできませんでした。

しかし、ニューラルネットワークの「隠れ層」が何層もできたことにより、複雑なデータの処理も可能になりました。そのような意味も込めてディープラーニングは「深層学習」と呼ばれています。

機械学習との違いとは?

機械学習とは、コンピュータにデータを学ばせることで自動的にデータの法則性やルールを発見・学習して、ある課題に対する予測や判断を下すことができる技術のことです。

機械学習は、大きく3つに分けられます。

  • 「正解」となるモノを決め、それに適するデータを機械に学習させる「教師あり学習
  • 「正解」となるモノを指定せず、データを学習させて、読み込んだデータのグループ分けや、特徴を発見する「教師なし学習
  • プログラム自身が選択する行動とその結果を観測し、結果や価値が最大になるようにプログラムが学習し、試行錯誤を繰り返して精度を上げる「強化学習

先述したニューラルネットワークやディープラーニングは、「教師あり学習」に分類されます。

ここで、機械学習とディープラーニングの違いを説明します。

機械学習は、分析したデータの特徴を表現する「特微量」という数値を人間が設定する必要がありました。ですが、ディープラーニングは読み込んだデータのパターンを分類し、法則性を発見するだけではなく、特微量もコンピュータが自動で設定して学習することができるのです。

ディープラーニングが自動で特微量を設定できるようになったことは、画像認識自動翻訳などの技術が大きく飛躍した大きな要因の1つなのです。

「機械学習とディープラーニングの違い」について詳しくはこちらの記事をチェック↓

ディープラーニングを取り入れるためには?

ディープラーニングを取り入れるためには、「学習させる段階」と「判別させる(推論)段階」があります。

「学習させる段階」では、画像認識をさせる場合、はじめに大量の画像データにタグ付けをして学習させる必要があります。その学習が終わり、学習したモデルが完成すると、「判別できる段階」になりタグ付けをしていない画像でも判別できるようになります。

画像内から人物の動きを認識するなど汎用的に使われるモデルは予め学習されて公開されているものもあり「判別させる段階」から使用できます。

ですが、そのような学習済みのモデルは、独自性が低い可能性があるというデメリットもあります。ですので、会社で使用したい生のデータを学習させれば、そのディープラーニングが判別する精度も上がるのです。

このディープラーニングには、いくつもの学習方法があります。次の項目では、その中からいくつかをピックアップしてご紹介します。

ディープラーニングのさまざまな学習方法

ディープラーニングにはさまざまな学習方法があります。ニューラルネットワークの構造が異なることで、活用できる分野も変化します。

今回は、最近よく活用されているネットワークの構造をいくつかピックアップしてご紹介します。

CNN(畳み込みニューラルネットワーク)

CNNとは、主に画像認識の分野で応用されているニューラルネットワークです。また近年では、物体検出や領域推定、また転移学習でも成果を出しています。

今回はわかりやすい「画像認識」を例に説明します。

先述したように活用が広がっているCNNは、ニューラルネットワークに「畳み込み層」と「プーリング層」が交互に多数組み込むことで構成されています。

では、畳み込み層とプーリング層ではどのように画像認識が行われているのでしょうか。

畳み込み層では、入力された画像をある画素の大きさに切り取り、その切り取った部分で計算をして「何が特徴か」を特定し、抽出します。その特徴を抽出することを「畳み込み」と言うのです。

プーリング層では、畳み込み層で局所的に抽出された特徴を圧縮し、重要ではない部分を削ぎ落とすことがされています。

つまりCNNでは、畳み込み層で画像内の特徴を発見し、プーリング層で抽出された特徴を集約しているのです。

この2つの処理が繰り返されて、画像認識が行われています。

読み込む画像内に特徴が多いほど、特徴を発見するための計算も必要ですので、従来のコンピュータには処理が困難でした。ですが、CNNに組み込まれているReLUを導入したことで、精度が向上したのです。

RNN(リカレントニューラルネットワーク)

RNNは自然言語処理の分野で成果を出しているニューラルネットワークです。

RNNでは時系列データの予測が応用されています。

時系列データとはある地点、時間で計測されたデータをそれぞれが独立したデータとして扱うのではなく、ある地点から前後と関連性があるデータとして捉えることができるデータのことです。

自然言語処理でRNNを活用するためには、さまざまな文章の種類を学習させたり、長文や短文、また会話の展開を学習させる必要があります。

そうすることでRNNが単語と単語、文章と文章の関連性を理解して、違和感を与えることなく言語処理をすることができます。

一般的なニューラルネットワークでは、それぞれの層の出力に対して関連性を持たせることはできませんでした。ですが、RNNでは1つ前の層からの入力だけではなく、時系列のデータを入力することができます。

その機能がはたらき、関連性があるデータどうしをつなげることができています。

LSTM(Long Short Term Memory)

RNNは自然言語処理の分野で活用されていますが、RNNに組み込まれている時系列をつなげる機能にはデメリットがありました。それは、RNNはデータの関連性が長期的なものか、短期的なものか区別できないという点です。

この2つを区別できないことで、コンピュータの学習を妨げていました。

そのデメリットを解消するために、RNNを拡張したLSTMが開発されたのです。LSTMでは、「隠れ層」の構造を発展させ重要なデータを残し、不要なデータを忘れさせることができるようになりました。

また、LSTMには学習状況を保存できる「メモリセル」というメモリや、「入力ゲート」と「出力ゲート」の間に「忘却ゲート」を加えることで、長期的な学習も可能にしました。

GAN(Genera tive Adversarial Networks)

GANは、「教師なし機械学習」に分類される「敵対的生成ネットワーク」と呼ばれるニューラルネットワークのモデルです。

幅広い分野で注目を集めているGANは、大量のデータから特徴を学習して、世の中に実在しない画像を生成することがきるニューラルネットワークとして知られています。

また、生成した画像を実在する画像によせることもできます。画像生成の分野だけではなく、ゲームやアニメのキャラクターを学習させることで、新しいキャラクターを作成することもできます。

このように高い表現力から広範囲で活用されています。

GANの構造は、「生成器」と「識別器」の2つに分かれています。

画像作成を例にあげると、まずお手本となる画像を生成器に学習させます。その後入力された画像は生成器の次に、識別器に出力され、ここでは入力された画像が実在するものか、生成されたものかを識別します。

そして「生成器では、入力された画像が識別器を騙せるように学習し」、「識別器では、すでに実在している画像か、本物に似せて作られた画像かを区別できる」ように学習します。

GANは、このように2つに分かれている生成器と識別器のお互いを敵対させて学習させていることから「敵対的生成ネットワーク」と呼ばれているのです。

ディープラーニングに関する資格を紹介

ここまでディープラーニングの仕組みやニューラルネットワークの学習方法について解説しました。

「ディープラーニングの事は分かったけど、どのように学べばいいのだろう?」
「AIやディープラーニングのことを学んで、なんとか今後のキャリアに活かしたい!」

と思っている方もいると思います。そのような方々のために、AIやディープラーニングのことを学ぶことができる有名な検定・資格を2つご紹介します。

G検定

G検定とは、日本ディープラーニング協会(JDLA)が定めた「ディープラーニングを学習し、事業へ応用する人向けの検定」のことです。

G検定は、エンジニアだけにオススメされる資格ではなく、ディープラーニングの知識を身につけて、会社でAIを活用しようと考えている人にもオススメされます。ですので、試験ではディープラーニングを事業に活用するための知識やスキルが問われます。

G検定に合格するためには、JDLAが出版する参考書や、書店で売られてる『AI白書』などを参考に勉強を進めるといいでしょう。

E資格

E資格とは、日本ディープラーニング協会(JDLA)が定めた「ディープラーニングを実装するためのエンジニア向けの資格」のことです。

ディープラーニングの理論を深く理解し、その上で適切に実装することができる人材に与えられます。G検定とは違い、E資格を取得するためには、JDLAが定めた資格試験向けの講座を必ず受講しなくてはいけません。

受講料は高いですが、E資格の取得を目指すことで、Pythonへの理解も得ることができます。

引用:https://www.jdla.org/business/certificate/?id=certificate_No01

ここでは2つの検定と資格を紹介しましたが、まだ他に種類がありますので、さらに詳しいことが知りたい方はこちらをチェック↓

まとめ

今回は、ディープラーニングのおさらいと仕組み、さらにニューラルネットワークの学習方法について解説・紹介しました。お読みになってお分かりのように、AIやディープラーニングはすでにさまざまな分野で活用されています。

はじめは、各社のビジネスでフル活用できるようなディープラーニングのモデルを使用する事は難しいかもしれません。ですが、すでに学習済みのモデルを活用するところからはじめることで、ディープラーニングやニューラルネットワークの活用方法が見えてくるかもしれません。

ディープラーニングを理解・活用する事で社会に対するアクションの幅を広げてみてはいかがですか?

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