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スマートフォンの普及や新型コロナウイルスの蔓延により、顧客とのコミュニケーションをオンラインで行うのが常識化してきました。オンライン上でも実店舗と同様に接客するために「Web接客」が欠かせないものとなってきています。
今回はそんなWeb接客ツールの中で導入目的にあったものを見つけるために、特徴や用途を比較しながら紹介していきます。
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目次
Web接客とは?
Web接客とは、 簡単に表現すると
“Webサイトに訪れたユーザーに対しオンライン上で接客すること”
です。実店舗での接客と同様に、顧客からの疑問に答えたり、おすすめの商品を勧めることでサイト上の売上拡大やコンバージョン獲得に貢献します。
これにより、潜在顧客の購買意欲の向上や、カスタマーサポートの業務効率化を実現しています。
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Web接客ツールの種類
Web接客ツールには「チャット型」「ポップアップ型」「ハイブリッド型」の3つの種類があります。
種類 | 特徴 | 強み | 用途 |
チャット型 | クーポンなどの届けたい情報画面上にポップアップで表示する | ポップアップの表示タイミングを細かく設定可能
CVにつながりやすい 柔軟な対応が可能 |
カスタマーサポート |
ポップアップ型 | チャットを通じて顧客とのコミュニケーションを図る | 顧客が求めるタイミングで臨機応変に対応可能 | 営業
マーケティング |
ハイブリッド型 | チャット型とポップアップ型の両方の機能が使える | チャット型とポップアップ型の使い分けが可能 | 幅広い用途で対応可能 |
さらに詳しく説明していきます。
チャット型
チャット型のWeb接客は、サイトに訪問した顧客とチャットを通じてリアルタイムにコミュニケーションを取れます。サービスに関する悩みをその場で解決出来ることから、顧客の満足度向上に繋げるカスタマーサポートに導入されています。
ポップアップ型
ポップアップ型のWeb接客は、顧客の検索や購入履歴などをもとに、キャンペーンやクーポンの情報を最適なタイミングで表示します。これにより、サービスや製品の契約・購入を促せるでしょう。
お得情報の他に、操作案内のために用いられることもあります。
ハイブリッド型
ハイブリッド型のWeb接客は、チャット型とポップアップ型の両方の機能を持っているため、営業・マーケティングだけでなく、カスタマーサポート用途にも活用できます。
Web接客ツールの選び方
Web接客ツールの選び方は、主に以下の4つです。
それぞれ説明していきます。
1. 導入目的に合っているか
導入目的と会わないツールを選んでしまうと、コストばかりかかってしまいます。まずは何のために導入したいのかを見極めることが大切になってきます。
CVR(顧客転換率)をあげることを目的としているのであれば、顧客の行動に合わせて購買を促すポップアップ型。顧客の悩みを解決したいのであれば、質問に迅速に対応出来るチャット型がおすすめとなります。
2. 機能・運用しやすさはどうか
Web接客は便利な機能を持っていますが、運用において少し手間がかかるケースもあります。ポップアップ型では事前に表示内容やタイミングの設定が必要となり、チャット型ではAIを用いる場合に応答内容の設定が必要となってきます。
運用・管理できるものであるかをチェックして導入する必要があります。
3. コストは適正であるか
Web接客ツールの価格形態は様々で、クラウドサービスの多くな月額5000円~5万円程ですが、AI搭載のチャットボットになると月額10万円を超えてしまいます。
機能が豊富なものは多くありますが、自社に必要のない機能であったり、オーバースペックなツールを導入したりすると経費の無駄遣いに繋がってしまいます。
適切な価格で、無駄のない導入をしましょう。
4. 無料プランや無料トライアルを活用する
Web接客ツールの中には、無料プランや無料トライアルを提供しているサービスが多く存在します。それらを用いて、実際に顧客の立場でWeb接客を体験してみると、ツールの特徴や欠点が見えてきます。
Web接客ツールのメリット
Web接客ツールのメリットは、主に以下の3つです。
それぞれ説明していきます。
1.CVRが上がる
Webサイトは顧客の好きなタイミングで利用できますが、カスタマーサポートは24時間の対応が出来ません。
そこでWeb接客ツールを導入することにより、迷っている顧客の背中を押し、CVRを引き上げることが可能となってきます。
2.離脱率を抑えることができる
Web接客ツールでは、顧客に合わせてOne to Oneコミュニケーションをとれるため、疑問や悩みをすぐに解決でき、顧客満足の向上にも繋がります。
いかに顧客をサイトに留まらせるかが重要となってくるため、顧客に合わせて対応できるWeb接客ツールの導入は大きなメリットといえます。
3.業務効率が上がる
チャット型のツールを導入すると、簡単な質問にはほぼ自動で対応できます。これにより、従来では電話やメールで対応していた工数を減らすことが可能となり、カスタマーサポートの負担を減らすことができます。
Web接客ツールのデメリット
Web接客ツールのデメリットは、主に以下の2つです。
こちらも説明していきます。
1.やりすぎになってしまうことがある
Web接客ツールは、やりすぎると逆効果になってしまう可能性もあります。
ポップアップの出す量やタイミングを考えることも導入するにあたって必要となってきます。
2.大きな効果が出るとは限らない
Web接客ツールの導入によって、CVRや顧客満足度が大幅に上がるとは限りません。接客に良し悪しや好みがあるように、Web接客にもコツやノウハウというものがあります。
おすすめWeb接客ツール|チャット型
チャット型のおすすめのWeb接客ツールを5つ紹介します。
- sinclo – 株式会社エフ・コード
- チャネルトーク – 株式会社Channel Corporation
- Chat puls – チャットプラス株式会社
- KUZEN-LINK – 株式会社コンシェルジ
- SELF for EC – SELF株式会社
それぞれ解説します。
1.sinclo – 株式会社エフ・コード
sincloはノーコードで簡単に運用できるのが魅力のツールです。チャット型で、One to OneのWeb接客ができます。アクセスの回数や滞在時間などから、顧客ごとに適切なタイミングでアプローチしてくれるのが特徴です。
また、「一括ヒアリング(署名整形)機能」と呼ばれる機能が搭載されています。フォーム入力をサポートすることで、顧客の入力ストレスを軽減してくれる便利な機能です。無料トライアルが可能なので、まずは一度試してみましょう。
2.チャネルトーク – 株式会社Channel Corporation
チャネルトークは、「顧客をファンにするならチャネルトーク」のコンセプトで運営しているツールです。顧客の心を掴むような最適なWeb接客ができるツールで、サイトの離脱後もメールやSMSなどでコミュニケーションを継続します。
無料プランが用意されているため、試しにツールを使ってみたい方にもおすすめです。豊富なオプション機能でサポートセンターの効率化や、離脱率の低下にも役立ちます。顧客体験の向上により、購買意欲をかきたててくれるのも魅力的です。
3.Chat puls – チャットプラス株式会社
Chat Plusは日本語だけでなく、フランス語・ドイツ語・英語など全13種類の言語に対応しています。外国人向けのサービスなどにも向いており、日本語以外での窓口を設けたい企業におすすめです。
導入費用が月額1500円(税込)からと安価なので、低コストで導入したい方にもおすすめです。無料トライアルもあるので、まずは一度問い合わせてみましょう。
4.KUZEN-LINK – 株式会社コンシェルジ
KUZENはプログラミングの専門知識を必要とせず、直感操作で簡単に使えるのが魅力です。ノーコードで運用できるため、スピーディーな導入が実現できます。
Microsoft Teams・Slack・LINEなど多くのインターフェースを利用できます。チャットボットによって得た情報を蓄積し、分析することでより最適な顧客対応が可能になります。
5.SELF for EC – SELF株式会社
SELF for ECはECサイト向けのWeb接客ツールです。EC上のすべての商品を、AIが自動理解します。顧客のサイト内行動やAIとの会話で得られる目的・ニーズ、他の顧客の商品閲覧や購買行動を総合的に分析し、それぞれに適した「商品提案」が可能です。
このような一人ひとりに適した「商品提案」は、購買意欲の向上につながりCVRの向上に繋がります。ECサイトを運営している企業におすすめのWeb接客ツールです。
おすすめWeb接客ツール|ポップアップ型
ポップアップ型のおすすめのWeb接客ツールを4つ紹介します。
それぞれ解説します。
1.ecコンシェル – NTTドコモ
ポップアップ型の1つ目は、AI搭載のWeb接客ツールとして人気のecコンシェルです。高性能なAIが搭載されているため、自動で最適なWeb接客をしてくれます。顧客の行動を可視化してくれるのも特徴です。
サポート体制が充実しているので、初めてWeb接客ツールを使う方でも問題なく使用できます。無料プランでも十分に使えるので、試しに使ってみたい方にもおすすめです。
2.Sprocket – 株式会社Sprocket
Sprocketは、リアルタイムに収集したユーザーの行動データからコンバージョンを最適化するプラットフォームです。
ユーザーのつまづき解消により購入・申し込みなどのコンバージョンを改善し、理想的なWebサイトの顧客体験を実現します。コンバージョン改善するための必要な分析・施策機能がすべて備わっており、改善事例パターンが豊富に用意されているのも魅力です。
3.CODE Marketing Cloud – 株式会社エフ・コード
CODE Marketing Cloudは専門知識がなくても、タグの設置だけで簡単に導入できます。各業界に最適化されたテンプレートが用意されており、必要項目を入力するだけで効果を得られるのも大きな魅力です。
費用が明確に提示されており、基本的に追加コストもかかりません。コンサルチームによるサポートもあるので、運用について分からないことがあるときも安心です。
4.Repro ‐ Repro株式会社
Reproは世界中で利用されている実績豊富なツールで、定量分析機能が備わっている点が大きなメリットです。プッシュ通知などのアクションも豊富で、分析から施策までを一貫して行いたい企業におすすめです。
顧客情報をもとにしたOne to Oneの最適なコミュニケーションを実現し、CV数の増加を狙えます。
おすすめWeb接客ツール|ハイブリッド型
ハイブリッド型のおすすめのWeb接客ツールを2つ紹介します。
こちらも解説します。
1.KARTE – 株式会社プレイド
KARTEはハイブリッド型のWeb接客ツールです。アプリやサイト訪問者が訪問したその瞬間の行動データと過去の膨大な行動ログを顧客ごとに統合し、行動や感情をリアルタイムに解析することを得意としています。
訪問者を自由にセグメントでき、多彩なテンプレートを活用することで時間・行動・感情などに合わせた、最適なタイミングでのアクションの設定ができます。
2.Flipdesk – 株式会社フリップデスク
Flipdeskは2014年のリリース以降、多くのサイトでの運用実績を誇るツールです。簡単に使用できるだけでなく、運用サポートが充実しているので始めての方でも安心して使用できます。
直感的な操作で使いやすく、機能性にも優れておりコスパが高いのもポイントです。顧客や購買の情報、閲覧情報などを収集して最適な接客をしてくれます。
導入事例
Web接客ツールを実際に導入した事例をいくつか紹介します。
それぞれ解説します。
1.DoCLASSE
DoCLASSEは、40代以上の女性をターゲットに女性服の販売をECサイトにて展開している会社です。この会社では、電話とメール以外の問い合わせ窓口にチャット型のWeb接客ツールを活用することにより、問い合わせ量が2倍、CVRが通常の10倍以上になったという結果が出ています。
2.asoview!
asoview!は、ものづくりやアウトドアなどの様々な遊びの体験型プログラムを予約⒟系るサービスです。集客のために展開するオウンドメディアで、予約を後押しするためにポップアップ型のWeb接客ツールを導入しています。スクロールするタイミングでクーポンを提示するという使用方法でCVRが4倍になるという結果が出ました。
3.ヤンマーホールディングス
企業向けに重機等を販売しているヤンマーホールディングスでは、ポップアップ型のWeb接客ツールを導入することによりCV数が120%になったという結果が出ています。顧客の行動を分析し、最適な接客や提案をすることで購買意欲の向上へと繋げています。
よくある質問
Web接客ツールについて、上記で説明したこと以外にも以下のような質問がよくされています。
それぞれ解答していきます。
1.どのような業界で導入されていますか?
アパレル業界や観光業界、スポーツ業界など業界に捕らわれずWeb接客ツールは導入されています。コロナ禍で営業のオンライン化やEC化が進んだことで、積極的に導入されるようになりました。
2.Web接客ツールが必要と考えられるようになった背景とは?
従来のWebサイトでは、顧客情報を取得することが難しく、サイトに訪問した顧客との関わりが薄い状態でした。そこで、Webサイトでも実店舗のようなOne to Oneの寄り添った接客を行いたいということでWeb接客ツールが開発されました。
まとめ
今回は、Web接客についてとツールを11種類紹介しました。
コロナ禍により営業のオンラインやEC化が進んだため、Web接客ツールの需要は高まってきていると強く感じます。
Web接客ツールの開発は現在進行形で多数進んでおり、今後AI搭載のツールも増えてくるので、そちらもチェックしてみてください。今回の記事が用途に合ったツールを見つける足がかりになれば幸いです。