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2021.11.01

なぜDX化にクラウドを活用するのか?-導入事例やクラウドの課題も解説!

最終更新日:

現在、日本ではデジタル化により企業間同士の競争力を高める「DX」が活発になっています。
DX実現に際して大きな役割を担うのが、クラウドツールです。

今回はDX実現におけるクラウドの重要性やDXを推進させる3ステップ、DXのためのクラウド導入事例、失敗しないクラウド導入のポイント、そしてDXするなら活用したいクラウドツールを紹介します。

DXって何?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応しながらデータとデジタル技術を活用して、社会や顧客のニーズを基にサービスやビジネスモデルを変化させることです。

またそれに伴い、組織や業務プロセス、企業文化・風土に改革を起こし、競争上の優位性を確立することでもあります。

近い将来、デジタルによって大きな産業構造の変化が急激に進みます。

そのため、DXとは「インターネットであらゆるモノがつながる新しい社会に向け、生き残れる組織改革」「顧客の支持を得られる商品・サービスを新たに生み出し、競争を生き抜く」という経営課題でもあります。

▼DXについて詳しく知りたい方はこちら

なぜDX化にクラウドを活用するのか

クラウドネイティブとは?

DX化にクラウドを活用しようとする流れに伴って、最近よく聞くのが「クラウドネイティブ」という言葉です。

クラウドネイティブとよく似た言葉である「クラウドファースト」は「システム構築を行う際にクラウドでの運用を優先して検討する」という意味でした。「クラウドネイティブ」はさらに進んで、「クラウドならではの特性を活かせるようなシステムを構築する」ことを目指しています。

2025年の崖」を乗り越えるにはクラウドネイティブの考えに基づいてDX化を進める必要があるとされています。

変化に柔軟に対応していくため

市場の移り変わりについていくために、企業のインフラは変化に柔軟に対応していく必要があります。

既存の企業のインフラを作り替えてDX化していく際にクラウドを活用すれば、変化にスピーディーに対応できるインフラを作り上げることができます。

 DXに向けたクラウド導入のメリット

短期間かつ低コストでDXを進められる

クラウドのシステムは低コストですぐ始められるため、競合に対して遅れを取らずに業務・組織改革をできます。

DXに対する社会の動きは早く、素早い市場参入やサービス開始が重要になります。また、組織改革やビジネスモデルの変革はリスクが高いため、失敗に備えて初期費用を抑える必要があります。

クラウドは導入時にシステムを開発する必要がなく、販売業者が提供するサーバーやソフトウェアをそのまま利用するため、短期間で運用を開始できます。

またシステム開発の必要がないという点で、人件費を抑えれるため初期費用を抑えた運用ができます。このようにクラウドは短期間かつ低コストで運用を開始できるため、損失を最小限に抑えてDXを実現します。

企業の競争力を向上

DXの実現においてクラウドを導入すれば、企業の競争力向上を実現します。

クラウドが登場するまで主流だったオンプレミスのシステムでは、どのような状況にもすぐさま適切に対処する機動性が弱く、変化の激しい現代の流れに遅れてしまうためです。

オンプレミスのシステムはセキュリティ対策の面で強いですが、システムを利用するためには出社が必要になるほか、システムの構築やアップデート・改修を自分たちでする必要があるため、多大な時間がかかる側面もあります。

それに対してクラウドは、インターネット環境があれば使う場所や時間を選ばずにいつでもどこでも利用でき、業務を遂行できます。
またシステムのアップデートなどのメンテナンスは販売業者がするため、ユーザーには負担がかからず気軽に利用できます。

このようにDXの実現においてクラウドを導入すれば、業務のプロセスを柔軟化、機動化して企業の競争上の優位性を確立します。

▶関連記事|DX導入のメリットとは?参考にしたい事例や導入ステップを解説!>>

DXに向けたクラウド導入の課題

カスタマイズに制限がある場合も

クラウドには、販売業者が提供する契約やプランで機能の拡張性や柔軟性が制限されている場合があります。

そのため、システム設計や細かい設定など企業ごとの仕様変更に関しては、クラウドよりもオンプレミスのほうが優れている可能性があります。

セキュリティ性

クラウドは従来のオンプレミスに比べて、セキュリティ対策に確実性がない場合があります。

クラウドの場合自社内でサーバーやソフトウェアの運用・管理をするのではなく、全て販売業者がするため、システムのセキュリティ強度は完全に販売業者に依存します。

セキュリティに関して自社内で徹底的に管理したい場合には、クラウドは不向きになります。
ただし、近年のクラウドはセキュリティの強度が向上しているため、自社内にゼロからシステムを構築するよりも格段に費用と手間が省けます。

▶関連記事|DXにおけるセキュリティ対策と2つの重要ポイント|課題・ゼロトラストも解説>>

【初心者必読】クラウドって何?

クラウドは、「ユーザーがサーバーやソフトウェアを持たなくてもネットワークを経由してサービスを利用できる考え方」です。

また、従来ユーザーがが手元のコンピューターで利用していたソフトやデータを、ネットワーク経由でユーザーに提供するサービスを指します。

オンプレミスとクラウドの違い

オンプレミスとは、ユーザーが管理する設備内にサーバーやソフトウェアを構築・設置してユーザーが管理・運用することです。クラウドはオンプレミスに比べて導入費用を抑えられます。

オンプレミスはサーバー機器・ソフトウェアライセンス・回線を準備する必要があります。それに対してクラウドはオンプレミスのようなサーバー環境に必要なシステムを準備する必要がないため、導入時のコストを抑えられます。

また、クラウドはオンプレミスと比べてスムーズに導入できます。オンプレミスは購入してからサーバーやソフトウェア導入で数日間かかるのに対して、クラウドの中にはは販売業者と契約をするだけで利用を開始できるサービスもあります。

クラウドの場合、インターネットを経由して契約・利用するため、社内外関係なくどこからでも利用できます。

クラウドは3種類分類できる

クラウドは以下の3つに分類できます。

  1. パブリッククラウド
  2. プライベートクラウド
  3. ハイブリッドクラウド

それぞれ解説していきます。

1. パブリッククラウド

パブリッククラウドとは、サービス専用のソフトウェアやコンピューターを持たなくても、個人・企業関係なく誰でもいつでも使いたいときに使いたい分だけ自由にサーバーを利用できるシステムです。

インターネットから申し込むだけですぐにクラウドサービスを利用できます。

2. プライベートクラウド

プライベートクラウドとは、企業や組織が自社専用のクラウド環境を構築して、社員やグループ会社にクラウド環境を提供することです。

社内でシステムを構築・管理するため、企業ごとのカスタマイズ性があるシステム設定ができます。

3. ハイブリッドクラウド

ハイブリッドクラウドは、パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方をiいいとこどりして利用できるクラウドサービスを指します。

例えば、ハイブリットクラウドを利用すれば企業の機密情報などセキュリティ対策が求められるデータに関してはプライベートクラウドで管理して、それ以外のものは全てパブリッククラウドで運用できます。

社内のDXを推進する3ステップ

社内のDXを推進するには以下の3ステップが重要になります。

  1. 目標を明確にする
  2. 現状を分析、強みを明確に
  3. 目標を現状のギャップを埋める戦略

それぞれ解説していきます。

-ステップ1- 目標を明確にする

まずはじめに取り組むべきなのは、理想の自社の姿(To-Be)を明らかにすることです。

自社の目指すべき方向を明確にし、社内で共有することで、社内の従業員が一体となって同じ方向を目指すことができます。

目標を定める上で重要なのは、競争優位性が確立した姿とビジョンを明確にすることです。

経産省によるDXの定義では、データやデジタル技術を駆使してビジネスモデルや業務、組織などを変革し、競争上の優位性を確立性を確立すると記されています。

-ステップ2- 現状を分析、強みを明確に

次に重要なのは、自社の現状の姿を分析し強みを探すことです。DX戦略を推進する上では、目標を明確にするだけでなく、現状の姿を分析する必要があります。

ビジネスモデル、製品やサービス、業務、組織、プロセス、企業文化・風土などの項目で自社の現状を分析しましょう。特に自社の現状を分析する上で重要なのは、強みを理解することです。

-ステップ3- 目標を現状のギャップを埋める戦略

理想と現状を把握したら、最後にそのギャップを埋めるための細分化した戦略を立てます。

ステップ3で重要なのは、DXをデジタイゼーション、デジタライゼーションに分類して考えることです。

▶【事例つき】DX戦略|ビジネスを成功に導くDX推進法・ロードマップについてはこちらの記事で詳しく解説しています>>

▶DX推進とは?|指標や課題・企業事例をガイドラインに沿って解説した記事はこちら>>

DXに向けたクラウド導入で失敗しないためのポイント

DXを企業に取り入れる際は、現場から取り組みはじめましょう。

管理職からDX化を始めるよりも現場からDX化を始めるほうが、より早くその成果が反映されるためです。

大きな組織のDXがうまくいかない原因には、「現場を巻き込めていないこと」と「目標の範囲が大きすぎること」の2つがあります。

導入を活用・拡大させるためには上記で述べた「目標設定と現状の分析とそれに向けてステップを細分化」することが重要です。

細分化されたステップの中で小さな成功体験を積むことで、現場だけでなく組織全体がDX化の価値を見出し、拡大の可能性を大きく広げます。

組織全体のDX化を実現したい際には、導入の影響が分かりやすい現場から導入を始め、小さな成功の積み重ねをして組織全体に拡大させましょう。

▶関連記事|DXの失敗パターンから学ぶ!DXを成功させるポイント3つを紹介!

業種別DXのためのクラウド導入事例

ここからは、DXのためのクラウド導入事例を業界別に紹介します。今回紹介する事例は以下の3つです。

  1. 【製造業】関東製作所
  2. 【製造業】関東製作所
  3. 【医療・ヘルスケア】社会福祉法人 久寿会

それぞれ解説していきます。

【製造業】関東製作所

プラスチック製品の金型や金型の加工機を設計・製作している株式会社関東製作所では、デジタルマーケティングを活用して1.2億円を新規受注しました。

受注生産を基軸としてきた同社では、取引先の事業によって業績が大きく左右されるため、不安定な業績が課題となっていました。

安定した受注生産を獲得するべく、導入を進めたのがデジタルマーケティングです。

見込み客リストの作成など、インサイドセールスの強化により見込み客の関心を高める取り組みを推進し、2年間で30社の新規開拓に成功しています。

引用︰ツギノジダイ「商売っ気を出さない」デジタルマーケティングで1.2億円を新規受注

▶製造業のDX成功事例5つ|知っておきたいDX推進方法や成功の秘訣も解説>>

【医療・ヘルスケア】社会福祉法人 久寿会

リハビリに関して豊富なノウハウを持つ社会福祉法人 久寿会は、デイサービス利用者がノウハウをリモートで活用できる仕組みをつくり、身体機能の大幅な改善を実現しました。

遠隔の理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職が利用者の動画を見て、それに適した訓練のプログラムを制作し、動画を配信して利用者ひとりに最適な機能訓練を提供しました。

利用者は専用のアプリがあればいつでもどこでも訓練ができるため、大幅な身体機能の改善を実現したそうです。

引用:社会福祉法人 久寿会様 リハビリ専門職のノウハウをリモートで活用する仕組みを実現しデイサービスの利用者の身体機能を大幅に改善

▶【DX×医療】2025年問題・医療崩壊する前に取り組むべき対策と展望>>

【建設・不動産】松尾建設株式会社

建設業を営む松尾建設株式会社では、従業員の生産性向上と長年変化がなかった既存の働き方を改革するために、クラウドを活用して柔軟かつオープンでセキュアな業務基盤を再構築しました。

建設業界では、慢性的な人手不足が問題になっており、一人ひとりの生産性向上が求められてきました。
そこで、クラウドの導入により工事現場、本店、設計事務所、協力会社などの関係者が、クラウドを通じて情報共有し、1カ所に集まらなくても、すぐに打ち合わせを開始でき、業務のスピードアップを実現しました。

また、企業の情報を一元的に管理できるクラウドとパスワードが外部に漏洩した際の対策を組み合わせるなど、時代の変化に対応したセキュリティ対策を導入しました。

引用:松尾建設株式会社様 建設業に押し寄せる荒波に立ち向かうクラウド活用へ舵を切り、働き方を改革

▶不動産DXの基礎知識| 導入メリットからおすすめツール5つを徹底解説>>

▶DXの成功事例はこちらの記事で30個まとめて詳しく解説しています>>

DXするなら活用したい2つのクラウドツール

ここからは、DX活用で使えるクラウドツールの「MAツール」と「SFAツール」について紹介します。

 MA(マーケティングオートメーション)|マーケティングを自動化

 導入で得られるメリット

MA(Marketing Automation)ツールとは、マーケティング業務を自動化するツールです。

MAツールを使用すれば、獲得した見込み客の情報を一元管理できるため、見込み客の属性に対応した手軽かつ適切なアプローチを実現します。

 こんな企業におすすめ

MAツールはマーケティング部門と営業部門で連携が取れる企業におすすめです。

MAツールを活用するうえで、マーケティングチームが確度の高いリードを獲得して見込み客に育て、それを営業チームに引き継いで営業チームが顧客にする流れが理想になります。

その際に両部門で連携を取りながら試行錯誤する必要があるため、マーケティング部門と営業部門の連携は重要になります。

 SFA|営業業務を自動化

 導入で得られるメリット

SFA(Sales Force Automation)とは営業自動化という言葉の通り、営業に関する業務プロセスを自動化するツールです。

SFAを活用すれば、営業担当者の業務負担を軽減できるほか、蓄積されたデータを活用してより効果的な営業を実現します。

 こんな企業におすすめ

SFAツールは人手不足による営業業務担当者の負担が増えている企業におすすめです。

従来の営業業務は顧客に電話するほか直接会いに行くなどが主流で、人員を必要とする業務でした。
ですがSFAを活用できれば営業に人員を割く必要がなくなるため、企業全体の人手不足が解消されます。

クラウドを導入してDXを推進しよう

今回はDX実現におけるクラウドの重要性やDXを推進させる3ステップ、DXのためのクラウド導入事例、失敗しないクラウド導入のポイント、そしてDXするなら活用したいクラウドツールを紹介しました。

クラウドツールを導入し企業のDXを実現しましょう。

▶DXの進め方|参考にしたい3つの成功事例や推進のポイントはこちらで詳しく解説しています>>

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