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2022.07.04

インサイドセールスのKPI設定|分析方法や平均値・改善事例を紹介

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インサイドセールスにおいて、モチベーションや業績に影響するため、正しい設定方法や改善策を理解する必要があるため、KPI設定は重要です。

「インサイドセールスのKPIには、どのような種類があるのか、どのくらいを目標値とすればよいのかわからない」
「インサイドセールスのKPIを改善するため、分析方法から他企業の改善した事例、改善策が知りたい」

今回の記事ではこのように考える方に、インサイドセールスのKPIについて設定方法や改善方法を事例を交えて紹介します。

インサイドセールスの基本を知ろう

まずは、インサイドセールスの概要を把握しておきましょう。インサイドセールスは、見込み客に対して非対面でアポイント獲得にアプローチする営業手法を指します。

例えば、自社の商品が掲載されているWebサイトへ訪問した人など、自社の顧客になりそうな人に、電話をかけたりメールを送ったりして、商品を検討してもらったり、商談の時間をもらったりするのです。

同じような営業手法の、フィールドセールスという言葉を聞いたことがあるでしょう。フィールドセールスは、インサイドセールスで得た顧客情報を基に、商談など対面で営業する手法です。

▶︎営業DXについてこちらの記事で解説しています>>

インサイドセールスの種類

インサイドセールスは大きく分けて、反響型営業(SDR)新規開拓型営業(BDR)の2種類があります。

①インサイドセールス|反響型営業(SDR)

1つ目は、反響型営業です。SNS・Webサイト・広告・DMなどで情報を送り、興味を持った人だけを見込み客として、その顧客に営業するスタイルです。

例えば、広告にクリックしなかった人やメールに返信しなかった人は、リード(見込み客)とせず、DMに返信したり、広告からWebサイトへ流入したりなど、興味関心のある行動をした人は見込み客とします。

自社に興味がある人が営業対象となるため、営業がキツイという印象はありませんが、広告やSNSなどを使いこなす力や、マーケティング能力が必要となります。

②インサイドセールス|新規開拓型営業(BDR)

2つ目は、新規開拓型営業です。先程の反響型営業とは、顧客対象が異なり、新規顧客開拓営業は、自社の商品を知らない人が対象となります。

自社の認知度を広め、顧客の母数を増やすために新規開拓営業は必要とされますが、営業相手が自社に興味があるかわからないため、会話などのスキルが必要となります。

インサイドセールスのマーケティングにおける役割

インサイドセールスのマーケティングにおける役割は、「商談創出」です。顧客を、自社のサービス導入を最終的に検討する段階までに持っていくためにインサイドセールスはあります。

▶︎マーケティングDXについてこちらの記事で解説しています>>

KPIとは

ここでは、KPIについて解説します。KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、重要業績評価指標という意味です。

つまり、企業の最終的な目標を達成するために必要な、指標(数値)と解釈できます。企業の業績の良し悪しを測る数値は、業界によってさまざまであるため、KPIは企業によって異なります。

KPIとKGIの違い

KPIとよく似た用語にKGIがあります。

KGIとは、「Key Goal Indicator」の略で、経営目標達成指標という意味です。つまり、企業の経営戦略やビジネス戦略を決めるのに必要な数値と解釈できます。簡単に言えば、最終目標です。

KPIとKGIの違いは、KGIは企業の最終的な目標で、KPIはそれを達成するために必要な指標というように、設定される段階や規模が異なります。

例えば、ある事業の売り上げを3000万円という目標を立てたとします。これがKGIです。3000万円売り上げるために、契約件数を20%向上するという最終目標までの指標を立てたとします。これがKPIです。

KGIは最終目標で、KPIは目標を達成する上で必要な指標となります。

インサイドセールスでKPIを設定する必要性

では、なぜインサイドセールスでKPIを設定する必要があるのでしょうか。インサイドセールスのみでは、フィールドセールスのように、商談や契約をしないため、直接売り上げを生み出しているわけではありません。

そのため、インサイドセールスがどれだけ業績や売り上げに貢献できているか、明確にはわかりません。インサイドセールスは、業績や売り上げに直結しない業務だからこそ、目標達成のためにどれだけ行動できているか可視化する必要があるのです。

インサイドセールスKPI設定の前に

インサイドセールスのKPIを設定する前にするべき行動を紹介します。

KPI分析環境を設定

KPIなどは、数値で表すため、計測できなければなりません。

  • メールの開封率
  • SNSのアクション数
  • 広告のクリック数
  • サイトの流入数

このような数値は一例ですが、自社の販促活動で利用しているツールのインプレッション数(顧客が何かしらコンテンツに反応した数)は把握できるようにしましょう。

KGI設定

KPIを設定する前に、最終的な目標であるKGIを設定しましょう。経営会議など、目標が大きい場合は、部署をまたいで目標について検討する必要があります。

また、「顧客を増やして満足度も向上する」などといったあいまいな目標ではなく、「顧客数を前年度から◯%増やし、顧客満足度を◯%にする」といったような、具体的な目標をたてましょう。KGIが具体的でなければ、進捗がわかりづらくモチベーションが保ちづらくなるほか、KPIが設定しにくくなります。

インサイドセールスのKPI設定・改善事例

インサイドセールスのKPIにおける設定事例や改善事例を紹介します。

セールスフォース・ドットコムのインサイドセールスにおけるKPI設定

セールスフォース・ドットコムは、KPIの指標がアポイント件数のみであった状態から、以下の項目をKPIに追加しました。

  • 有効会話数:お客様と会話をした数
  • 有効商談数:自分が決めたアポイントや、外勤営業が訪問し有効と認めた数
  • 受注金額:自分のアポイントが実際に受注された際の金額

参考:ferret Salesforceの営業フレームワークに学ぶ。インサイドセールスの価値を創造させるためのポイントとは

新商品の法人向けインサイドセールスにおけるKPI設定

大手金融系企業向けの自宅での認知症等検査キットをサービスとする、1案件あたり50万円〜1000万円程度の、インサイドセールスにおけるKPIです。

成果KPI:商談獲得率 15%~20%
活動KPI:リード創出数 500社以上(ホワイトリスト、大手企業のみ)

参考:Waris インサイドセールスのKPI設定と効率よく管理するためのポイントとは? 【事例あり】

新規リードへのアプローチが強化されたKPI設定

アイティメディア株式会社のインサイドセールスにおけるKPIでは、SQL数と行動量を二大指標として設定しています。SQLは課題感、PRしたい商材、予算、時期など9つのヒアリング項目を設け、6つ以上の項目が聞けているリードをSQLと定義しています。

行動量は、架電数、メール数、アポイント数などをトータルしたものになっています。KPIを設定し、インサイドセールス部設立以後、新規リードへのアプローチは強化されました。

参考:アイティメディア株式会社 ピヨピヨインサイドセールスの成長記

KPIの設定|種類

KPIを設定する際、どのような数値を設定するのでしょうか。KPIは、業界や目標(KGI)などによって異なり、すべての企業が同じ種類のKPIを設定するわけではありませんが、今回は一例を紹介します。

KPIツリー

以下は、実際に使われているKPIの種類をまとめた、「KPIツリー」です。

KPIツリー

今回は、このKPIツリーにあるKPIの各種類について説明し、その平均値も紹介します。

※今回のKPIは、最終目標(KGI)を売り上げ向上としています。

KGI

ここでのKPIで構成されるKGIは、「売り上げ」が設定されています。売り上げは、新規顧客からの売り上げと既存顧客からの売り上げで構成されます。

KPI

続いて、KGIの下にあるKPIです。売り上げをKGIとした場合でもさまざまな種類のKPIがあります。

新規顧客売り上げ(=新規契約数*1契約あたりの売り上げ)

まず、新規顧客売り上げについて説明します。新規顧客売り上げは、大きく分けて新規契約数と、1契約あたりの売り上げの2つで構成されます。

◉新規契約数(=商談数*受注率)

新規契約数をKPIとする場合、以下の数値が必要となります。新規契約数は、商談数と受注率で決まります。

○商談数(=見込み顧客数×商談化率)

商談数は以下4つで決まります。

  • 見込み顧客数(=アプローチ数×リード獲得率)
  • アプローチ数リード獲得率
  • 商談化率
  • 商談化改善率

○受注率

受注率は、受注率改善率(=先月受注率/今月の受注率(%))で決まります。

◉1契約あたりの売り上げ

契約あたりの売上額を指します。

既存顧客売り上げ(=既存顧客数*1顧客あたりの売り上げ)

こちらは既存顧客売り上げで、既存顧客数×1顧客あたりの売り上げで決まります。

◉既存顧客数

既存顧客数は以下3つで構成されます。

  • 新規顧客数(=新規契約数と同値)
  • 解約率(チャーンレート)
  • 解約率改善率(=先月解約率/今月解約率(%))

◉1顧客あたりの売り上げ

1顧客あたりの売り上げは以下2つで構成されます。

  • アップセルとクロスセル提案数
  • アップセルとクロスセル成功数

※アップセル:既存顧客が購入商品よりも高額なサービスを購入すること
※クロスセル:既存顧客が購入商品と他のサービスを購入すること

このように、KPIと一言に言っても、多くの種類があります。例えば、売り上げ〇〇円向上というKGIでも、KPIで何を設定するのかは新規顧客数向上であったり、クロスセル成功数であったりとさまざまなのです。

KPIを設定したらやること

KPIを設定したらやるべきことを説明します。

アクションプラン設計

まずは、それぞれのKPIを達成するために何が必要か、どのような行動をするのか計画しましょう。大抵の場合、以下の設計が必要です。

  • アプローチ方法(アプローチに使う媒体)
  • 人員
  • 期間(どれくらいの期間アプローチするのか)

例えば、新規契約数が5ヶ月150というKPIがあった場合、「5人でWeb広告50回出稿し、メールを1,000通送り、1ヶ月での新規顧客数は35とする」といったようなプランを立てます。KPIを達成するために、以上のような項目について決めてから行動しましょう。

進捗管理

KPIがそれぞれ目標期間までにどれくらい達成しているのか確認しましょう。例えば、目標より遅れていたり早すぎている場合は、状況を踏まえて、上記に挙げたアクションプランを見直しましょう。

報告

進捗管理の状況は、チームのメンバーや経営層に報告を欠かさずにしましょう。

KPI改善方法

KPIは、定期的に見直して進捗状況を確認しなければなりません。目標より数値が足りない場合に改善すべき点や、インサイドセールスのKPI改善において使えるツールを紹介します。

KPI改善のポイント

ここは一例ですが、契約数や解約数で悩んだ際には、以下の数値を見直してみましょう。

◉ターゲット層の見直し

ターゲット層が適切でない場合があります。重要視したいターゲット層の基準は以下です。

  • 性別
  • 年齢
  • 購入頻度
  • 競合サービスでの購入経験
  • 部署(対企業の場合)
  • 従業員数(対企業の場合)

◉コミュニケーションの質や量を改善

インサイドセールスにおけるコミュニケーションとは、メールや広告などを通して見込み客にアプローチする行動です。このコミュニケーションの質を改善するには、営業のトークスクリプトを見直したり、営業研修を見直したりするのが良いでしょう。

また、コミュニケーションツールを見直したり、使いこなせているかチェックするのも重要です。インサイドセールスは、Web広告やSNSなどのツールを使って顧客とコミュニケーションを取るため、リード獲得にはコミュニケーションツールがカギとなります。

コミュニケーションが多すぎたり少なすぎたりすると、顧客にとって連絡が多すぎて迷惑になったり、少なすぎて存在が希薄になったりしてしまいます。また、コミュニケーションが多すぎると従業員の負担が増えることになり、アプローチの質やモチベーションの低下が危惧されます。

◉サービス単価や質を改善

特に新規顧客に対して、サービスの質や単価が適切でない可能性があります。競合や顧客調査を通して、サービスの質や単価を見直してみましょう。

KPI改善に使えるツール

KPIを改善するときに使えるツールを3つ紹介します。

◉CRM

CRMは顧客関係管理を意味します。顧客情報や顧客とのコミュニケーションを管理・分類します。CRMを使えば、どの顧客がサービスに興味を持っているかわかるため、新規開拓型営業に生かして新規顧客数を向上できるでしょう。

▶︎CRMについてこちらの記事で解説しています>>

◉SFA

SFAは営業管理システムです。営業スケジュールや、営業した内容を管理できます。

SFAを使えば、他の営業パーソンの営業内容がみられるため、営業スタイルが統一できます。そのため、アプローチ数や商談化率が改善し、商談数や受注率向上が見込めるでしょう。

▶︎SFAについてこちらの記事で解説しています>>

◉MA

MAはマーケティングオートメーションツールです。マーケティングにおける業務を自動化し、顧客の購買頻度や年齢などの属性に合わせて、メールやDMなどのアプローチを自動で行います。

MAを使えば、あまりコミュニケーションを取らなかった顧客にも最適なタイミングでアプローチできるため、解約率を下げられます。

▶︎MAについてこちらの記事で解説しています>>

▶︎MA・SFA・CRMの違いについてこちらの記事で解説しています>>

KPI見直しのタイミング

KPIは、進捗が落ちたと気がつく前に見直しましょう。また、経営企画や四半期・中期経営計画を発表するタイミングなどでも見直しましょう。

KPIそれぞれの指標だけでなく、KGIや関連する事業での数値が変動したタイミングや、他の目標が変更されたタイミングでも変更する必要があるかもしれないため、こまめに見直しましょう。

インサイドセールスにおけるKPIは設定する種類と数値がカギ

今回は、インサイドセールスにおけるKPIについて紹介しました。設定する際には、経営目標を参考に、何の数値がどれくらい必要かを入念に検討しましょう。

▶︎DXについてこちらの記事で解説しています>>

▶︎DXの進め方ついてこちらの記事で解説しています>>

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