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2024.07.09

Perplexityが「Pages」を発表 – 最強のAI記事ジェネレーター

最終更新日:

ソフトウェアエンジニア兼イラストレーターで、AI専門メディアGenerative AIZeniteqを運営するジム・クライブ・モンジュ(Jim Clyde Monge)氏(詳細は同氏のLinkedInページを参照)がMediumに投稿した記事『Perplexityが「Pages」を発表 – 最強のAI記事ジェネレーター』では、検索AIのPerplexityの新機能であるPerplexity Pagesが紹介されています。
Perplexity Pagesの特徴を箇条書きにすると、以下のようになります。

Perplexity Pagesの特徴

  • Perplexity Pagesとは、特定のトピックについてPerplexityが検索して生成した文章をウェブ記事化するサービス。
  • Perplexity Pagesで生成された記事は、ウィキペディアのような簡潔なレイアウトをしている。
  • 対象読者を「誰でも」「ビギナー」「エキスパート」のなかから選択でき、対象読者に応じた内容を生成する。
  • 生成された内容について、出典が明記されている。
  • ユーザは生成された記事に対して、画像や動画を挿入したり、文章の編集やセクションを追加したりもできる。
  • 生成記事には、その内容についてPerplexityに質問できる。
  • 2024年7月時点では、有料サービス(月額20USドル)として提供されている。

以上のように良質なウェブ記事を迅速に作成できるPerplexity Pagesが普及すれば、インターネットにはより多くのAI生成記事が氾濫することになります。そして、低品質なAI生成記事の氾濫は、Perplexityも活用しているインターネット検索という仕組み自体の品質低下を招きかねない、とモンジュ氏は危惧しています。

また、2024年7月時点でPerplexityは著作権侵害の疑いで関係各所から批判されています。こうした批判については、以下の記事本文末尾の訳注3を参照してください。

なお、以下の記事本文はジム・クライブ・モンジュ氏に直接コンタクトをとり、翻訳許可を頂いたうえで翻訳したものです。また、翻訳記事の内容は同氏の見解であり、特定の国や地域ならびに組織や団体を代表するものではなく、翻訳者およびAINOW編集部の主義主張を表明したものでもありません。
以下の翻訳記事を作成するにあたっては、日本語の文章として読み易くするために、意訳やコンテクストを明確にするための補足を行っています。

画像出典:Perplexityより

はじめに

人工知能を搭載した世界最強の検索エンジンとしてGoogleに挑戦しているPerplexity社のことは、もうご存知だろう。最近、Perplexityは調査を行うだけでなく、包括的な記事を作成する画期的な機能を導入した。

Perplexity Pagesと呼ばれるこの機能は急速に注目を集めており、その構造化されたウィキペディアのようなレイアウトから「AIウィキペディア」とさえ呼ばれている。

「Perplexity Pages」とは何か?

Perplexity Pagesは、調査したトピックを構造化された美しいフォーマットの記事に簡単に変換する新しいツールだ。ユーザは生成された記事をPerplexityにあるユーザ作成コンテンツのライブラリに公開することで、その記事をワンクリックで読者に直接共有できる。

例えば、スティーブ・ジョブズに関する以下のページでは、すっきりと整理されたレイアウトで閲覧できる。

画像出典:Perplexityより

読者諸氏は、以上のレイアウトについてどう思うだろうか。

以上の記事はとてもきれいで、よく構成されているように見えないだろうか。私が初めて見た時は、ウィキペディアのページというよりNotionのように感じた。

テキストに加えて、Perplexity PagesにはAIが生成したバナー画像を掲載でき、ユーザは必要に応じて自分の画像に置き換えられる。

画像出典:Perplexityより

どのように機能するのか

Perplexity Pagesを使い始めるには、Perplexityのダッシュボードに移動し、Libraryタブにカーソルを合わせると、新しい “Pages “オプションが見つかる。

画像出典:Perplexityより

注記:現在、Pagesは有料ユーザのみが利用できる。ライブラリータブに「ページ」オプションが表示されない場合は、サブスクリプションの状況を確認すること。

トピックと読者を選択する:トピックを入力し、ページの対象読者を選択する。以下のような3つのオプションから選択できる。

  • 誰でも:誰でも理解できるように意図された記事が生成される。
  • ビギナー:予備知識がなくても理解できるように最適化される。
  • エキスパート:専門用語が多く、高度な内容にも言及している。

画像出典:原文記事著者による

非専門的なトピックの場合は、「誰でも」に設定するのがベストである。より専門的な話題の場合は、「エキスパート」を選ぼう。

生成を開始すると、記事が生成されるまで数秒かかる。

記事を生成する:生成プロセスを開始し、数秒待つ。AIが最も関連性の高い情報をインターネットから探し出し、ページにまとめる。ユーザは必要に応じて内容を修正したり、セクションを追加したり、画像を入れられる。

公開されたページの素晴らしい点は、ソースのトレーサビリティ(追跡可能性)だ。各セクションのソースを簡単に閲覧・管理できるので、情報の正確性を確保できる。

画像出典:原文記事著者による

生成された記事の右上隅から操作すると、下書きをプレビューまたは公開できる。公開したページは、X(旧Twitter)、WhatsApp、Facebookなどのプラットフォームで共有したり、リンクをコピーして他の場所で共有したりできる。

画像出典:原文記事著者による

注記:今すぐPerplexity Pagesにアクセスできない場合は、この機能が徐々に一部の国の一部のユーザに展開されているためである(※訳注1)。

(※訳注1)Perplexity Pagesは日本および日本語でも利用できるが、有料プランに加入する必要がある。以下のPerplexityの回答も参照のこと。

画像出典:原文記事著者による

編集とカスタマイズ

Perplexity Pagesには以下のような幅広いカスタマイズ・オプションが用意されており、単なる自動執筆ツール以上のものとなっている。ユーザは手動で記事を編集し、その質を高められる。

  • 画像の変更:デフォルトの画像をユーザが好きな画像に入れ替えたり、AIがユーザ入力のテキストにもとづいて新しい画像を生成したりする。
  • セクションの編集:セクションを並べ替えたり、削除したり、追加したりできる。
  • レイアウトの調整:画像やテキストをどのように表示させるかを選択する。
  • メディアの追加:画像、動画、表を挿入して、記事をより魅力的にする。

インタラクティブ機能

Perplexity Pagesの最もクールな点の1つは、読者がフォローアップのための質問をできる機能である。

例えば、「量子機械学習」についての記事を読んでいて、量子コンピューティングの現状を知りたいと思ったら、以下のようなプロンプトを入力してPerplexityに元のページに関連する最新の検索結果を提供してもらえる。

プロンプト:量子コンピューティングの現状はどうなっているのか

画像出典:原文記事著者による

Perplexityは、既存のページのフォローアップであることを示す表示とともに、新しい検索結果ページにリダイレクトする。

画像出典:原文記事著者による

このインタラクティブな機能によって継続的な学習の機会が提供されることで、読者の体験が向上する。

・・・

なぜPerplexity Pagesはゲームチェンジャーなのか(あるいはそうでないのか)?

Perplexity Pageを使えば、コンテンツ作成プロセスを大幅にスピードアップできる。しかし、この利便性はインターネット上に低品質なコンテンツを氾濫させることにつながるかもしれない。

AIツールへの過度の依存は、私たち自身の批判的思考や研究能力を低下させる危険性があるのではなかろうか。

さらに、Perplexity Pagesは詳細で引用の多い記事を作成できるが、AIが生成したコンテンツが大量に存在するため、AIコンテンツが他のAIコンテンツの出典といなるというサイクルが発生し、オンラインで入手できる情報の質が低下する可能性がある(※訳注2)。

(※訳注2)AI生成コンテンツがインターネット上に氾濫することによる弊害について、AINOWではさまざまな観点から紹介してきた。そうした弊害については、AINOW翻訳記事『AI企業は人間が作ったデータを使い果たした。彼らは今、AIを使ってより多くのものを作ろうとしている』と『AIがGoogle検索をひどくしたので、ネットユーザはTikTokとRedditに移っている』を参照のこと。

Perplexity Proの価格は?

PagesはPerplexityの無料版に含まれているが、1日に5回しか検索できない。検索クレジットを増やしたい場合は、月額20ドルのプロフェッショナル・ティアへのアップグレードを検討しよう。

画像出典:Perplexityより

有料版には以下のような特典がある。

  • 無制限のプロ検索:複雑な質問に対する詳細な回答のために、最も強力な検索エンジンにアクセスできる。
  • 無制限のファイルアップロード:Claude 3やGPT-4、GPT-4oのような高度なAIモデルを使用して、画像や文書などに関する質問ができる。
  • アップグレードされたAIモデル:GPT-4、Claude 3、Perplexityのような最新のAIモデルにアクセスし、より良い回答と長いコンテキストウィンドウを実現する。
  • APIクレジット:最新情報と低遅延を可能にするテキスト生成APIを毎月5ドルで利用できる。

・・・

最終的な感想

Perplexityのこの記事ライターを実験し、潜在的に(そして責任を持って)使うことに興奮していることを私は否定しない。詳細な引用が追加され、エディタ内で直接詳細を追加できる点が気に入っている。

しかし、「エキスパート」ブログスパムの増加や、AIが生成したコンテンツが他のAIが生成したコンテンツの出典となるサイクルにつながって、オンラインで利用できる情報の質が希薄化する可能性があるという懸念を無視するつもりはない。

確かに、ChatGPTを使ってもインターネットにアクセスし、本格的な記事を生成できると主張はできる。こうしたなかPerplexityの本当の利点はより良い引用を追加する能力であり、このAIを使えばAnthropicのClaude OpusやGoogleのGemini Advancedのような他のモデルに切り替えられるため、ユーザはOpenAIのモデルに縛られることはないのだ。

(※訳注3)海外メディアAxiosは2024年6月18日が報じたところによると、Forbesは同社のコンテンツの著作権を侵害されたとして、Perplexity社を非難する書簡を送った。この書簡に対して、Perplexityのアルヴァンド・スリヴァリス(Aravind Srinivas)CEOは、「より多くのフィードバックを得て」Perplexityを改善する、と釈明した。

また『WIRED』日本版は2024年6月27日、WIREDがPerplexityを調査した結果をまとめた記事を公開した。その記事によれば、Perplexityは広く採用されている「ロボット排除プロトコル(Robots Exclusion Protocol )」の規約を尊重していると主張しているにもかかわらず、これを無視している挙動が調査によって確認された。この調査結果に対してスリヴァリスCEOに説明を求めたところ、「『WIRED』の質問には、Perplexityとインターネットの仕組みに関する根本的な誤解があります」との回答が得られた。

この記事はGenerative AIに掲載されていいます。LinkedInで私たちとつながり、Zeniteqをフォローして最新のAIストーリーを常にチェックしよう。

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原文
『Perplexity Introduces ‘Pages’— The Most Powerful AI Article Generator』

著者
ジム・クライブ・モンジュ(Jim Clyde Monge)

翻訳
吉本 幸記(フリーライター、JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 #1、生成AIパスポート、JDLA Generative AI Test 2023 #2取得)

編集
おざけん

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