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DXを推進する中で、企業や組織ではさまざまな変革が要求されます。そうした中で重要なのが「DXリテラシー」です。DXリテラシーとは、簡単に言うと「DXに対する姿勢」と言い換えらます。
DXリテラシーと聞くと、ITリテラシーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
この記事ではDXリテラシーとは何なのか、ITリテラシーとはどう違うのか、その概要や必要性、そして教育方法について紹介します!
目次
DXとは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、2018年に経済産業省によって発行された「DXレポート:IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開」がきっかけとなり、日本に広く知れ渡るようになった概念です。
▶2025年の崖についてはこちらの記事で詳しく解説しています>>
経済産業省による定義では、以下のように定義されています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
つまり、「デジタル技術を用いてビジネスモデル、業務、組織の文化まで変革し、競合の中で勝ち抜ける組織にすること」と言い換えられます。
引用:経済産業省「DX レポート 平成 30 年9月7日 デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」
経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン (DX 推進ガイドライン) Ver.1.0」
▼DXについて詳しくはこちら
そもそも「リテラシー」とは?
「リテラシー」は、日常的によく聞く言葉となりました。
メディアリテラシー、情報リテラシー、コンピューターリテラシー、ネットリテラシー、金融リテラシーなど、さまざまな分野でリテラシーの高さが求められます。
リテラシーは「literacy」、英語で読み書きの能力を指す単語です。
つまり、リテラシーとは、各分野においてその仕組みを理解し、十分な知識をもって、情報を正しき理解し使いこなせる力であると言えます。
DXリテラシーとは|DXを推進する上で必要なスキル
DXリテラシーは、組織の中でDXを推進する上で必要なスキルです。DXに対する知識を持ち、必要性を理解し、実行に移せるマインドとスキルが求めらます。
DXは、業務形態から組織の文化まで、大きく変革させることが目的です。そのため、組織全体を巻き込んだプロジェクトであると言えます。
また、DXを成し遂げるためには、長期的な計画が必要です。
このことから、DXリテラシーは、自分が知識を習得するだけでなく、周りを巻き込み、共通認識として行き渡らせる力であるとも考えられます。
ITリテラシーとは
ITリテラシーとは、ITへの知識を有してそれを使いこなせる出来る状態を指します。
2017年に厚生労働省が発表した平成29年度ITリテラシーの習得カリキュラムに関する調査研究報告書の中では、基礎的ITリテラシーに関して以下のように定義しています。
現在入手・利用可能な IT を使いこなして、企業・業務の生産性向上やビジネスチャンスの創出・拡大に結び付けるのに必要な土台となる能力のこと。
いわゆる IT 企業で働く者だけでなく、IT を活用する企業(IT のユーザー企業)で働く者を含め、全てのビジネスパーソンが今後標準的に装備することを期待されるもの。
具体的には以下のとおりです。
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引用:厚生労働省「平成29年度ITリテラシーの習得カリキュラムに関する調査研究報告書」
DXリテラシーとITリテラシーの違い|手段か目的か
DXリテラシーと聞くと、ITリテラシーと何が違うのか、と疑問に感じる方もいるでしょう。
簡単にまとめると、DXリテラシーは、DX推進のためのマインドであり、ITリテラシーはIT化を進める際のマインドです。
では、DXとIT化はどのように異なるのでしょうか。
IT化とは組織の生産性向上のためのデジタル技術を導入することを目的ととします。
つまりITリテラシーは、こうしたデジタル技術を導入する際に、それらを理解し使いこなすスキルであるといえます。
一方で、DXとは、デジタル技術の導入(=IT化)などの過程を経て、組織を変革することが目的です。
つまり、IT化はDXにおける手段の一つであると言えます。
DXリテラシーの必要性
DX推進に当たり、DXリテラシーは非常に重要です。組織でDXの推進が進まないときの原因の一つに、DXに対する理解不足があります。
組織全体でDXリテラシーを高めることによって、DXへの理解や推進の重要性が共通認識され、DX推進が大きく前進します。
これにより作業の効率化、提供するサービスの改善、組織の改革を実現できます。
また、組織全体でDXリテラシーを高めることによって、DX人材の育成を促進できます。
DXは、長期にわたる計画を立てることが必要となるため、それを継続的に支えられる人材が必要です。
DXリテラシーを組織内で共有することで、DX人材の育成が可能となり、継続的なDX推進が実現します。また、そうした職員たちの個別なスキルアップにも繋がります。
▶「DX人材」の概要・業種・必要なスキルやマインドについてはこちらで詳しく解説しています>>
DXリテラシーの2つの教育方法
では、実際にDXリテラシーを高めるにはどうすればいいのでしょうか?
昨今のDXに対する理解の高まりから、DXリテラシー教育のためのさまざまなシステムが構築されています。
今回はその一部である「DX検定」と「DXリテラシー講座 / DXリテラシー研修」を紹介します。
DX検定
DX検定とは、日本イノベーション融合学会が認定する民間資格の1つです。DXへの理解度を測ることを目的とし、DXに関する知識が問われます。
獲得スコアに応じて認定レベルが異なり、DXに関する知識レベルを可視化できます。
個人・法人どちらも受験が可能で、受験実績企業として120社以上の企業名も公開されています。
社員がDXへの関心や理解を深めるきっかけとなり、DXリテラシーの向上に繋がります。
引用:株式会社ネクストエデュケーションシンク「DX検定™とは | DX検定™(日本イノベーション融合学会*ITBT(R)検定)」
▶「DX検定」の概要・難易度・勉強方法を解説|取得メリットやおすすめ書籍を紹介>>
DXリテラシー講座 / DXリテラシー研修
DXリテラシーが広く重要視されるようになった影響で、DXリテラシーを養うための講座・研修を行うサービスも誕生しています。
その多くがe-learning形式で、DXについて段階を踏みながら習得していくものです。主に、以下のようなステップがあります。
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管理職を中心に集団で受講する企業もあり、自社のDXリテラシー向上や、DX人材の育成に直結できます。
引用:株式会社STANDARD「DXリテラシー講座」
株式会社日立アカデミー「DXリテラシー研修」
▶DX人材の育成方法や育成のポイントを詳しく知りたい方はこちら>>
DX推進に向けて、DXリテラシーを強化しましょう
いかがでしたでしょうか。
DXリテラシーは、DX推進において重要なスキルであり、これは組織全体で共有される必要があります。
近年はDXに対する関心が高まっており、さまざまなサービスが誕生しています。こうしたツールを利用して、DXリテラシーを高めましょう。
▶「DX推進」の概要や必要性、成功事例についてはこちらで詳しく解説しています>>
◇AINOWインターン生
◇Twitterでも発信しています。
◇AINOWでインターンをしながら、自分のブログも書いてライティングの勉強をしています。