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2021.12.08

日本のDX推進状況はいかに|世界のDXと日本を比較

最終更新日:

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日本はDX後進国と言われており、他国と比べてDX推進が遅れています。今回の記事では、日本がDX推進を行うメリット・デメリット、成功事例を中心に紹介します。

どうして日本のDX推進が遅れているのか、原因や課題を知り、これから日本がどのように成長するのか考えていきましょう。

後進国と言われる日本のDX進捗状況

海外ではさまざまなDX推進が行われており事例が多数あります。しかし、日本は他国と比べ、DX推進が遅れていると言われています。

日本はなぜ他国に劣っているのでしょうか。

▶︎《初心者必読》DXの目的についてはこちらの記事で詳しく解説しています>>

日本はデジタル後進国

IMDが発表した「世界デジタル競争力ランキング2020」によると、日本はデジタル後進国であり、世界で27位です。このランキングは、政府や企業がどれだけ積極的にデジタル技術を活用しているかを表したものです。

知識(新しい技術を開発し理解する上でのノウハウ)、技術(デジタル技術の開発を可能にする全体的な環境)、将来の準備(デジタル変革を活用するための準備の度合い)が評価指標の項目となっています。

ランキングの1位は教育や研究開発の評価が高く、市民の電子行政への参加が急速に進んでいるアメリカです。上位にはアジアの国や地域も数多く並び、シンガポール・香港・韓国・台湾・中国などがランクインしています。

その一方、日本は世界27位となっています。日本がデジタル後進国になったのは、新型コロナウイルス感染症での対応が関わっています。

日本政府のDX推進が進めば、日本企業のDX推進がさらに進む可能性があります。現在の日本企業のDX推進が遅れている理由はどこにあるでしょうか。

参考:27位に落ちた“デジタル後進国”日本。「デジタル庁」創設でどう変わる?

日本がDX後進国な原因

日本がDX後進国な原因は、主に3つあります。

  • 経営戦略の曖昧さ

1つ目の原因は、経営戦略の曖昧さにあります。

経営者からビジネスをどのように変革させるかについての具体的な指示がないまま「AIを使って何かできないか」といった指示が出された場合、組織の人間は経営者のニーズを実現するための検証を繰り返します。

しかし、曖昧な経営戦略はビジネスの変革に繋がらず、無駄になってしまうケースが散見されています。

▶︎DX戦略についてはこちらの記事で解説しています>>

  • IT人材が不足

2つ目の原因は、IT人材が不足していることです。DX推進を行う上で、ITに詳しい人材がいなければ前に進めません。

技術の移り変わりと多様化から、社内でそのリソースを抱えることが難しくなります。システム構築・維持保守についてはベンダー企業に委ねるというスキームが当たり前になっている現在、DXを進めるために必要な人材がいなくなってしまっているのが現状です。

また、既存のシステムの仕様を理解した人材も定年などにより少なくなっているという切実な問題もあります。

日本ではIT人材の7割以上がベンダー企業に属していると言われてます。この数値は、世界的にみると、実は異常な数値で、米国はIT人材の約7割、英国・フランスでも5割以上がユーザ企業に属しています。

日本の企業でもベンダー企業にIT化を任せるのではなく、自社でIT人材を雇い高いITスキルを持つ人材に育成すべきです。

▶DX人材についてはこちらの記事で詳しく解説しています>>

  • 老朽化したシステム

最後に、老朽化したシステムに原因があります。

日本の約8割の企業が老朽化したシステムを抱えています。また7割の企業がその老朽化したシステムがDXの足かせになっていると感じています。

老朽化したシステムを抱えることは、様々な問題を引き起こします。わかりやすい例にシステムのブラックボックス化や年々上がっていく維持保守・運用費があります。

ビジネスの遷移に合わせてシステムも変える必要がありますが、もぐら叩き的な改修を行わざるを得ません。その結果、更にブラックボックス化が進んでいくといった悪循環を生み出しています。

この他にも、DXの成功率の低さやITへの投資が進んでいないことも原因として考えられるでしょう。

日本がDX後進国を脱出するための課題

経済産業省がDX推進ガイドラインをまとめました。DXを手っ取り早く進めるために、ITシステムが今後DXを実行していく上での大きな課題から、DXを実現していく上でのITシステムに関する現状の課題やそれへの対応策を中心に議論を行い、DXレポートを作成しました。

本ガイドラインは、DXレポートでの指摘を受け、DXの実現やその基盤となるITシステムの構築を行っていく上で経営者が抑えるべき事項を明確にすること、取締役会や株主がDXの取組をチェックする上で活用できるものとすることを目的としています。

本ガイドラインの活用を促し、各企業におけるDXの取組に資するように他の関連施策との連携を進めていってDX推進を実行していきましょう。

引用:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)を取りまとめました

▶︎日本におけるDXの課題についてこちらの記事で解説しています>>

日本のDX普及とこれから

2025年の壁が迫っています。2025年の壁とは、DXレポートにて経済産業省が発表したDX推進を行わないと多くの企業の業務で使われている既存のITシステムが老朽化し、使い物にならなくなるという警鐘を鳴らしたことを表します。

もし2025年までにDX推進を行えずにいたら大きな経済損失を被ります。そのため、2025年までにDXを普及させる必要があります。

DX推進の日本への影響とは

DX推進のメリット・デメリットを紹介します。

日本のDX推進のメリット

DX推進のメリットは業務効率化が図れる点です。

DXにより、業務は正確性を増し、作業時間が短縮します。また、他業務に時間を避けるようになり、更なる成長を促します。

業務効率化による人材不足の解消やコスト削減もメリットの1つです。業務が効率化することで、業務時間が短縮し、人件費削減に繋がるのです。

日本のDX推進のデメリット

DX推進のデメリットは初期費用のコストにあります。デジタルトランスフォーメーションへ取り組むためには、ITツールなどの拡充が必要になるケースがほとんどです。

ツールの導入には初期費用やランニングコストが発生します。また、効果が出るまでには時間がかかる場合があるため、それまでのランニングコストも覚悟しなければなりません。

経営層にとっては、この点が大きな課題となるでしょう。大企業であれば心配はありませんが、中小企業が多額の金額でシステムを導入するのかは慎重に考えるべきです。

参考:デジタルトランスフォーメーションとは? 導入のメリット・デメリット

▶︎DX推進の3つのメリットについてこちらの記事で解説しています>>

DXが発展している国と日本の違い

DX先進国中国後進国日本を比較して紹介します。

中国は過去10年で「リープフロッグ現象」とも呼ばれる急発展を遂げ、DX先進国として頭角を現しました。リープフロッグ現象とは、インフラが整備されていない新興国において、先進国では考えられないスピードで、新たなサービスが急速に普及することを指します。

急激に成長した中国と比べて、日本は固定電話→子機→携帯電話と段階を経てスマートフォンが普及しました。もともと固定電話の普及率が低かったインドや南米などでは、スマートフォンが凄まじい勢いで広がっています。

ここから、日本が勢いに乗り切れていない部分があることがわかります。この格差が起きた要因を2つを説明します。

金融インフラ

金融インフラによって、中国はDX分野で驚異的な成長を遂げています。日本では1960年代から銀行系やダイナースクラブカードといったクレジットカード決済が普及しました。

しかし、中国では2002年に初めて中国人民銀行による電子決済ネットワーク中国銀聯が設立されました。日本より40年ほど後に設立した銀聯は、現在VISAに次ぐ世界2位のクレジットカードブランドに成長しています。

世代によるDXの受容度の温度差

中国と日本では、世代によるDXの受容度の温度差があります。

日本は高齢化率世界1位、労働世代が全人口に占める割合がOECG加盟国の平均を大幅に下回っています。年齢を問わずスマートフォンの所有率は上昇していますが、DXに対して抵抗を感じる世代層が厚いです。

一方中国は、デジタル機器と共に成長したデジタルネイティブ世代のみならず、「シルバーエイジ」の過半数がネットショッピングの体験があるなど、高齢者層もデジタル消費に大きく貢献しています。両国におけるDXの受容度に、温度差があるのは明らかです。

参考:「DX」先進国中国VS後進国日本 格差を決めた4つの要因

日本政府のDXに関する取り組み

東京都庁は、DXの取り組み開始前段階にいます。新型コロナウイルス感染症との戦いは、デジタルトランスフォーメーションの遅れなどの日本が抱える社会の構造的な課題を顕著に映し出しています。

DXの推進を梃子として制度や仕組みの根本まで遡った「都政の構造改革」を強力に推進し、都政のQOS(Quality of Service:ネット上で提供するサービスの品質)を向上させることで、都民のQOL(Quality of life:生活の質)を高め、誰もが安全・安心で幸せを享受できる社会を実現します。

2025年度から「デジタルガバメント・都庁」の基盤構築を目標とし、現在の仕事の進め方や職員自身、都庁の組織を大胆に変革させます。そして、2040年代には東京の姿「ビジョン」の完成を目指します。

参考:構造改革の推進

▶︎経済産業省が進めるDX関連施策についてこちらの記事で解説しています>>

日本企業のDXに関する取り組み

今回は以下3つの企業のDXに関する取り組みを紹介します。

  1. トヨタ自動車
  2. 日本交通
  3. kindle

トヨタ自動車

世界のトヨタ」と呼ばれるトヨタ自動車はどのようなDXの取り組みをしているのでしょうか。

トヨタ自動車は9月16日、マーケティングの変革や新規事業の立ち上げを目的に、電通グループと新会社を設立すると発表しました。トヨタが66%、電通グループが34%を出資する持ち株会社を新設し、トヨタ傘下の広告代理店トヨタ・コニック・プロ株式会社とDXを推進する新会社をぶら下げています。

トヨタ、電通グループ、デルフィスは9月、デルフィスによる電通グループへの第三者割当増資を含む、資本業務提携を結びました。今後、各国の競争法当局の承認などを取得後、電通グループがデルフィスに出資し、2021年1月に事業を始める計画です。

引用:トヨタと電通、DX推進で新会社 マーケティングを変革「広告代理店の枠組みを超える」

日本交通

タクシー事業を展開する「日本交通株式会社」は、AIを活用した配車予測システム「AI配車」を開発してDXを実現しました。

日本交通は、時期や地域によって変化するタクシーの需要が把握できず、適正に配車が実施できなかったため稼働率が上がらないことが課題でした。そこで、AIを活用して交通機関の状況(事故や遅延など)や各種イベント情報、気象情報、地域、時間といったさまざまなデータを分析できるシステムを開発し、タクシーの需要予測が最適化できるようにしました。

その結果、地域ごとに適正な配車ができるようになり、稼働率の向上に成功します。また、顧客に対してはタクシー配車アプリ「GO」を提供し、アプリ上で乗車位置やタクシー会社を指定するだけで配車を実施できるようになったことで、顧客満足度の向上も実現しました。

参考:【DX事例】14の成功事例から学ぶ!DXの効果と推進のポイント

kindle

kindleとは、Amazonの電子書籍サービスです。近年では、紙媒体の本を購入するのではなく、電子書籍で本を読んでいる人を多く見かけます。

時代の移り変わりとともに、常識がどんどん変化します。本のページ数が多いほど紙媒体の本は重くなります。

それと比べてkindleは重さを心配する必要がありません。24時間購入可能な点や紙の本より安くで購入できるなど、kindleは現在注目されているDXサービスです。

▶︎DXの成功事例はこちらの記事で30個まとめて詳しく解説しています>>

日本がDXで先進国に追いつくには

JEITAとIDC Japanによる調査では、日本企業のDXへの取り組み状況に関する調査を行っています。

結果は、日本ではDXに取り組めていない企業とDXを知らないと回答した企業の合計が全体の33.4%を占めていました。それに対し、米国ではDXに取り組めていない企業とDXを知らないと回答した企業は、わずか3.6%でした。

日本企業がコロナの影響でDXへの取り組みが加速したとはいえ、米国企業と比較すると、DXに対して、取り組みの割合に大きな開きがあることが明らかになりました。また、日本企業と海外企業では、DXに対する意識に関しても大きな違いが見られます。

日本企業は海外企業に比べ、組織レベルでITへの投資意識が低いことに加えて、経営トップ層においてもDXに直接関与している割合が低くなっています。そのため、DXの認知度を高め、企業のDX化にこだわらず国全体でDXの取り組みに力を入れるべきでしょう。

まとめ

今回の記事では、日本のDX推進が遅れている実態ととともにDX推進メリット、デメリットを合わせて紹介しました。

日本がDX後進国から脱出するためには、先進国中国やアメリカの取り組みを参考にすることが大切です。原因、課題に重点を置いて、これからの日本のDX化に着目していきましょう。

▶︎DXの進め方|参考にしたい3つの成功事例や推進のポイントについてこちらで紹介しています>>

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