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自然言語処理を学ぶために本を探しているけど、結局どの本を選べばいいのかよく分からなくなっていませんか?
本で入門程度の自然言語処理を学んでみたい方もいれば、自然言語処理のシステム開発を学びたい方もいるでしょう。
そのような方々のために、本記事では自然言語処理を学ぶための本を学習レベル別にご紹介します。
また記事の後半では、PythonやJavaなどのプログラミング言語別に、自然言語処理を学ぶための本もご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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初心者向け自然言語処理におすすめな本6選
初心者におすすめの本は、次の6冊です。
それぞれ解説していきます。
① 自然言語処理の基礎
- 内容
本書は、人間が読み書きしている言語(自然言語)をコンピュータ上で処理する技術である自然言語処理についての学部生用教科書です。
自然言語処理の各解析ステップについて、初心者でも分かるようにやさしく解説されているため、まさに自然言語処理の入門書といえる一冊でしょう。
- 読者のレビュー
自然言語処理に関わる技術を網羅的に、なおかつ丁寧にまとめ上げられていました。自然言語処理に触れたいけど、どのように始めればいいのか分からない人にとっての必読書だと思いました。
この本を読んで、自然言語処理についての基礎知識を理解し、自然言語処理を使って何をしたいかを考え、その目的に沿ったツールや書籍を活用すればいいと思います。
▼引用元
読書メーター: https://bookmeter.com/books/660728 より
②自然言語処理の基本と技術
- 内容
ハードウェア&ソフトウェアの高度化、高速化に伴い「自然言語処理」と呼ばれる「人間の言葉をコンピュータに理解させ、活用させる、結果を返させる」テクノロジーが実用化のレベルまで到達しつつあります。
本書は、この自然言語処理の、技術的、ビジネス的基礎知識をくまなくコンパクトに図解した一冊です。
- 読者のレビュー
本書に数式は出てきません。自然言語処理で何をどの程度まで実現でき、どこに困難を抱えているか、という現状の概観を、検索エンジンなどの身近な例で説明しています。そこで使用されるロジックについては、基本的な考え方のみが述べられています。
私は、自然言語処理を使って面白いことができないかな?というのを調べたいと思っていたので、本書がとても合っていました。同様の方は、まず本書で概要を抑え、それから他の本で詳細を学ぶのが良いのではと思います。
▼引用元
Amazon:自然言語処理の基本と技術 より
③機械学習・深層学習による自然言語処理入門
- 内容
本書では、自然言語処理について、今まで学習したことがない人でも学べるように、基礎から解説しています。
自然言語をコンピュータで処理するために、事前にどのような処理をしておくのか、どのように単語や文章を解析するのか、自動翻訳などのタスクを実行させるためにどのような処理を行うのか、などについてやさしく説明していきます。
本書の特徴として、ほとんどの実装で日本語のデータを使っている点があります。機械学習を用いた自然言語処理手法を日本語に対して適用しようとすると、途端にデータセットの壁に当たります。このような状況を踏まえ、本書では、日本語のデータセットで自然言語処理の様々なタスクを試せるようにしています。
- 読者のレビュー
サンプルコードと共に、基礎からしっかり自然言語処理を解説。コードは全てGoogleColab上で実行できるので、無駄に環境構築などで疲弊しないで済むのがありがたい。
説明はやや前提知識を要する部分もあったように思うが、ほとんど初見でも調べながらで進める範囲と感じた。
▼引用元
読書メーター: 『機械学習・深層学習による自然言語処理入門 – 読書メーター (bookmeter.com) より
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➃言語処理のための機械学習入門
- 内容
本書は、自然言語処理における機械学習の利用について理解するため、その基礎的な考え方を伝えることを目的としています。
広大な同分野の中から厳選された必須知識が記述されており、論文や解説書を手に取る前にぜひ目を通したい一冊であるといえるでしょう。
- 読者のレビュー
放送大学の教科書『自然言語処理』の次に読むとよいと思います。言語処理に関連するトピックが幅広く紹介されており、モデルの解説も丁寧です。
放送大学の教科書に比べると数式も多いですが、ゆっくり読んでいけばそれほど難しいものではないと気付くと思います。
この本を読めば、あとは実装しながら必要に応じて専門的な本/論文に進めばよいでしょう。
▼引用元
Amazon: 言語処理のための機械学習入門 より
➄自然言語処理〔改訂版〕
- 内容
近年のコンピュータおよびコンピュータネットワークの進展とともに自然言語処理技術は劇的に進展し、ウェブサーチ、対話システム、機械翻訳などの応用システムが我々の日常に浸透しはじめています。
本書では、その背後にある自然言語の性質、自然言語をコンピュータで処理するアルゴリズムや仕組み、難しさ、今後の展開などを解説していきます。
- 読者のレビュー
基礎を一通り理解するにはうってつけの本だと思います。他の本には基本的な用語や概念についての体系的な説明がなく、理解に苦労しました。
薄い本で具体的なコーディングの例などはありませんが、教科書を読んで勉強する楽しさを再発見できます。
▼引用元
Amazon: 自然言語処理〈改訂版〉 より
⑥BERTによる自然言語処理入門
- 内容
本書は、自然言語処理の近年における発展に大きな役割を果たし、応用上も有用であるBERTの入門書です。前半で自然言語処理や機械学習について概説したのち、後半でBERTによってさまざまなタスクを解いていきます。
具体的には、文章分類・固有表現抽出・文章校正・類似文章検索・データの可視化を扱います。データセットの処理から、ファインチューニング(BERTを特定の言語タスクに特化させるための学習)、性能の評価までの一連の流れを体験することで、BERTを自分で使えるようになることを目標としています。
- 読者のレビュー
自然言語処理入門とある通り、自然言語関連の問題を扱う深層学習モデルについて実装メインで説明が行われています。
自然言語モデルについてRNNやTransformersなどの仕組みをより詳しく知りたいという人には、ゼロから学ぶディープラーニングの2巻(自然言語処理編)を読んでみてからこの本に取りかかることをオススメします。
具体的なタスクに一般的に扱いにくいとされている日本語で取り組む際の様々なテクニックが紹介されていて他にはない良書だと思いました。日本語の自然言語モデルに興味のある人は是非読んでみてください!
▼引用元
Amazon: BERTによる自然言語処理入門 より
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中級者向け自然言語処理おすすめ本5選
自然言語処理について基本的なことを網羅しており、さらに高度な自然言語処理を学びたいという中級者におすすめの本は、次の5冊です。
- 深層学習による自然言語処理
- 日本語入力を支える技術
- Speech and Language Processing – 音声と言語処理
- Natural Language Understanding – 自然言語に関する理解
- PyTorch自然言語処理プログラミング
それぞれ解説していきます。
①深層学習による自然言語処理
- 内容
本書は、自然言語処理の応用(機械翻訳、文書要約、対話、質問応答)に焦点を当て、深層学習の利用方法を解説しています。実装上の工夫など、本書でしか読めない実践的な内容も充実しています。
- 読者のレビュー
想定読者に求められる素養は比較的高いです。ニューラルネットワークに関する基本的な仕組みをある程度把握しており、自然言語処理方面への深層学習の活用を見出したいという方に最適と思われます。
自然言語処理に関する素養は必ずしも要求されませんが、基本的な用語や考え方には深層学習以前から共通する点が多いため、簡単に勉強しておくと理解の助けになります。
実装や最適化に関する話題もありますが、基本的には学術書であり、「コードを書いて覚える」タイプの本ではない点には注意しましょう。
▼引用元
Amazon: 深層学習による自然言語処理 より
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②日本語入力を支える技術
- 内容
本書では日本語入力、その中でも特にかな漢字変換について、どのように作るのかをサンプルコードなどを用いながら噛み砕いて紹介しています。
日本語入力に興味がある方にはもちろんですが、自然言語処理や機械学習に興味があって、一度具体的な応用に触れてみたいという人に向けても書かれた1冊です。
- 読者のレビュー
擬似コードがたくさん載っていてわかりやすい。また、アルゴリズムの説明が多いので、深くまで日本語入力の仕組みを知れる。
日本語入力を勉強する人だけでなく、自然言語処理を勉強する人は読むべき本。
▼引用元
楽天books: 楽天ブックス: 日本語入力を支える技術 – 変わり続けるコンピュータと言葉の世界 – 徳永拓之 – 9784774149936 : 本 (rakuten.co.jp) より
③Speech and Language Processing – 音声と言語処理
- 内容
本書は、自然言語処理、その歴史や音声認識技術まで網羅しています。そのため、機械学習と自然言語の関係について学びたい人向けの書籍といえます。
ただし、翻訳版の無い専門書であるため、読解の難易度が高い本だともいえるでしょう。
➃Natural Language Understanding – 自然言語に関する理解
- 内容
本書は、自然言語処理における構文解析や意味解析、文脈解析などがバランスよく解説されています。
こちらも翻訳版は無いですが、専門的な用語を多用していないという特徴があります。
また、本書は先ほどの『Speech and Language Processing』と同様、英語における自然言語処理を学びたい人向けの書籍といえます。
➄PyTorch自然言語処理プログラミング
- 内容
本書では、機械学習フレームワークのPyTorchを利用することで、ディープラーニング技術を使ったプログラムをより容易に実装する方法を解説します。
本書で作成するプログラムは、「文章内の単語の品詞を分類する」「日英の機械翻訳を行う」「質問に対する回答を返す」ことなどを目的にしています。
- 読者のレビュー
サンプルプログラムと共に本の通りに進めていくと基本はなんとなく理解できました。
そもそもPyTorchを使ったのが初めてなので、自然言語解析の分野で一体どれくらいのこと可能なのかがわかっていませんが、もうちょっと実用的・応用的なサンプルプログラムがあればよかったかなと思います。
▼引用元
Amazon: PyTorch自然言語処理プログラム より
自然言語処理をプログラミング言語別で学ぶのにおすすめな本5選
自然言語処理を行えるプログラミング言語であるPython・Java・C++・Cでそれぞれ学べる本は次の5冊です。
- Pythonで動かして学ぶ 自然言語処理入門
- Python自然言語処理101本ノック ~基礎からBERTまで~
- Javaで学ぶ自然言語処理と機械学習
- C++で学ぶディープラーニング
- 自然言語処理と深層学習
それぞれ紹介していきます。
①Pythonで動かして学ぶ 自然言語処理入門
- 内容
本書は、Pythonのプログラミングを経験している読者が、各種オープンソースソフトウェア(OSS)やライブラリを利用して、自然言語処理を行うWebアプリケーションを作って動かし、自然言語処理を体験するための書籍です。
またその中で、自然言語処理に関連するさまざまな概念や手法、簡単な理論についても学ぶことができ、本格的な学習の前段階としても最適です。
- 読者のレビュー
形態素解析から知識資源の活用など、カバーする内容が広いので、自然言語処理そのものの入門ではなく、Python で自然言語処理を扱うための入門という位置付けだと思います。
内容は平易で難しい計算式や理論などは省き、具体的なコードで入力から出力まで確認できるので、非常にわかりやすいと思いました。
▼引用元
Amazon: Pythonで動かして学ぶ 自然言語処理入門 より
②Python自然言語処理101本ノック ~基礎からBERTまで~
- 内容
本書は、実際にPythonでプログラムを書きながら101問の問題演習を行っていくことを通して、「自然言語処理」✕「深層学習」で驚くような成果を生み出すソフトウェアをPythonでゼロから作る力を養うことを目的としています。
本書を実践しながら順番にこなしていくことで、かの有名な「Google翻訳」にも利用されている「ニューラル機械翻訳」の技術を使ったソフトウェアを自ら作れるようになることを目指します。
- 読者のレビュー
自然言語処理は、画像処理やテーブルデータでの機械学習に比べ、情報が体系的にまとめられた書籍が少ない印象です。
その中でも「Python自然言語処理101本ノック」は覚えておくべき基礎からBERTの比較的新しい処理まで記載されています。
▼引用元
Amazon: Python自然言語処理101本ノック ~基礎からBERTまで~ より
③Javaで学ぶ自然言語処理と機械学習
- 内容
本書は、自然言語処理における機械学習の利用について、Javaによるプログラム例を多数掲載し、わかりやすく解説しています。
自然言語処理や機械学習の基本を丁寧に解説されるだけでなく、サンプルプログラムを拡張する演習問題や豊富な実装例が掲載されているため、理論と実践をバランスよく身につけることができます。
➃C++で学ぶディープラーニング
- 内容
本書は、ディープラーニング(深層学習)の基礎を学ぶ初級者やソフトウェアエンジニアの方を対象に、ディープラーニングのベースとなっているニューラルネットワークからその派生技術や応用まで、実際に動くC++のソースコードを参照しながら学ぶ内容となっています。
前半はニューラルネットワークに関する必須知識を扱い、後半ではニューラルネットワークの派生技術や応用に言及し、徐々に高度な内容となっていきます。
- 読者のレビュー
ライブラリを使っているだけでは中身がブラックボックスのままだが、本書のようにブラックボックスの中を開けてみる試みは、ライブラリを使うだけの人にも非常に有用なことだと思います。
▼引用元
Amazon: C++で学ぶディープラーニング より
➄自然言語処理と深層学習
- 内容
本書は、人工知能研究における主軸の一つである「自然言語処理」について、わかりやすく解説するものです。人工知能研究における自然言語処理分野でよく用いられる機械学習の理論をわかりやすく解説し、それらの知識を前提として深層学習とは何かを教えてくれます。
単に概念を羅列するのではなく、豊富な実装例や演習問題を通して、自然言語処理の理論と実践をバランスよく学べるように紹介していきます。
- 読者のレビュー
機械学習による自然言語処理の入門レベルの書籍。題は大仰だが内容は機械学習および自然言語処理の基本的な考え方に関する解説とその最も素朴な実例の実装のみに留められている。
具体的には自然言語処理分野ではn-gramとbag-of-words、機械学習分野ではCNNとRNNの最も単純な実例のみがそれぞれ図表とソースコード例を用いて丁寧に解説される。
C言語に抵抗がなければ全く機械学習の実装を知らない状態からの一冊目の入門書として非常に適しているように思える。
▼引用元
読書メーター: https://bookmeter.com/books/11613085 より
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まとめ
今回は、『自然言語処理を学べるオススメの本』を学習レベル・プログラミング言語別に紹介してきました。
自然言語処理はGoogle翻訳やDeepLなどの機械翻訳、さらに文字変換予測機能にも用いられるなど、今や私たちの生活に欠かせない技術です。
そして、今後もさらなる進化が見込まれる技術ですので、どの本を購入しようか迷っている方は本記事で紹介した本をぜひ参考に学習や開発を行ってみてください。
AINOW編集部
難しく説明されがちなAIを読者の目線からわかりやすく伝えます。