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2021.11.26

AI×スポーツの活動事例12選|2021年以降の変遷予測まで徹底解説!

近年、東京オリンピック開催の影響もあり、スポーツ業界におけるAI活用が推進の動きが強まっています。例えば、試合中、観戦、マネジメント、パーソナルトレーニングなど、活用の範囲はさまざまです。

特に画像認識やデータ分析は、各種スポーツとの相性が良いため今後さらなる普及が期待されます。

とはいえ、スポーツ×AIの具体的な活用例について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、13個のAI活用事例を場面ごとに分けて(試合中・観戦・マネジメント・パーソナルトレーニング)徹底的に解説していきます。

また記事の後半では、AIに関連したビジネスを考えている方に向けて「AI×スポーツの将来性」を展望していますのでぜひご覧ください。

▼AIについて詳しく知りたい方はこちら

AI×スポーツの活用例12選

ここからは、AI×スポーツの活用事例を以下4つの分野に絞って紹介していきます。

【試合中】AI×スポーツの活用例

「試合中におけるAI×スポーツの活用例」として紹介するのは以下の3つです。

  1. 【テニス】自動ライン判定システム
  2. 【体操】採点支援システム
  3. 【野球】ロボット審判

それぞれ解説していきます。

①【テニス】自動ライン判定システム

近年、テニスの試合ではカメラを使ったライン判定システムが普及してきています。現在では、テニスクラブやグランドスラムのようなプロ競技での導入が顕著に見られます。

人間の目視と比べて判定の精度が高く、多くの選手が肯定的な反応を示しているため、このまま定着する可能性が高いとされています。

一方で、懐疑や不満の声が見られるのも事実です。

ソニーが開発した「ホーク・アイ」は、コート1面の導入に最低でも6万ドル(約650万円)かかるとされており、グランドスラムの全コート分ともなればその費用は莫大なものになります。

このように、価格が高額であることから一般娯楽としてのテニス競技では導入が進まず、現状としても低価格帯の製品は市場に見当たりません。

また、このシステムはテニス以外にサッカーやクリケットなどでも導入されており、これからさまざまな競技でも普及していくことが予測されます。

②【体操】採点支援システム

近年、体操競技では技の難易度向上により、審判の負担が増しているという課題が深刻化していました。

そこで、難易度の高い技に挑み続ける選手たちの演技を的確に採点するために導入されたのが「AI採点支援システム」です。

同システムは、高難易度の技を繰り出す選手に3Dセンサーをつかって毎秒200万回以上のレーザーを照射し、手足の位置やひねりの回数などを把握して技の難易度や点数をアウトプットします。

2018年には国際体操連盟が正式に採用を決定し、2019年にドイツで開かれた世界体操競技選手権大会でも導入されました。

また、このシステムは体操競技と同じように技の高度化が進むフィギュアスケートの採用なども考えられています。

③【野球】ロボット審判

2019年。「米大リーグ機構(MLB)と審判員組合が2024年までの労使協定で、コンピュータによるストライクボール判定を将来的に導入することで合意しました。

現在メジャーでは、多くの球団が球審たちのヒートマップを独自に作っています。ルール上のストライクゾーンとは別に、実際にプレート上のどこをストライクと判定してきたか、傾向を可視化してゲームプランづくりに役立てるためです。

周知のとおり、ストライクゾーンはルールで決まっていますが、コールするのは球審であり個々の裁量に任されているという状態が実情です。そのため、ルールとの差で齟齬をきたし人によって個人差も生まれてしまいます。

野球の審判は選手の体格によって判定が異なるため、技術的な問題で未完成な部分が否めません。しかし、野球を次のレベルに引き上げるものとして球界に大きな変化を与えることは間違いないでしょう。

▶関連記事|AI・人工知能が搭載されたロボットまとめ>>

【観戦】AI×スポーツの活用例

「観戦におけるAI×スポーツの活用例」として紹介するのは以下の4つです。

  1. リアルタイム勝敗予想
  2. ドローンでのカメラ中継
  3. AIの試合解析による新しい観戦体験
  4. 会場周辺の混雑予測

それぞれ解説していきます。

④リアルタイム勝敗予想

2019年、電通などの3社がサッカーの試合中に勝敗をリアルタイム映像から予測するシステム「AI11」を開発し、サービスを開始したと発表しました。

AI11は、ボールと選手の動きを基に、対戦チームそれぞれが勝つ確率と引き分けの確立を算出しパーセントで表示する仕組みです。

東アジアサッカー連盟主催の国際試合「EAFF E-1選手権」約480試合分のデータをディープラーニングで学習させることで、勝ち負けを予測するロジックを構築しました。

今後は、コンテンツ配信企業などを通じてさまざまな大会に同システムを導入し、観戦体験価値の向上を目指しています。

⑤ドローンでのカメラ中継

ドローンでのカメラ中継は、サッカーやラグビー、スノーボード・スノーモービルのような選手の細かい動きを全体的に見る必要がある競技で活用されています。

選手が一箇所に集中することが多い競技やコース全体の様子や位置関係などを把握することで、戦術的な動きや選手が感じているスリルを疑似体験することができるようになりました。

また、試合映像の中継だけでなく練習や戦術の考察にも活用されており、今後ますますドローンの活躍が期待されます。

▶AI搭載のドローンって何?|できること・活用例・今後など詳しく解説!>>

⑥AIの試合解析による新しい観戦体験

ライブリッツ株式会社は、映像制作ツール「Fastmotion V3」の提供を2021年6月20日より開始しました。同ツールは、野球のプレー映像をAIで解析し、ボールや選手の動作起動をアニメーションにしてデータとともに映像コンテンツを作るサービスです。

観戦者は、これまで感覚的にとらえていた選手の運動能力やプレーの迫力を客観的なデータと視覚的にわかりやすい映像で表現できるため、ファンに新しい観戦体験を届けることができます。

⑦会場周辺の混雑予測

2021年に開催された東京五輪・パラリンピックでは、会場周辺で発生する混雑に対応するため、人工知能を活用した混雑緩和システムが導入されました。

従来は車両の交通規制などによる渋滞の緩和がメインでしたが、さらに歩行者までも対象とした混雑対策がとられました。

会場周辺の状況をAIが判断して、30分後の混雑状況を電子看板やスマートフォンを使って知らせる仕組みです。観客らは空いているルートや駅を選択するようになるため、効率よく混雑が緩和できます。

このシステムが普及することで、特に混雑しそうな場所に警備員を手厚く配置するのにも役立てることができるなど、さまざまな場面で好影響をもたらしています。

▶「AI予測」の活用事例についてはこちらの記事で詳しく解説しています>>

【マネジメント】AI×スポーツの活用例

「マネジメントにおけるAI×スポーツの活用例」として紹介するのは以下の3つです。

  1. AIによる戦術立案
  2. 選手のコンディション管理
  3. 選手のモチベーションアップ

それぞれ解説していきます。

⑧AIによる戦術立案

近年のバスケットボール業界では、データを見える化することで最適解の戦略を追求しています。富士通の女子バスケチーム(レッドウェーブ)が練習する体育館には、8台のカメラが天井に設置されました。

カメラを設置すると、選手全員の動きを記録し、シュートの成功・失敗を分布図で可視化できるようになるため、従来と比較してより細かな分析が可能になります。

このようなサービスが発展すれば自分のチームはもちろん、対戦相手1人1人を分析して戦術を練ることも可能になるでしょう。

⑨選手のコンディション管理

2019年に株式会社ユーフォリアと日本電気株式会社(NEC)は、アスリート向けコンディション管理サービス分野において実証実験を実施し、協業に向けての取り組みを開始しました。

具体的な取り組みとしては、ウェアラブルデバイスで取得した生体情報データや、アスリート自身が入力した日々のコンディションデータなどを「ONE TAP SPORTS」で培った治験と、NECのAI技術を活用したデータ分析により、パフォーマンス向上とケガの予防をサポートする仕組みを構築しています。

この分析データをもとに、アスリートの疲労・熱ストレス・睡眠の質などを客観的・定量的な値で指標化し提供することにより、アスリート自身のセルフケア意識の向上を図り、パフォーマンス向上とケガ予防を支援します。

また両社は協業に先立ち2019年6月から、VリーグのNECレッドロケッツ、ジャパンラグビートップリーグのNECグリーンロケッツを対象に実証実験を実施し、2020年度に事業化を実現しました。

⑩選手のモチベーションアップ

選手のモチベーションアップを図るために作られたシステムに、Life Beams社のイヤホン型パーソナルトレーナー「Vi」があります。

Viは以下の6種類の値を、バイオセンサーやGPSなどから計測してくれます。

  • 心拍数
  • 道の勾配
  • ペースの変化
  • 移動速度
  • 移動時間
  • 移動距離

これらの機能のミソは、計測から蓄積・分析した結果を音声としてユーザに伝えてくれるところです。走行中に聞きたい情報をつぶやけば、「Siri」や「Google assistant」のように答えてくれます。

また、Viには運動の種類に応じたオリジナルプレイリストを作成してくれる機能なども搭載されています。

その他豊富なサポートにより、自分1人で運動するよりも高いパフォーマンスを引き出してくれることが期待できるでしょう。

【パーソナルトレーニング】AI×スポーツの活用例

「パーソナルトレーニングにおけるAI×スポーツの活用例」として紹介するのは以下の2つです。

  1. 個人に適したトレーニングを提供するフィットネスジム「FURDI」
  2. 食事トレーニングアプリ「food coach」

それぞれ解説していきます。

⑪個人に適したトレーニングを提供するフィットネスジム「FURDI」

FURDIは(ファディー)はパーソナルトレーナーがユーザー1人ひとりにあったオリジナルのプログラムを組み、そのプログラムに沿ったメニューを大画面に映るAIトレーナーの指導とともにエクササイズできる、非接触型・女性専用AIフィットネスジムです。

ファディーには3つのポイントがあります。

  • 在宅トレーニングが可能
  • 運動スコアの表示
  • ランキング

このように、トレーニングの成果が点数で表示されるため、初心者の方でもゲーム感覚で楽しむことができます。

また、専属トレーナーがつくジムでは月額10万円を超えるのも珍しくありませんが、ファーディーでは、AIトレーナーと人のトレーナーのW指導を取り入れることで月額6,980円(税抜)を実現しています。

⑫食事トレーニングアプリ「food coach」

food coachは、最強レスリングチームを育んだ至学館大学が開発した国内初のAI搭載食事トレーニングアプリです。

家庭料理からコンビニ、ファミレスなど、10万件の食事データを搭載しているため、食べた料理を一覧から選ぶと簡単に栄養価が計算できます。

同アプリでは、「体重」「体脂肪」「筋肉量」「競技種目」「ポジション」などの細かいデータをAIが分析し、栄養素の過不足をグラフ化や点数化により可視化してくれます。

その他にも、「おやつを『補食』として捉え、足りない栄養素を軽食を提案する」「試合前に適した食事と、試合後の疲労から回復するための食事を提案する」など、従来のヘルスケアアプリには無かった機能が詰め込まれています。

▶関連記事|《AI事例25選》産業別にAIの活用事例をまとめました>>

AI×スポーツの将来性

今後はスポーツにAIの導入が拡大していくことが予想されます。AIがプレーや試合結果の予測を行うことで、必要のない動きや戦術が削ぎ落とされるなど、競技そのものを変化させていく可能性もあります。

また、観客は欲しいデータを見ながらエンターテイメント性が増した競技を楽しむことができるため、多様な視点でスポーツ観戦を楽しめるようになっていくかもしれません。

東京オリンピック・パラリンピック開催の影響もあり、スポーツ業界におけるAI技術はこの数年で大きな変化を見せていくでしょう。いずれにしても、すでにAIはスポーツと密接に関わっています。

▶AIは今後どういった進化を遂げるのか。そして私たちへの影響は?>>

まとめ

今回は、スポーツ業界でのAI活用事例を場面ごとに分けて解説してきました。いかかだったでしょうか?

AIを上手く付き合っていくことで、より効率的なトレーニングが可能になります。AI導入によるメリット・デメリットを把握した上で、適切に活用していきましょう。

少しでも、皆さんのAIに対して掴みきれない知識が明確になれば大変幸いです。

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