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2021.11.04

組織にてDXを推進する6ステップを紹介|失敗・成功事例など解説!

最終更新日:

2020〜2021年の一年間、世界において新型コロナウイルス(Covid-19)が急激に感染拡大すると共に、大多数の株式会社は働き方やビジネスモデル、組織の座組み編成を余儀なくされ、社内外大きな変化があった一年になったのではないでしょうか?

特にどの企業でも体験している一番大きな変化は、働き方改革です。ZoomやGoogle Meetを使ったリモートワーク、社内会議、ビジネス商談などで場所に縛られない働き方が増えてきました。

また、この事柄は日本の大多数の企業が少しばかりではありますが、DX(デジタルトランスフォーメーション)に繋がるための第一歩となったでしょう。今後AI、Iot、ビッグデータの登場により日本の企業は世界の企業と競争に勝ち抜くためにDX化を強いられております。

この記事では、日本DX市場において現在先頭を走る企業のDXの成功例から失敗例、DXを成功させるための組織体制について整理・解説します。

組織でDX化を検討している経営者の方やDX推進を任された幹部の方必見の記事です。本記事を読めば、今後さらに飛躍するためのDX組織づくりの基礎知識を身につけられるので、是非ご一読ください。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義おさらい

最初に、DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義や解釈をおさらいしていきましょう。

現在ビジネスの界隈で浸透している定義は、以下のとおりです。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

上記の定義は、日本経済産業省が2018年に「DX推進ガイドライン」にて発表したものであり、ビジネスの視点がメインとなっています。

現在話題になっているDXの多くは、経済産業省が定義するようなビジネス視点でのDXが主で、企業がいち早く外部環境・内部環境の変化を捉え、デジタルの力を使って最適な経営戦略に導くことによって、新しい価値創出することが重要になっています。

▼DXについて詳しくはこちら

そもそもなぜDXを活用した組織改革が必要になったのか?

DXを活用した組織改革が必要になった背景の1つとして、2018年9月7日に経済産業省が発表したDXレポートの中にあった「2025年の崖」というDX界のバズワードがあります。

こちらのワードからも推測できるように、2025年までにデジタル領域において、日本企業が世界の企業との競争にてさらに引き離されるのか否や崖っぷちにいるということがわかりますね。

日本企業が直面する「2025年の崖」問題

DXレポートには、もし日本企業がDXを推進できなければ、2025年以降毎年12兆円の経済損失が出るとして政府は警鐘を鳴らしています。

また、日本企業によるDX推進が成功した場合、実質GDP130兆円超の押し上げができるとも予想されております。

▶「2025年の崖」の概要や企業単位の改善策は、こちらの記事で詳しく解説しています>>

急速に変化する外部環境に対応するため

また近年では、AIやビッグデータ、Iot関連の専門ワードが出てきてから、ここ数年で随分とDXが社会に浸透してきました。

最初は、「エンジニア職やデジタルを専門に仕事をしている人に任せればいい」と多くのビジネスパーソンは思っていたかもしれません。

しかしながら上記の専門ワードの普及の速さを考慮すれば、これらの座学は全世界のビジネスパーソンが身につけるべき教養と言えるでのはないでしょうか?

また、DX全般の知識を持つことで、会社が変化の激しいデジタル化に柔軟に対応できるだけでなく、個人のキャリアを考える上でビジネス市場でも価値のある人材へと成長できるようになるでしょう。

▶関連記事|DXとIoTの違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています>>

▶関連記事|DXとAIの関係性について解説!AIでDXを推進するには!?>>

データが中心の社会になっている

各企業のデジタイゼーションの取り組みにより、紙や音によるアナログデータの保存からデジタル形式の保存によって、以前よりも効率よく膨大なデータを保存することが可能になりました。

また、これからの時代は各産業問わず、既に内部蓄積されたデータをいかにビジネス方面において有効活用できるかが競争に勝ち残るための鍵となります。

データの活用方法は各企業で異なり、データ活用をしながらビジネスを改善していくことは、今後より創造性が問われるようになっていくはずです。

創造性を備えるための一歩として、まずは毎日一歩ずつデジタルに対応できる知識を身につけていくべきでしょう。

DXを効率よく推進する組織の3パターン

まずDXを効率良く推進するためには、しっかりとした組織体制を作ることが重要です。ここからは、DXを効率よく推進する組織のパターンを3つ紹介します。

  1. IT部門拡張型
  2. 事業部門拡張型
  3. 専門組織設置型

①IT部門拡張型

コードスキルや幅広いITの知識、いわゆるデジタル領域に強い人たちが集まった部門を拡張させた組織です。

この組織体制のメリットとして、部署内ではITスキルが長けている人材が豊富に在籍するため、業務効率化のためのシステム開発や最新のITツールの導入または、部署内でのDX化における会議でコミュニケーションコストが抑えられることが挙げられます。

一方デメリットとしては、実際にIT部署内の人材がマーケティング部や事業部に比べて、クライアントと直接話す機会や現場に立ち、消費者の心情理解を実践する経験が少ないため、会社の収益を上げるための新しいビジネスモデルの構築が難しいことが挙げられるでしょう。

②事業部門拡張型

事業部署を主として、社内のIT部門のIT知識を借りたり、デジタルの導入部分でコンサルティングを受けつつ社内のDX化を推進したりする組織です。

この組織体制のメリットは、組織におけるマネタイズ能力が高い人材や顧客心理層が掴める人材を生かして新たなるビジネスモデルや製品改良を行い、企業の収益性を行えるということです。

一方デメリットとして、事業部署内では、ITの知見を持ち合わせている人材が少ないため、IT部署内との連絡を行う人材を配置したり、アイディアをDX化にするため定期な会議を開くなどのコミュニケーションの工数がかかったりすることが挙げられます。

③専門組織設置型

社外の専門家や、社内からデジタルに強い人材やビジネス推進力が強い人材を集めて、DX推進を専門に活動していく組織です。

この組織体制のメリットは、組織内で幅広い知見や経験を持った人材がいるため、業務効率化やビジネスモデルの改革、幅広いDX化推進に向けてコミュニケーション工数を増やさずに素早く、プロジェクトを進められるということです。

一方デメリットとして、新規創設した部署の組織内に成し遂げたい正確なビジョンなかったり統率が取れる人材がいなかったりした場合、生産を上げづらいことが挙げられます。

DXを推進する組織に必要な人材とは?

これまで、DXを推進するための組織体系について解説をしてきました。これからは組織を構成する上で大切な人材について見ていきましょう。

結論から述べると、DXを推進する組織に最も必要な人材は、「事業をUX/UIに基づきしっかりと構想、マネタイズできる能力と業務効率の改善や新規ビジネスモデルをデジタル能力を使って、具現化できる能力を持っている人材」です。

また、プロジェクトのプランニングができ、計画通り目標を達成するための推進力も必要となるでしょう。

▶【DX人材】 6つの業種、4つのスキル、3つのマインドセットについてはこちらの記事で詳しく解説しています>>

組織にDX人材がいない時の対処法

大手企業でない限り、DX推進のために、優秀な人材が揃っている状況はなかなかないでしょう。

この場合だと、短期的な施策として「外部から優秀な人材を顧問として呼ぶ」もしくは「ビジネス上のパートナーとして契約をする」などの人材の補強が必要です。

また長期的な施策としては、普段から社内全体の社員にDX推進を意識させた上で、デジタル領域の教育をしつつ、顧客の心理層をデータ的に分析できる人材の育成が必要になります。

▶DXのコンサルって何?導入のメリットや問題点、成功事例まで解説!>>

▶DX人材の育成方法や育成のポイントを詳しく知りたい方はこちら>>

組織にてDXを推進する6ステップ

ここまできたら、次は組織が具体的にどのようにDXを推し進めていくのかを段階的に見ていきましょう。DX組織をつくるための6ステップは以下の通りです。

  1. 目的設定
  2. 現状分析
  3. プランニング
  4. 組織編成
  5. プロジェクト実行
  6. 効果測定

それぞれ解説していきます。

①目的設定

目的設定は、社内にてDX推進の入り口として、最も重要なポイントです。

例えば、社内にてDXを推進させて「収益性を上げたいのか」「業務効率を上げたいのか」など、まずは優先順位をつけてKGI・KPI・OKRを使い目的を設定してみましょう。

またこの時点で、社内のDX化を通して社員全体が幸せに感じられるような明確なビジョンがあれば、より効率よく今後のプロジェクト進行に繋がります。

▶DXの目的を知ろう《初心者必読》|IT化との違いから推進ステップまで解説>>

②現状分析

目的設定が完了した後は社内の現状分析を行い、現段階時点でどのくらい目的やゴールと乖離しているのかを明確にしましょう。

例えば、目的達成に必要な人材がどのくらい必要なのか?もしくはどのようなスキルを持った人材が足りていないのか?などは重要な分析項目になります。

▶DXに必要な4つのスキル| DX人材の採用方法や書籍を紹介!>>

③プランニング

目的やゴールと現状の乖離が明確になった時点で、プランニングを行います。

例えば、「〇〇月までに△△が原因で発生する残業時間を減らすために、最新システムやシステム構築を行い、残業時間をXX%削減する」など、できるだけ具体的な数値を使い長期目標を定めると良いでしょう。

また、長期目標達成にボトルネックとなる問題点を1つ1つ解決できるような中短期目標があると、プロジェクト実行の段階で組織の各メンバーが具体的な行動を取りやすくなります。

④組織編成

プランニングが完了すれば、いよいよ組織編成のフェーズに入ります。

組織編成時において重要なことは、成し遂げたいゴールが上述したうち「どの組織体制を用いれば、効率よく達成できるのか」を考えるということです。

⑤プロジェクト実行

プロジェクト実行にあたり注意する点として、「説明不十分だった場合、社員から拒まれる可能性が高い」ということが挙げられます。

プロジェクトを実行する際は、既存の社員がDX推進の妨げにならないよう、しっかりと組織のDX化への目的とビジョンを共有して社内全体の社員からサポートされるような状態を作っておきましょう。

⑥効果測定

プロジェクトが完了したら、組織のDX化は終了ではありません。

きちんとプロジェクト完了前後の効果を数値化によって測定をし、日々社内全体の業務効率化とビジネスモデルの改変による収益の拡大を忘れてはなりません。

▶DX推進とは?|指標や課題・企業事例をガイドラインに沿って解説した記事はこちら>>

DXの失敗事例から学ぶ成功方法

DX推進を始める際は、失敗事例についても知っておくと良いでしょう。DX推進を志す大多数の企業は、他の企業の成功事例に目を向けがちです。

しかし、成功事例だけでなく、失敗事例にも目を向けておくことで、実際DX推進プロジェクトを進行する際に、自社が他社と同じ失敗をするリスクを減らすことができます。

下記にて実際にDX推進をする際に起きる失敗事例をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

GE社のDX組織失敗事例

GE社のロゴ

2011年、GE社(ゼネラルエレクトリック)は、デジタルソフトウェア領域においての地位を確立するため、IoTプラットフォームを設立しました。

当社は、GE Digitalと呼ばれる新規ビジネスを作り出し、ゴールをテクノロジーにおける強力な組織になることを置きました。

しかしながら、莫大な資金と人材を投資したにも関わらず、収益面でも業務効率も改善できず株価は下落し、同社の他サービスにも影響を及ぼしてしまいました。

こちらの失敗事例から学べることは、「ただ漠然としたビジョンや目的、ゴール設定ではDX推進における社員のモチベーションやゴール達成までの成功率は上がらない」ということです。

DX推進の際は、しっかりと社内全体の社員からサポートされるような明確なビジョンを作りましょう。

Ford社のDX組織失敗事例

Ford社のロゴ

2014年 アメリカをリードする自動車産業であるFord社がDX推進に向けて、”Ford Smart Mobility ”と呼ばれる新しいセグメントを立ち上げました。

しかしながら、同部署は本社との距離がかなり離れていたこともあり、社内で「他の部署と統一性がない、独立した部署」と見なされてしまい、莫大な資金と人材を投資したにも関わらず、失敗してしまいました。

また、社内への周知不足で最も起きやすいのが、「DX推進プロジェクトが完了し、社内の一部分でのデジタル化は成功したが、他の部署では全く恩恵を受けていない」という失敗です。

上記のような問題が発生しないように、日々DX推進するための目的やビジョンを他の部署とも密接になって共有をし続けましょう。

▶関連記事|DXの失敗パターンから学ぶ!DXを成功させるポイント3つを紹介!

DX推進組織の事例4選

次は、日本でDXを推進するために最前線で奮闘している日系企業の組織事例を見ていきましょう。今回紹介するDX推進組織の事例は以下の4つです。

  1. 三菱商事
  2. 住友商事
  3. サントリー
  4. 花王

それぞれ解説していきます。

①三菱商事

三菱商事のロゴ

三菱商事グループは、これまで伝統的かつ歴史ある企業として蓄積された膨大なデータやノウハウをデジタル技術を活用し、事業の効率化や産業の生産を目指した「産業DXプラットフォーム」の構築を行いました。

事業の効率化以外にも、AIを活用して需給予測や物流の最適化を行い、食品ロスや自動車から排出される二酸化炭素の削減を行う環境問題の改善にも取り組みを行っています。

またNTTと共同して食品流通分野での食品卸の在庫最適化ソリューションの開発を進める「株式会社インダストリー・ワン」を2021年度に設立する予定もあります。

積極的に取引先のクライアント企業を巻き込みDXを進める動きも見られています。

②住友商事

住友商事のロゴ

住友商事グループは、デジタル技術を用いて新たな価値創造を行いさまざまな社会課題を解決するために、2018年にデジタル事業本部に「DXセンター」を設置しました。

現在は同社のDXセンターとITサービスを提供するCSKと協力し、現在300件を超えるDXプロジェクトが誕生しています。

またAIやIot技術を活用して、ビックデータを収集、分析しDX推進を進めるためのプロダクト開発を行うDX技術専門会社Insight Edgeの設立があり、飛躍的なスピードで成長しています。

また「DX注目企業2021」にも選定されており、今後の住友商事の改革に各業界の注目が集まりそうです。

▶DX注目企業2021やDX銘柄2021についてはこちらで詳しく解説しています>>

③サントリー

サントリーのロゴ

サントリーグループは、2017年にプロモーションやコミュニケーションにおいてのデジタルを活用仕方の模索やR&D(研究開発)、実務サポートのためにデジタルマーケティング本部を設立しました。

まずDX推進において行ったのが「消費者の購買情報、行動情報などを分析することで、顧客理解において競合や流通を凌駕(りょうが)する」という明確なビジョンの策定でした。

これまでの実績として膨大なデータの活用から割り出されるUX(ユーザーエクスペリエンス)を元にしっかりと顧客のニーズを正確に分析し、売り上げに向上やさらなる戦略作りに貢献をすることができました。

④花王

花王のロゴ

花王は当時、社内でDX推進をリードできない状況下を打破するべく「先端技術戦略室(SIT)」を2016年に立ち上げました。「現システムから最新のシステムに部分的移行もしくは全面的移行の選択」や「これまでに蓄積された膨大なデータの活用方法」などの大多数の課題に直面しました。

まずは、社員全員が新しく導入したシステムを受け入てもらうために、効率化を目指すのではなく、「社員全体が楽しく取り組めるようなタスクや社会価値の創造にそれぞれが貢献できるか」ということを強調し重きを置き、システム作りを行いました。

また、データを効率的に探し出し、活用することによって皮膚トラブルを解決するために人工皮膚Fine Fiberを開発に成功し、今後の化粧品開発におけるさらなる飛躍に成功しました。

▶DXの成功事例はこちらの記事で30個まとめて詳しく解説しています>>

まとめ

今回はDXの組織について解説してきました。いかがだったでしょうか。

組織が具体的にどのようにDXを推し進めていくのか理解できたはずです。また、今回は紹介した成功事例や失敗事例を踏まえると、より組織にDXを取り入れやすくなるでしょう。

今回記事を読んで、もっと詳しくDXの進め方を知りたいと思った方は下記の記事をご覧ください。

▶DXの進め方|参考にしたい3つの成功事例や推進のポイントはこちらで詳しく解説しています>>

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