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2022.01.28

ディープラーニングの実用例|できることやサービスについても解説!

最近はよくディープラーニングという言葉を聞くようになったけど、具体的にそれがどのような形で利用されているのかがよくわからないという方も多いかもしれません。

そこで、この記事では、ディープラーニングの実用例を紹介します。皆さんの身近な場所でディープラーニングが活躍しているかもしれません。

ディープラーニング(深層学習)について詳しく知りたい方はこちら

ディープラーニングとは

ディープラーニングとは機械学習の一つで、コンピュータが自動で大量のデータを解析してデータの特徴を抽出する技術です。深層学習や略してDLとも呼ばれています。

ディープラーニングの名前の由来は、その構造においてニューラルネットワーク(NN)の中間層が複数になっているためです。

中間層を多層化することで、データの特徴をさらに深く学習することが可能となっています。

なぜディープラーニングが注目されているのか

ディープラーニングが注目されている理由として、精度の高さが挙げられます。特に画像認証などの分野では、スピード、精度ともに非常に高くなっています。

こうした急激な進化の背景には、サーバーの処理能力向上があります。サーバーの処理能力が向上したことで、大量のデータを処理することが可能になりました。

ディープラーニングにできる4つのこと

ディープラーニングができることは、おもに画像認識、音声認識自然言語処理、異常検知の4つに分けることができます。それぞれについて解説します。

画像認識

画像認識とは、画像から特徴をつかみ、対象物を識別するパターン認識技術の一つです。

コンピュータにデータベースから大量の画像を与え、対象物の特徴をコンピュータに自動的に学習させることで、コンピュータは対象物を認識可能になります。

▶画像認識とは|機能・事例・仕組み・導入方法など徹底解説>>

音声認識

音声認識とは、コンピュータで音声データをテキストデータに変換する技術です。

コンピュータは音響モデルや言語モデルを用いて音声を解析して認識します。ディープラーニングによって、次に出現する可能性が高い単語を自動で予測できるようになりました。

▶AI音声認識ってなに?仕組みからおすすめサービスまで分かりやすく解説>>

自然言語処理

自然言語とは日本語や英語といった人間が作り出してきた言語のことです。対して、プログラミング言語のように厳密に定義された言語のことを形式言語と言います。

自然言語処理とは、人間の言葉を機械で処理して内容を抽出する技術を指します。ディープラーニングを使うことで、同じ発音の言語の意味の違いなどが解析できます。

▶今さら聞けない「自然言語処理(NLP)」とは?>>

異常検知

ディープラーニングを用いた異常検知とは、データセットの中のデータのうち、他のデータと異なるデータを検知し、識別するための技術です。

人間では認識できないような些細な変化や機械が壊れる前の微細な動きを捉えられます。

【分野別】ディープラーニングの実用例8選

この章では、ディープラーニングの具体的な実用例を8つ紹介します。

  1. 自動運転|高度運転自動化
  2. 航空|入国手続き・防衛
  3. 製造・生産|自動化・安全管理
  4. 通販|画像検索技術
  5. ECサイト|レコメンデーション機能
  6. 経済|株価の相場の予測
  7. セキュリティ|監視カメラ・不正アクセス防止
  8. 倉庫|在庫管理など

それぞれ解説していきます。

自動運転|高度運転自動化

現在、日本でもトヨタやホンダをはじめ、様々な会社で高度運転自動化の実証実験や安全運転支援システムの開発などが進められています。

自動車の運転には、速度や方向のコントロールはもちろん、前方に障害物はないか、通行人はいないか、信号の色はどうか、目的地の方向はどうかなど、多くの判断能力や認識能力が求められます。

そのため、非常に繊細な技術が必要とされています。ディープラーニングにより膨大な過去の運転データや画像データから学習を行うことで、人間同様の判断力が実現しました。

▶自動運転とは? 各レベル説明と15の実例を紹介>>

航空|入国手続き・防衛

法務省入国管理局では、日本人帰国者の入国手続きを簡素化するために顔認証ゲートが導入されました。

パスポート内のICチップの顔写真と、入国ゲートで撮影した本人の写真を照合し本人確認を行います。独自の技術により、老化や化粧、表情による顔の変化も認識可能です。

また、人工衛星から得た画像をディープラーニングの手法を用いて解析する事で、地上の物体認識・検出をする事もでき、国境の防衛でも活用されています。

製造・生産|自動化・安全管理

生産ラインの自動化はもちろん、ディープラーニングによって生産現場の管理も自動化することで、完全に無人で製品を製造できるようになります。

工場の温度管理、製造物の検品や品質改善のためのロボットの調整など、あらゆる業務が自動化できます。

また、動作中の重機の周囲に人やものなどが侵入した時にそれを自動で検出し、安全に動作を停止する機能も実用化されています。

▶製造業のDX化とは?メリットやデメリットを解説>>

通販|画像検索技術

ディープラーニングを利用し、欲しい商品の写真をアップロードすると、サイトに掲載されている膨大な商品の中から類似のものを見つけてくれるサービスが活用されています。

この技術は、通販サイトの画像検索にも応用されています。

ECサイト|レコメンデーション機能

ECサイトとは、インターネット上に開設した商品を販売するウェブサイトのことです。

皆さんの中には、メルカリやAmazonを利用している人も多いでしょう。ECサイトにおけるディープラーニングの活用場所としてわかりやすいのは、レコメンデーション機能です。

ユーザーのサイト内における閲覧履歴やクリック動作から趣味嗜好を分析し、ユーザーへの需要が高いレコメンドを実現しています。

経済|株価の相場の予測

近年は経済の分野でもAIが活用されています。

ディープラーニングを利用して、株価の相場を過去のデータから未来の数字の変動や、さまざまな法則に当てはめた売買行動を予測し、高い利回りを実現することができます。

▶AIが手助けする株価予測って?初心者でも分かりやすく解説!>>

セキュリティ|監視カメラ・不正アクセス防止

不審な人物や不審な動きをカメラが捉えた場合、自動で管理者や警察に通報するなど、ディープラーニングは監視カメラにも活用されています。不正アクセスなどのサイバー犯罪も未然に防ぐことができます。

また、常に社内のシステムをAIに監視させる事で、不審なアクセスやログを検知した場合、迅速にトラブルシューティングへと移行できます。これにより、不正アクセスなどのサイバー犯罪を未然に防げます。

▶社会の安全はAIで守る!AIセキュリティまとめ>>

倉庫|在庫管理など

倉庫業務に画像認識AIを導入することで、在庫管理などの業務の効率化、自動化が可能となります。また、ピッキング作業、配送の仕分けにもディープラーニングが実用化されています。

ディープラーニングを活用した製品・サービス8選

ここでは、ディープラーニングを活用した製品やサービスのおすすめ8選を紹介します。

  1. DeepL
  2. Petalica Paint
  3. DeepGram
  4. Otter.ai
  5. Deep Nostalgia
  6. GridSpace
  7. Cloud Speech-to-Text
  8. Amazon Echo

DeepL

DeepLは、自動で文章を翻訳するサービスです。いまや、ほとんどの人は外国語自動翻訳ツールを使ったことがあると思います。DeepLは、Google翻訳よりも自然に翻訳できると評判です。

Petalica Paint

Petalica Paintは、自分が描いた絵に自動で着色するサービスです。色塗りは非常に難しく、手間がかかる作業のため、使いこなすことができれば、自分の好きな絵をより多く描けるようになります。

DeepGram

DeepGramはアップロードされた動画に含まれる音声を認識し、検索や整理を可能にするサービスです。

Otter.ai

Otter.aiは話し言葉をテキストにするクラウド型の自動文字起こしツールです。現在は英語にしか対応していませんが、海外展示会の取材などで利用されています。

Deep Nostalgia

Deep Nostalgiaは、写真の顔をディープラーニングの技術で動かすことができるサービスです。

このサービスでは古い写真に写った顔も動かせるため、亡くなった方がまるで生きているように感じることができます。

GridSpace

GridSpaceは会議の内容を記録してまとめてくれるミーティングサポートデバイスです。

会議の中で誰が何を話したのかを自動的に記録し、それらの文章をインデックス化、さらに会議の中で重要だと思われるところをハイライトしてくれる機能もあります。

Cloud Speech-to-Text

Cloud Speech-to-Textは、Googleがクラウドサービスとして提供している「Google Cloud Platform」の中にある、音声ファイルをAIが認識して文字にしてくれるサービスです。

Amazon Echo

Amazon Echoはスマートスピーカーの一種で、5000円ほどのものから2万円を超えるものまで
様々な種類があります。

音楽の再生やスケジュール管理など、多くの機能があり、すべて音声操作ができることから人気のある商品です。

ディープラーニングは今後どのように活用が進むのか

ディープラーニングは多様な活用が可能で、すでに医療や製造などさまざまな業界に向けたサービスが展開され、医療だけでも薬の開発、ゲノム解析、医療画像を用いた解析など、さまざまな場所で利用が進んでいます。

個人でも無料で利用できるサービスから企業向けの高度なシステムまで、幅広く活用することができるため、今後もより多種多様な分野でディープラーニングが活用されていくでしょう。

▶AIは今後どういった進化を遂げるのか。そして私たちへの影響は?>>

まとめ

この記事ではディープラーニングの実用例を紹介してきました。ディープラーニングがさまざまな分野で活用されていることが分かったと思います。

今回紹介したサービスの中には、個人でも簡単に利用できるものもあるので、ぜひ実際に使ってみてください。

▶《AI事例25選》産業別にAIの活用事例をまとめました>>

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