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2021.12.17

AIって何の略語?AIの歴史から活用事例まで紹介!

最終更新日:

読者のみなさんは、AIという言葉が何の略かご存知ですか?よく耳にするAIという言葉ですが、本当は意味がよく分かっていない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、「AIの意味」から歴史、そしてこれからの姿まで網羅的に紹介していきます。AIについて知っていきましょう。

▼AIについて詳しく知りたい方はこちら

AIは「Artificial Intelligence」の略語

みなさん日常生活で「AI」という言葉を口にすることが多いと思いますが、実際の意味をご存じでしょうか。

そもそもAIは「Artificial Intelligence」の略で、「アーティフィシャルインテリジェンス」と読みます。「Artificial」は人工的、「intelligence」は知能という意味で、日本語では「人工知能」と呼ばれます。「Artificial intelligence」という言葉は1956年にアメリカの研究者ジョン・マッカーシーが初めて使ったとされています。

AIの定義・意味

次にAIの定義について紹介します。

一般社団法人 人工知能学会では、AIという言葉の生みの親であるジョン・マッカーシー教授の言葉を『知的な機械、特に知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術』と翻訳しています。

しかし、現在は、AIに関する研究が進んでおり、研究者ごとに定義が異なっているのが現状です。

例えば、『人工的につくられた、知能を持つ実体。あるいはそれをつくろうとすることによって知能自体を研究する分野』や『「知能を持つメカ」ないしは「心を持つメカ」である』が挙げられます。

AIの歴史

次に、AIの歴史についてです。AIは、近年さまざまな分野に活用されるようになったことで、世の中から認知されるようになりました。

「AIの存在を知ったのはここ数年」という方も多いかもしれませんが、実はAIの研究は1950年代から行われています。

そして1950年代からAIは、ブームと停滞期を繰り返してきました。ちなみに現在は第三次ブームだと言われています。

ここからは、研究が始まった1950年代〜現在に至るまでのAIの歴史をブームごとに解説していきます。

 第一次AIブーム|AIの始まり

第一次AIブームは、1950年代〜1960年代でした。つまり、「AI」という言葉は約70年前に誕生していたのです。

AIという言葉の始めは、1956年の夏にアメリカ東部の都市、ダートマスで開催されたワークショップ、『ダートマス会議』です。そこで、初めて人間のように考える機械のことを『人工知能』と呼ぶことになりました。

同時に、この会議で人工知能が科学の一分野として社会に広く認識されました。

同会議は、多くの人がAIの研究に乗り出すきっかけにもなり、現在のAIを知るうえで欠かせないポイントとされています。

当時のAIは、人間には不可能なほど多いパターンの「場合分け」を瞬時にできるようになり、難しいパズルや迷路を人間よりも圧倒的に早く解く事が可能になりました。

将棋やチェストいったボートゲームへのAIの挑戦もこの頃からです。

第二次AIブーム|エキスパートシステムの誕生

第二次AIブームは、1980年代でした。この時期では、人間の“考え方”をモデルにしたAIである「エキスパートシステム」の誕生により「知識表現」が可能になりました。

自分で学習する仕組みはないものの、あらかじめ専門家が考え得る限りの状況を予測して対処方法や判断を行います。

 第三次AIブーム|機械学習・ディープラーニングの登場

第三次AIブームは、2000年から現在です。

この時期では、AI自身が大量のデータ、つまりビッグデータから知識を獲得する「機械学習」の実用化が進みました。さらに、2006年には知識を定義する要素をAIが自ら習得するディープラーニングが提唱されました。

詳しくAIの歴史について知りたい方はこちら>>

▼機械学習について詳しく知りたい方はこちら

ディープラーニング(深層学習)について詳しく知りたい方はこちら

AIにできる4つのこと

ここまでAIについて紹介してきましたが、そもそもAIが何をできるのかご存知ですか?

「AI」は、さまざまな分野に活用されているため、何ができるのかを直感的に把握するのは困難でしょう。

そこで以下では、AIのできることを

  1. 画像認識
  2. 音声認識
  3. 自然言語処理
  4. 予測

の3つに分けて簡単な活用事例と共に紹介していきます。

画像認識

1つ目のAIにできることは、画像に何が映っているのかを認識する技術「画像認識」です。

画像認識は、主に「物体認識」「顔認識」「文字認識」などで活用されています。

例えば、文字を写真で撮り、パソコン上でテキストに文字起こしすることやスマホの顔認証セキュリティ、写真の加工アプリなどが挙げられます。

▶画像認識について詳しく知りたい方はこちら>>

音声認識

2つ目のAIにできることは、人が発した声をAIが分析することで、その内容を推測する「音声認識」です。

音声認識は、主に「書き起こし」「自動応答」「翻訳」「開錠」「感情分析」などで活用されています。

例えば、会話を文字に起こしてくれたり、企業のお問い合わせに対して自動で応答してくれるサービスが挙げられます。

▶音声認識について詳しく知りたい方はこちら>>

自然言語処理

3つ目のAIにできることは、私たち人間が日常書いたり話したりしている日本語や英語のような、自然な言語を認識・処理する「自然言語処理」です。

そして、自然言語と対比した言語が、プログラミング言語です。この二つの言語の違いは、言葉の曖昧性にあります。

この言葉の曖昧性を踏まえて、自然言語を使って書かれた膨大なテキストデータを実用的に扱うために自然言語処理という技術が使われているのです。

自然言語処理は、主に「自動翻訳」「テキストマイニング」「チャットボット」「音声対話システム」などで活用されています。

▶自然言語処理(NLP)」について詳しく知りたい方はこちら>>
▶今さら聞けない「チャットボット」とは?>>
▶AI(人工知能)にできること一覧|AIの未来や仕事・活用事例を徹底解説>>

予測

予測とは、大量のデータをもとにAIが未来を予測することです。みなさんも動画アプリのおすすめ欄に自分の過去の視聴履歴が反映されていた経験があるのではないでしょうか。それもAIの「予測」機能が活用されているのです。

ビジネスの面では顧客の求めていることを論理的なデータから予測できるため重宝されています。企業の意思決定にAIの予測を反映させると、在庫を適切に管理できたり効率的な業務が可能になります。

最近だとコロナの感染予測にも活用されています。医療機関や政府が今後の対応を決める際にこのデータを反映させています。

AIが使われているもの5選

現在はあらゆる場面でAIが活用されており、みなさんも気がつかないうちにAIの力を借りていることがあるかもしれません。以下で身の回りでAIが使われているものをご紹介します。

 

  1. 音声アシスタント機能
  2. 工場での以上検知エアコン
  3. お掃除ロボット
  4. 自動運転自動車
  5. 株価予測医療機関

 

①音声アシスタント機能

音声アシスタント機能とは質問や音声を認識し、答えてくれる機能です。音声認識・解析・テキスト変換を全て行い、人間の発した言葉に適切に返答できます。

音声アシスタントのサービスで有名なものがAmazonの「Alexa」やAppleの「Siri」です。スマートスピーカーを家電と連携させて音声アシスタントで操作することも可能です。

入力する手間がなく手軽に検索や質問ができるためインターネットの利用者の増加に一役買っています。

出典:Amazon

②工場での異常検知エアコン

異常検知エアコンとは、異常が起きた時に過去の稼働データから自身で異常を探知するシステムです。工場における空調などの設備異常は製造ラインを停止させたり保管物がダメになってしまう可能性があり、莫大な損失が発生してしまう恐れがあります。

異常検知エアコンは正常運転時のデータを学習し、異常が起きるといち早く検知でき、安全面・コスト面でとても効果的であることから多くの工場で異常検知エアコンの導入が進み、富士通やダイキンや日立、三菱などの大手電機メーカーがこのAIによる異常検知エアコンの開発を進めています。

③お掃除ロボット

実はお掃除ロボットにもAIが搭載されています。アイロボット社の「ルンバ」にはAIが搭載されており、たくさんの人のライフスタイルに合わせた使い方を提供しています。

例えば、ソファやテーブルなどの家具を検知し、特定の家具の周りを掃除するよう指示ができます。また、ケーブルなどでよく止まってしまうポイントを学習し進入禁止エリアにするよう提案できます。この侵入禁止エリアとより念入りに掃除して欲しいところを設定するとよりフレキシブルにお掃除ができます。

このように、AIの搭載されたお掃除ロボットは、使えば使うほど持ち主の使いやすいように学習してくれるのです。


④自動運転自動車

自動車の自動運転は耳にしたことがあるのではないでしょうか。運転の全ての動作を自動で行う自動車に注目が集まっています。法整備の観点から、運転席に人のいない状態での自動運転は日本の公道を走ることはできませんが多くの自動車メーカーが自動運転自動車の開発に尽力しています。

現在販売されている自動車の多くには衝突回避や車間距離の維持などのサポートシステムが搭載されています。このような機能が自動車事故の減少に繋がっています。

自動運転についてもっと知りたい方はこちら

▶︎【世界の自動運転企業リスト】自動運転に取り組む各社の事業概要>>

⑤株価予測医療機関

AIの技術を利用すると株価の予測もできます。医療機関の株価予測において今後のコロナの感染拡大の予測を立てることはとても重要です。膨大な過去のデータをもとにAIでコロナの感染を予測できます。

AIは過去の株価のデータを学習できるので、株価が上がるのか下がるのかデータが多ければ多いほど正確に予測できるのです。

AIの株価予測についてもっと知りたい方はこちら

▶︎AIが手助けする株価予測って?初心者でも分かりやすく解説!

AIのこれから

AI技術が、さらに進化を遂げた未来では、AIが人類の知能を超え、その進化の速度が予測できなくなると言われています。そのAIが人類を超えるポイントが「シンギュラリティ(技術的特異点)」です。

シンギュラリティとは、アメリカの未来学者レイ・カーツワイル氏が2005年に提唱したことで広く知られるようになり、「AIが人間の知能を超える転換点」のことを指します。

日本語では「技術的特異点」と訳されます。

これは、「仕事を奪われる」「AIに支配される」というマイナスイメージがありますが、ストレスのない社会の到来や科学技術の発展に大きな影響を及ぼすと言われています。

▶AIは今後どういった進化を遂げるのか>>
▶シンギュラリティについて詳しく知りたい方はこちら>>

まとめ

AIの略語は「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」と紹介しました。

日本語では「人工知能」と言われますが、本当の意味や活用方法、これからの姿につい て、知ることができたでしょうか?

さまざまな場面で使用されるAIと付き合う私たち。これからの生活の中で、意識してみると、さらにAIについて知ることができるでしょう。

▶AIの活用事例について詳しく知りたい方はこちら>>

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