進むデザインへのAI導入 −AIはデザイナーの仕事をどう変えるのか

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デザイン領域におけるAIの活用が進んでいます。

AIには創造性がなく、デザイン領域への活用がなかなか進みづらいと思われている方も多いかもしれません。しかし、美術とは違い、さまざまな知見や法則によって見やすさや使いやすさが追求されているデザイン領域では、比較的AIの活用が進む傾向にあります。 

例えば、電通やサイバーエージェントはバナー画像をAIによって生成する取り組みを進めています。もし、この技術が発展すれば、一人ひとりに合わせたバナー画像をリアルタイムに生成し、購買意欲をさらにかき立てるマーケティングが実現するかもしれません。

この記事では、デザイン領域におけるAIにフォーカスを当て、どのようなAIがデザインを変えるようとしているのかについて事例も交えてご紹介します。

デザインにAIを導入するメリット

デザイナーの仕事がAIで効率アップ!

簡単なデザインであれば、AIを活用して効率的に生成できる時代が来ようとしています。

Web上のコンテンツ量が増加する中で、デザイナーの需要は今後、さらに増加していくと予想されます。

今後は、AIなどのツールを活用してデザイナーの仕事の負担を軽減したり、バナー画像など大量に作成が必要な制作物は、AIにまるごと任せてしまう時代もくるかもしれません。

デザインにかかる予算比較

AIを使えば、実際にどれだけコストを削減できるのでしょうか。 

以下は、デザインをデザイナーに依頼した場合と本記事でも取り上げているAIデザインツールを使った場合のコストを比較した結果です。

ロゴ制作

デザイナーに依頼した場合:15,000~150,000円

AIで制作した場合(Logopony、Lookaの場合):20$〜

ホームページ制作

デザイナーに依頼した場合:50,000~130,000円

AIで制作した場合(Wixの新機能ADIの場合):0円

上記のことからも、AIによるデザインにかかるコスト削減は非常に大きいことがわかります。

まだクオリティに疑問があったり、クライアントの細かな要望に答えられるケースは少ないかもしれません。コンテンツの重要性に応じて、AIデザインツールも活用していくことが重要です。

デザイナーの仕事はなくなる?

たしかに、今後はAIの台頭により、デザイナーが活躍できる機会が縮小する可能性も否定できません。しかし、デザイナーの仕事が完全になくなるわけではありません。

AIによるデザインは過去の大量にあるデザインを学習することで成り立っています。そのため、デザインがどうしてもコモディティ化してしまうことも否定できません。

これからのデザイナーの仕事は今までとは全く違った質のものとなります。つまり、過去の作品にしばられるのではなく、自分独自の価値をデザインに発揮できるようなデザイナーが求められるようになります。

また、AIがデザインを完全に作るのではなく、デザイナーのサポートをするサービスもあります。そのため、デザイナーは自らのデザイン活動にAIを取り入れることで、デザイナー本来の仕事に集中することができるようになります。

デザインAIの現状

AdobeのツールにもAIが活用

デザインAIの領域で最近話題のものとしては、Adobe SENSEIがあります。Adobe SENSEIとは、画像をAIを生かして編集できるサービスのことです。

例えば、Adobe SENSEIを使えば、静止画に描かれている動物の口や足だけ動くような動画にするなどの編集が可能となります。

Adobe SENSEIによって画像編集の幅が今まで以上に広がり、デザインAIが社会に浸透することが期待できます。

Webデザインを中心にAI導入が進む

現在、デザインAIが活躍する主な領域はWebデザインです。WebデザインとはWeb上で行うデザインのことで、デザインAIは主にWebで公開されているツールで行います。

ロゴ作成やバナー作成など、様々なニーズに対応して幅広いサービスが用意されていますのでユーザーは自分の目的にあったデザインツールを使用することができます。

3D設計のデザインにもAIが

今までAIによるデザインは2D上で行うサービスが主でしたが、最近ではAIで3D設計を行うことができるようになっています。

それによって、今までのようにロゴや広告だけでなく、製造品までAIによってデザインできるようになります。

そのためこれからはAIがデザインした製品を使用するシーンも増えることが期待できます。

2D領域はAIの導入が進む

ロゴデザイン

Logopony

簡単にロゴを作成できるサービスです。

デザインしたい会社の名前などを入力し、好きな色などを選択するだけで幅広いデザイン案を提案してくれます。

手軽にロゴをデザインしてほしい人にはおすすめです。

logocopyに作ってもらいました▼

Looka

その会社の業界やイメージにあったロゴのデザインを自動で作成してくれます。

会社名を入力し、自社の業界や好きなデザイン案などの選択肢を選ぶだけで、専門のデザイナーレベルのロゴを大量に作成することができます。

ホームページ作成

WIX

無料で高品質なホームページのデザインを作成することができます。

プロのWebデザイナーに匹敵するようなデザインのホームページを作成できるのが特徴です。特に最近、WixはADI (人工デザイン知能=Artificial Design Intelligence)というデザインに特化したAIを発表しました。

それを使えば、従来のホームページ作成に必要だった細かくて地道な作業を削減することができます。

FRONT-END.AI

複数のディープラーニングのモデルを結合して、ホームページ作成をサポートするAIです。デザイナーがデザインしたページ全体のデザインと、Web用の素材をアップロードするだけで、HTMLの構造やデザイン要素の分析・自動でのコーディングを行うことができます。

これによって、開発初期工程における時間を大幅に削減することが出来ます。

バナー作成

ADVANCED CREATIVE MAKER

電通、電通デジタル、データアーティストの電通グループ3社によって開発された、AIを使ったバナー作成ツールです。

過去のバナーとクリック数のデータを分析し、効果的なバナーを短時間に大量に作成することができます。

今までネットにおいてバナーは大量に必要であるにも関わらず、それら全てを手動で行なっていたため多大な時間を要していました。しかし、バナーを自動で作成できるようになったことで、バナー広告における業務負担を大幅に軽減できるようになります。

サイバーエージェント

サイバーエージェントもAIによるバナーの自動生成を手がけています。

検索連動型広告において、アルゴリズムによって効果的だとみなされたタイトル&デスクリプションをAIが学習することで、テキストラインティングの最適化と自動化を目指しています。

サイバーエージェントは今後、媒体ごとに効果的だとみなされた蓄積データをAIが学習することで、このサービスを検索連動型広告のテキストラインティングを最適化するサービスへと発展させていく予定です。人とAIが協業することで、より効果のあるテキストクリエイティブを大量に生成できるようになることが期待できます。

サイバーエージェントの広告へのAI活用に関してはこちら▼

AIR DESIGN

「デザインを空気のように当たり前に、AIを使って。」というコンセプトで、アプリの制作を手がけるガラパゴスによるサービスです。

ガラパゴスによって発表された、”AIR Design”というデザインAIを使えば、バナーやロゴの作成を自動で行うことができます。

AIは3D設計まで導入が進む

自動車

日産自動車が自動車のデザインにAIの導入に挑戦しているそうです。

様々な車のデザインの特徴をAIに学習させることで、新たな車のデザインの生成が可能になります。

現在、自動車をデザインするためにはそのための専門学校が存在するほど高度なスキルが必要ですが、AIによるデザインが一般になればメーカーは簡単に新モデルの自動車をリリースしやすくなるのではないでしょうか。

エンジン設計

自動車のエンジンもAIで設計できるようになっています。

引用:明電舎HP

明電舎と北海道大学によって、AIを生かしたトポロジー最適化によるEV用エンジンの設計支援プログラムが開発されました。これにより、省エネ・高効率が求められる高性能なEV用モーターの最適なローター形状を自動で設計することが可能になります。

人工歯

人工歯のデザインをGANによって自動化するAIがカリフォルニア大学バークレー校とGlidewell Dental Labによって開発されました。

画像から画像を生成するpix2pixというニューラルネットワークを元に、患者の口にフィットした人工歯を作成します。

今までは人工歯を作るときはあらかじめ決められたテンプレートを後から調整する方法が主でした。しかし、AIによって初めから患者にあった人工歯を作ることで、今まで以上に高精度に噛み合わせに合わせることができるにようになります。

まとめ

デザインをAIでできるようになれば、デザイナーに依頼する必要がなくなるため大幅なコスト削減を実現することができます。そのため、今後は企業はデザインをデザイナーではなくAIに頼むようになると期待できます。

また、AIデザインの大半がWeb上での2D設計であるものの、3D設計もできるAIも続々と登場しています。

そのため、今後は身の回りのもの全てがAIによってデザインされているような時代になるのではないでしょうか。

2019年8月9日 2019年9月26日更新

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