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近年、さまざまな場面で活用されているディープラーニングは、翻訳機能にも使用されています。
しかし、ディープラーニングとは一体何なのか、どのように翻訳機能に影響を与えているのかご存じでない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ディープラーニングによる翻訳の変化やサービスの事例などを紹介します。
目次
ディープラーニングにより翻訳がどう変化したのか
翻訳機能はディープラーニングにより、自然な翻訳が可能になりました。
もともと翻訳機能は、開発者が設計した構文や文法ルールに沿って訳す「ルール翻訳」や、対話データを集め、活用することで翻訳結果を表示する「統計翻訳」が利用されていました。
上記は、膨大なデータを必要とするため、精度を格段にあげることは困難でした。
しかし、「ディープラーニング」を活用することで、「2通りの意味を持つ言葉を文章中で判断して訳す」ことができるようになりました。
そのため、精度がより向上し、現地の人が使用している自然な翻訳が可能になったのです。
▼ディープラーニングについて詳しくはこちら
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ディープラーニングによる翻訳の仕組み
AI技術の核となるのが「ディープラーニング」という考え方であり、このディープラーニングを活用して翻訳をします。
ディープラーニングによる翻訳の仕組みとして、「大量の情報と答えの例から人間が学ぶのに近いやり方で持続的に学習をし、ルールを自動的につくる」と説明できます。
また、文法を考慮したうえで「どういう空間にどういう情報とともに配置されるか」を重視して翻訳をします。
他にも「データを持続的にできる」点があるため、まだ向上の余地があるとされており、今後も精度が高まっていくことが予想される仕組みです。
>>【図解】ディープラーニングの仕組みを徹底解説 ー機械学習との違いや学習方法も
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ディープラーニングの翻訳サービスを使うメリット
ディープラーニングの翻訳サービスを使うメリットは以下の3点です。
- 精度が高い
- 作業効率がアップする
- 簡単に大量の翻訳が可能
精度が高い
まず、「精度の高さ」が挙げられます。
ディープラーニングを活用することにより、非常にあいまいなものの判断が可能です。そのため、似たような意味も判別し、文法なども考慮したうえで、自然な文章を完成させます。
また、ディープラーニングを使用した翻訳は、学習をし続けるため、今後も精度が高まっていくでしょう。
作業効率がアップする
次に、「作業効率アップ」が挙げられます。
従来の翻訳サービスよりも精度が高くなっているため、翻訳したものをさらに確認し、手直しする必要がなくなったからです。
今までは、似たような言葉の意味や1つの言葉に複数の意味がある言葉を見分けられなかったため、翻訳サービスを利用しても正しく翻訳されているとは限りませんでした。
しかし、ディープラーニングが翻訳に活用されている現在は、曖昧な表現が正しく自然な文章に訳されるようになっています。
仮に間違った翻訳がされていても、ディープラーニングが活用された現在の翻訳であれば、従来よりも間違いが少ないことは確かです。
簡単に大量の翻訳が可能
最後に、「簡単に大量の翻訳ができること」が挙げられます。
例えば、翻訳サービスである「DeepL」を使用した場合、「原文の言語」を入力すると、「訳文の言語」が瞬時に表示されます。
原文のテキストボックスには、直接タイピング、エディタ等で書き終えたテキストのコピー&ペーストが可能で、1300字の翻訳もわずか5秒で翻訳できます。
そのため、誰でも簡単に大量の翻訳が可能です。
>>使うべきAI翻訳は?【翻訳機など7サービスとメリットを紹介】
ディープラーニングを活用した翻訳サービス4選
ディープラーニングが活用されているおすすめの翻訳サービスは次の4つです。
- DeepL
- Amazon Translate
- Zinrai Translation Service
- AI自動翻訳サービス
それぞれ概要を紹介していきます。
>>ディープラーニングの実用例|できることやサービスについても解説!
>>AIによる議事録自動作成ツールのメリットやサービスについて紹介!
DeepL
まず、「DeepL」です。
DeepLは、2017年に登場したオンラインの外国語自動翻訳ツールで、現在は無料で使用できます。
他にも、BtoB向けの有料版サービス「DeepL Pro」も開発されており、開発者向けにDeepLをベースにしたアプリケーションをつくるためのAPIへのアクセスなどが揃います。
無料版のDeepLは、日本語と相互に翻訳できる言語は英語のほか、仏語・独語・西語・中国語など11の言語に渡り、困ることはありません。
瞬時に翻訳してくれるほか、驚くほどに自然に翻訳してくれることが魅力です。特に固有名詞をそのまま翻訳してくれるサービスは少なく、精度の高さが伺えます。
Amazon Translate
次に「Amazon Translate」です。
Amazon TranslateはAmazonが提供する翻訳サービスで無料で使用できますが、自身が他のアプリと連携して利用するなどカスタムを行うことによって有料になる場合があります。
無料の場合でも、200万文字まで翻訳ができるので、問題なく使用できるでしょう。
特徴としては、「アプリケーションと簡単に統合できる」「カスタマイズが可能」「広い用途」が挙げられます。
「広い用途」とは、Word 文書、Powerpoint プレゼンテーション、Excel スプレッドシートなど、さまざまなコンテンツ形式の翻訳が可能であることを指します。
Zinrai Translation Service
次に「Zinrai Translation Service」です。
Zinrai Translation Serviceは、富士通が提供する翻訳サービスで14日間の無料お試し期間の後、プランによって月55,000円〜660,000円の料金が発生します。
企業向けに作られたサービスであるため、契約書や業務マニュアルなど、レイアウトそのままに翻訳する「ファイル翻訳」が特徴的です。
また、海外出張の際や日本語を母語としないお客様に向けて使用することを目的としています。
また、クラウドサービスの安全・信頼性に係る「ASPIC認定」を取得しているため、企業の情報など漏れる心配がありません。
AI自動翻訳サービス
最後に「AI自動翻訳サービス」です。
AI自動翻訳サービスは、XEBECが提供する翻訳サービスでビジネス用にリリースされたものです。
同サービスの最も大きな特長として、SSLやISMS認証取得のデータセンターでサーバを管理しているため、安心・安全に利用できることが挙げられます。
他にも、秘密保持契約を締結したり、サーバに保存された翻訳データは原則2週間で自動削除される機能があったりなど、セキュリティの面で大きな強みがあります。
また、Microsoft365、PDFからの読み込み・翻訳が可能であるため、ビジネスで使用する資料も簡単に素早く翻訳してくれる点も同サービスの魅力です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、ディープラーニングによる翻訳のメリットとその変化、サービスの事例や仕組みを紹介していきました。
ディープラーニングによる翻訳は、ここ数年で大きな成長を見せ、私たちの生活で自然と使われるようになりました。
今後、ディープラーニングによる翻訳は更なる成長を遂げ、私たちが使う言葉と変わりのない、より人間らしい自然な翻訳に変わっていくことでしょう。