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2021.12.24

AIの仕組みをわかりやすく解説-AIの定義から活用事例、作り方まで理解しよう!

最終更新日:

近年、さまざまなサービスや機械にAIが使われています!AIについて、一度は目にしたり耳にしたりしていると思います。

しかし、その仕組みを知っている方は少ないのではないでしょうか。

AIとはどんなものなのか、仕組みから辿っていきます!AIがどのように作られているかに関しても言及しておりますので、AIを作る側、AIエンジニアに関心がある方もぜひご一読ください!

AIって何?

AIとはArtificial Intelligenceの略で、日本語では人工知能と表されます。

実は、AIの定義は極めて曖昧です。研究者ごとに異なる言葉で定義されています。

またコンピューター・サイエンスや認知科学、医学、心理学などさまざまな立場でも論じられており、一意に定まった定義がないのが現状です。

ここで、日本国内の主な研究者によるAIの定義を見てみましょう。

中島秀之

(公立はこだて未来大学)

人工的につくられた、知能を持つ実体。

あるいはそれをつくろうとすることによって知能自体を研究する分野である

西田豊明

(京都大学大学)

「知能を持つメカ」ないしは「心を持つメカ」である
溝口理一郎

(北陸先端科学技術大学院)

人工的につくった知的な振る舞いをするもの(システム)である
長尾真

(京都大学)

人間の頭脳活動を極限までシミュレートするシステムである
堀浩一

(東京大学)

人工的につくる新しい知能の世界である
浅田稔

(大阪大学)

知能の定義が明確でないので、人工知能を明確に定義できない
松原仁

(公立はこだて未来大学)

究極には人間と区別がつかない人工的な知能のこと
武田英明

(国立情報学研究所)

人工的につくられた、知能を持つ実体。

あるいはそれをつくろうとすることによって知能自体を研究する分野である(中島氏と同じ)

池上高志

(東京大学)

自然にわれわれがペットや人に接触するような、情動と冗談に満ちた相互作用を、物理法制に関係なく、あるいは逆らって、人工的に作り出せるシステム
山口高平

(慶應義塾大学)

人の知的な振る舞いを模倣・支援・超越するための構成的システム
栗原聡

(電気通信大学)

工学的につくられる知能であるが、その知能のレベルは人を超えているものを想像している
山川宏

(ドワンゴ人工知能研究所)

計算機知能のうちで、人間が直接・間接に設計する場合を人工知能と呼んでよいのではないかと思う
松尾豊

(東京大学)

人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術

▼AIについて詳しく知りたい方はこちら

汎用型と特化型

AIの区分に、「特化型」と「汎用型」という分類があります。

特化型AI

特定の領域の課題に、自動的に学習、処理を行う人工知能を指します。画像認識や音声認識、自然言語処理などの技術を持つ人工知能です。

現在、活用されているAIはすべてこちらに該当します。近年は、ディープラーニングという機械学習の手法の発達により、非常に高い精度のAIプログラムが生まれ、その活躍の範囲も広がっています。

汎用型AI

特定の課題にのみ対応するのではなく、人間と同じようにさまざまな課題を処理可能な人工知能を指します。

汎用人工知能は、どんな分野でも自ら学習する自律性を持たせることで、自ら知識を増やして問題解決に取り組めるAIになると予想されます。

しかし、今はまだ研究段階であり、実現はしていません。

弱いAIと強いAI

他にも「弱いAI」と「強いAI」という分類方法があります。

弱いAI

人間の知性の一部分のみを代替し、特定のタスクだけを処理するAIが弱いAIです。

一方で、人間の全認知能力は有していないため、想定外の状況への対応はできません。現在実用段階にあるAIは、いずれも弱いAIに該当します。

強いAI

人間のような全認知能力を有しているAIを指します。強いAIは人間のように考えて行動できます。

「想定外の状況に、過去の経験に基づいて学習、処理する」といったこともできると期待されています。

AIの区分のまとめ

以上のことより、特化型≒弱いAI、汎用型≒強いAIとなります。この2つの分類は、いずれも人間との比較によって分類しています。

「特化型/汎用型」は課題解決の対象の幅広さに視点をおいた分類をしていて、弱いAI/強いAI」は思考能力に視点をおいた分類をしています。

▶AIの種類について詳しく知りたい方はこちら>>

AIの仕組み

AIに関して学ぶ中で、機械学習、ディープラーニングという言葉をよく耳にすると思います。

それらの関係性を整理すると、

AI⊃機械学習ディープラーニング

という包含関係が成立します。図示すると次の図のようになります。

AINOW編集部作成

機械学習の仕組み

入力データを学習しながら、未知データに対する予測の精度を自動で改善するアルゴリズムで、AI技術の一つです。

つまり、コンピュータにデータを読み込ませて、アルゴリズムに基づいて分析させる手法のことです。

事例となるデータを繰り返し学習させ、そこに潜む特徴やパターンを発見させます。そして、見つけた特徴を新たなデータに適用することでさらに新たなデータ分析や予測を行ないます。

機械学習では主に以下の3種類のアルゴリズムに基づいて分析します。

▼機械学習について詳しく知りたい方はこちら

①教師あり学習

教師あり学習は、学習データに正解を与えた状態で学習させる手法です。

教師あり学習では、教師データを既知の情報として学習に利用し、未知の情報に対応することができる回帰モデルや分類モデルを構築します。

事前に「犬」や「猫」というラベル(教師データ)が付けられた大量の写真をコンピュータに学習させて、モデルを構築します。

ラベルのない写真が与えられた場合、モデルはその画像に一番近い特徴を持つ学習済みの画像に貼ってあるラベルを出力します。つまり、このモデルは与えられた画像が「犬」または「猫」であることを検出できるようになります。

AINOW編集部作成

②教師なし学習

教師なし学習は、学習データに正解を与えない状態で学習させる手法です。    

主に、データのグループ分けに活用されます。

教師データにラベルがない場合でも、大量の画像をコンピュータに学習させれば、画像の特徴 (例:大きさ、色、形状)からグループ分けや情報の要約が可能です。

AINOW編集部作成

③強化学習

強化学習とは、与えられたデータから学習していくのではなく、自ら行動を起こし、試行錯誤を通じて、報酬(評価)が得られる行動や選択を学習します。

強化学習の例として、犬のしつけを例に挙げます。犬がお手をすればおやつを与えます。「お手」という試行を犬が繰り返すと、犬は「お手をする⇒餌がもらえる」ということを学習します。

ロボットの歩行を例にとると、「歩けた距離」を報酬とすると、“手の動かし方、足の動かし方を試行錯誤して歩行距離を伸ばす”ということが、強化学習に相当します。

▶強化学習について詳しく知りたい方はこちら>>

ディープラーニングの仕組み

ディープラーニングの基本となるのはニューラルネットワークと呼ばれる構造です。

ニューラルネットワークとは、脳の神経回路の仕組みを模したモデルです。ニューラルネットワークは入力層、中間層(隠れ層)、出力層の3層から成り立ちます。

中間層(隠れ層)では、一つ前の層から受け取ったデータに対し「重み付け」と「変換」をして次の層へ渡します。

ニューラルネットワークの出力は教師データなどと照合され、より一致度が高くなるように重みのつけ方を調整します。

そして中間層(隠れ層)を2層以上に多層化したニューラルネットワークを用いた学習のことをディープラーニングといいます。

中間層が複数あることで中間層が1層の場合に比べて、よりに合致する複雑な出力をすることができます。

以下の画像はイメージ図です。

AINOW編集部作成

ディープラーニングによって、特徴量をコンピュータ自ら検出できるようになりました。

つまり、大量の教師データを与えることで、コンピュータ自ら学習することができるのです。

ディープラーニング(深層学習)について詳しく知りたい方はこちら

AIで何ができる?事例と合わせて5つ紹介!

AIは具体的にどのような場で活躍しているのでしょうか。ここでは5つの事例を紹介します!

  1. 病気の診断支援(画像認識)
  2. スマートスピーカー(音声認識、自然言語処理)
  3. ゲーム(探索と推論)
  4. 倉庫業務の自動化(AI×ロボット)
  5. 株価予測(データ分析・予測)

①病気の診断支援(画像認識)

医療分野で画像認識技術が期待されています。従来、レントゲンやCTスキャンなどの画像から疾患を見つけるのは医師の役目です。

しかし、人間による画像の目視だけでは判断にバラつきが出るなどのヒューマンエラーが起こりえます。こうした問題を解決するためにAIが活用され始めています。

例えば深層学習を用いることで、高い精度で画像からがん細胞を検出できます。従来人の目では判別の難しかった、細かな特徴を識別できます。

これが実用化されれば医師の診断の助けとなり、医療の質の向上が望めます。

▶画像認識とは|機能・事例・仕組み・導入方法など徹底解説>>

②スマートスピーカー(音声認識、自然言語処理)

「アレクサ」をご存知ですか?

アレクサは、Amazonで開発されたスマートスピーカーです。人工知能の音声認識などを活用し、あらゆる操作を音声指示で自動化します。

すでに多くの人たちに利用されていて、快適でストレスのない生活を実現する助けとなっています。

▶音声認識の活用事例についてはこちらの記事で詳しく解説しています>>
▶自然言語処理についてはこちらの記事でも詳しく解説しています>>

③ゲーム(探索と推論

AIの技術を用いることで、大量の複雑なデータの集まりから条件に合うものを見つける探索と推論を利用して、パターン分けを瞬時にできます。

それらの技術を利用して、AIと将棋やチェスなどのゲームで対戦できるようになりました。今では、プロ棋士がAIに勝つのは不可能です。それくらい進化しています。

▶ゲームAIとは? ゲームAIの種類や歴史について解説>>
▶AIが棋力向上をサポート?将棋の世界で活躍するAIとは>>
▶ボードゲーム界最強はAI?−AlphaGoの凄さとは>>

④倉庫業務の自動化(AI×ロボット)

物流業界はAIによる業務効率化が著しく、入出庫作業・受注処理・検品業務・荷物仕分けなどの各工程が自動化され始めています。

たとえばユニクロを展開するファーストリテイリングは、2018年にダイフク社と共同して倉庫業務にAIを導入・自動化しています。

このケースでは、約100人いた従業員を10人まで減らすことに成功しました。

▶AI・人工知能が搭載されたロボットまとめ>>

⑤株価予測(データ分析・予測)

マネックス証券が、株価予測の「AI銘柄ナビ」を提供しています。AIが過去の株価の値動きの特徴量を学習することで、銘柄ごとに1か月後の株価予測を行います。

AIは人間では見つけられない特徴量を発見する可能性があるので、精度の高い分析が期待できます。

▶AI予測の活用事例についてはこちらの記事で詳しく解説しています>>

▶《AI事例25選》産業別にAIの活用事例をまとめました>>
▶【30事例を紹介!】デジタルトランスフォーメーション(DX)の事例大全>>

AIの作り方4ステップ

さて実際、AIはどのような手順で作られているのでしょうか。ここでは大きく4ステップに分けて説明します。

  1. 収集したデータの前処理
  2. 学習
  3. 評価
  4. ①〜③を繰り返す

①収集したデータの前処理

人工知能を作りために最初に行うことは、機械学習のためのデータを集めて前処理を行うステップです。

データの前処理とは「データを利用できる形に整形すること」です。このデータの量と質が学習結果に大きな影響を及ぼすため、重要なステップとなります。

AI学習で使われるデータは、テキストデータや画像データ、音声データなどさまざまです。

それらのデータは課題を含むことが多々あります。

例えばデータに異常値や欠損値がある、データの形式がバラバラ、AI学習に適さない形、などが考えられます。

それらに対し、異常値や欠損値を消去し、データクレンジングを行なったり、データ変換や正規化でAI学習しやすいデータに加工したりします。またラベル付けをするのもこのデータの前処理の段階です。

学習

次に、入力されたデータをどのように解釈・分析し、学習を行うかを定める「モデル」の設計です。

開発したいAIの特性ごとに向いているモデルが異なりますので、適切なモデルを設計します。そして、実際に入力データをもとに機械学習を行います。

▶機械学習におけるモデルとは?|モデルの種類や「よいモデル」とは何かについて>>

③評価

学習を行なえば、それで終わりではありません。学習によって目標としたレベルの分析能力を得られたかどうかを評価します。つまり、AIの精度を確認する必要があるのです。

まず、テスト用に用意したデータをAIに分析させます。そこで、思うような結果が出たか、そうでないか、確認します。

④①〜③を繰り返す

③で、目標の結果が出ない場合、学習用データの再検討や追加を行います。

精度が出るまでこれを繰り返します。そして、期待通りの結果を得られるようになれば完成です。

▶PoCとは?導入するメリット・デメリット、進め方をわかりやすく解説!>>

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AIプログラミングの学習法3選

これまで、AIの作り方を3ステップで説明してきました。次に、実際にAIプログラミングを勉強して、AIを作りたいと考えている人に向けて、AIプログラミングの勉強法を紹介します。

  1. プログラミングスクールで学ぶ
  2. オンライン講座で学ぶ
  3. 書籍で学ぶ

①プログラミングスクールで学ぶ

1つ目は、プログラミングスクールで学ぶという方法です。独学はハードルが高い、学習ペースをつくってほしいという方におすすめです。

プログラミングスクールはサポートも手厚く、最後まで学習し抜く工夫が多くなされています。

また、就職や転職のサポートも行っているスクールもあるので、就職や転職を見据えた学習をしたい方におすすめです。

▶AIを学べるスクールおすすめ5選|メリット・デメリット、選び方まで紹介>>

②オンライン講座で学ぶ

2つ目は、オンライン講座です。書籍だけで学習するのは難しい、時間を効率的に使いたいという方におすすめです。

有名講師の講座が受講できたり、質問できるオンライン講座もあります。

またプログラミングスクールに通うよりは金銭的負担が少ないので、費用が気になる方におすすめです。

▶未経験からAIを学べる講座23選|無料からオンラインまで徹底比較>>

③書籍で学ぶ

3つ目は、書籍です。正直、上記二つに比べると難易度は高いですが、独学が得意な人は書籍でも十分AIプログラミングを学べます。

プログラミングの勉強では、度重なるコンパイルエラーとの戦いを避けては通れません。プログラミングを独学するうえで、多くの人が躓くポイントです。

そんな時に役に立つのが、ITエンジニアの悩みに特化した質問サービスを提供しているサイトです。特におすすめのサイトは、teratail(テラテイル)です。

このようなサイトと書籍を組み合わせて学習することをおすすめします。

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書籍 オンライン講座 スクール
費用 -1万円 数万円-数十万円 10万円-100万円
期間 3ヶ月- 1ヶ月-半年 1ヶ月-3ヶ月
難易度 ☆☆☆☆☆ ☆☆
おすすめ度 ☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆

まとめ

今回は、AIの基本的な情報、AIの仕組みに関して説明しました。

AIにはいくつかの分類や様々な手法があります!AIの全体像をつかむことで、今後AIを活用する際の参考になればと思います!

また、AIの作り方を3ステップで説明しました。

AIの実装にチャレンジしようと考えている方のお役に立てれば幸いです!

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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